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BtoB(法人営業)マーケティング大全
BtoBビジネスを展開する中小企業の多くは、マーケティングに対して消極的です。あくまでも私の感覚ですが、日本の中小企業の約90%がマーケティング手法を数えるほどしか活用していません。これにはいくつかの理由がありますが、最大の理由は「リード獲得に対する知識とリソース不足」です。
たとえば、展示会や電話営業といった伝統的な手法に依存し、WebマーケティングやSNS運用、コンテンツマーケティングを導入していない企業が多いのが現状です。また、せっかくWebサイトやSNSアカウントを持っていても、効果的な運用ができていないため、見込客を逃しているケースも少なくありません。
そこで今回は、「BtoB(法人営業)マーケティング大全」をテーマに、BtoBマーケティングの考え方とよりすぐりのマーケティング手法をご紹介します。
第1章 BtoBマーケティングの現状と課題
1. 中小企業におけるマーケティングの現状
冒頭紹介しましたが、BtoBビジネスを展開する中小企業の多くは、マーケティングに対して消極的です。最大の理由は「リード獲得に対する知識とリソース不足」です。具体的なマーケティングの現状をご紹介します。
マーケティング現状のポイント
①オンライン施策の導入不足
SEO、リスティング広告、SNS運用などが活用されていない。
②オフライン施策のマンネリ化
展示会営業やテレアポ営業が中心で、新たなアプローチが欠如。
③マーケティング人材・予算の不足
専任のマーケティング担当者がおらず、営業部門が兼務している。
2.リード獲得が進まない5つの理由
①現状維持バイアス
「これまでの方法でなんとかなっている」と考え、新しいマーケティング手法に消極的な企業が多いです。変化を避ける現状維持バイアスにより、他社が新しい手法で成果を上げている間にも、従来のやり方に固執し機会損失を生んでいます。
【対策】
・競合他社の成功事例を調査し、自社の施策とのギャップを明確にする。
・少額の予算で新しいマーケティング手法をテスト導入する。
②マーケティング手法の認知不足
マーケティング手法は数多くありますが、それらを理解し、選定・実行できている企業は少数です。例えば、SEO、インサイドセールス、MAツールなどは知名度があるものの、具体的にどう活用すれば良いのか知られていません。
【対策】
・社内研修やセミナーでマーケティング手法を体系的に学ぶ機会を設ける。
・外部コンサルタントやマーケティング会社にアドバイスを求める。
③提案するパートナーの不足
マーケティング手法を提案するパートナー企業や代理店が見つからない、もしくは提案が限られた施策に偏っていることがあります。多くの中小企業は、自社に合った柔軟な提案をしてくれるマーケティングパートナーを見つけられていません。
【対策】
・提案内容が多岐にわたるマーケティング会社とパートナーシップを組む。
・複数の代理店やコンサルタントと打ち合わせを行い、提案の幅を広げる。
④専任部署・人材の不足
中小企業では、マーケティング専任者が配置されていないケースが多く、営業担当者がマーケティングを兼務するため、十分なリソースが割けません。
【対策】
・マーケティング担当者を専任で配置する。
・インターンや外部のフリーランスを活用し、部分的に業務を外注する。
⑤予算制約
マーケティング予算が限られているため、新しい施策への投資が難しいことがあります。しかし、低コストで成果が出やすい手法も多く存在します。
【対策】
・低コストで始められるSNS運用やメールマーケティングを導入する。
・効果測定を行い、ROIが高い施策に重点投資する。
第2章 オンラインでのリード獲得手法
1.SEO・コンテンツマーケティング戦略
①SEO(検索エンジン最適化)の基本と実践
SEOは、Webサイトを検索エンジンで上位表示させるための施策です。
BtoBビジネスでは、特に専門性の高いキーワードでの検索上位が重要です。
【ポイント】
1.ターゲットキーワードの選定
顧客が検索する可能性の高いキーワードをリストアップ。
例:「製造業 ERPシステム」「建築業 見積もりツール」
2.コンテンツ制作と更新
・ブログ記事、FAQページ、事例紹介を定期的に追加。
・記事タイトルや見出しにキーワードを自然に組み込む。
3.内部リンクと外部リンク
・関連する記事同士をリンクでつなぐ。
・権威性の高い外部サイトからリンクを獲得。
②コンテンツマーケティングの活用法
SEOと連携し、見込み客に役立つコンテンツを提供することでリード獲得を促進します。
【主なコンテンツの種類】
1.ブログ記事 業界のトレンドや解決法を解説。
2.ホワイトペーパー 詳細なレポートやノウハウ集。
3.事例紹介 成功事例を具体的に解説。
4.動画コンテンツ 製品デモやチュートリアル動画。
2.広告出稿の最適化
①リスティング広告(検索広告)
GoogleやYahoo!で検索された際に上位表示される広告です。
BtoBでは特に効果的です。
【ポイント】
・高コンバージョンキーワードを狙う。
「工場設備 見積もり」「法人向けセキュリティソフト」
・ランディングページを最適化し、問い合わせフォームを簡単にする。
②ディスプレイ広告
ターゲットがよく訪れるWebサイトにバナー広告を表示。
【ターゲティング方法】
・リターゲティング
自社サイトに訪れたことのあるユーザー向け。
・カスタムインテントオーディエンス
特定の興味や関心に基づくターゲティング。
③SNS広告
各プラットフォームの活用法
1.Facebook広告 詳細なターゲティングが可能。
2.LinkedIn広告 BtoB向けに特化した広告プラットフォーム。
3.X広告 話題性の高いコンテンツと相性が良い。
3.Webサイトとランディングページの改善
CVR(コンバージョン率)を高める5つのポイント
①キービジュアルの改善
ファーストビューに製品の価値や特徴を簡潔に伝える画像や動画を配置。
②キャッチコピーの最適化
顧客の悩みやニーズに直結したコピーを使う。
例「製造現場の効率を劇的に改善するERPシステム」
③CTA(コールトゥアクション)の明確化
「今すぐ資料請求」「無料デモを試す」など、行動を促すボタンを目立つ位置に。
④フォームの最適化(EFO)
入力項目は最小限にし、ストレスなく送信できるようにする。
⑤事例・口コミの追加
信頼性を高めるために、導入事例や顧客の声を掲載。
4.SNS運用戦略
①公式アカウントの運用ポイント
【目的別運用方針】
1.リード獲得
製品情報や無料セミナーを告知し、問い合わせにつなげる。
2.ブランド認知
企業のビジョンや取り組みを発信し、信頼感を高める。
3.顧客との関係構築
コメントやDMでのやりとりを大切にする。
②インフルエンサー社員の活用
・自社の社員が個人アカウントで情報発信し、見込み客との関係を築く。
・LinkedInやXが特に有効。
5.チャットツールとEFOで効率化
①チャットツールの導入
・Webサイト訪問者にリアルタイムで対応し、
リード獲得の機会を逃さない。
・例 ChatGPTを活用したAIチャットボット。
②EFO(エントリーフォーム最適化)
・フォームの入力項目を減らし、離脱率を下げる。
・入力補助機能やリアルタイムエラーチェックを導入。
6.オンラインリード獲得施策の実行ステップ
①ターゲットの明確化
②施策選定
SEO、広告、SNS、チャットツールから適したものを選ぶ。
③KPI設定
リード数、CVR、CPA(顧客獲得単価)を定める。
④実施・分析・改善
PDCAサイクルを回し、効果測定と改善を行う。
第3章 オフラインリード獲得手法大全
1.展示会・カンファレンスでのリード獲得
展示会出展の成功戦略
展示会はBtoBビジネスにおいて伝統的でありながら依然として効果的なリード獲得手法です。しかし、多くの企業は漫然と出展し、効果的な成果を上げられていません。
展示会出展成功の5ステップ
【目的と目標設定】
例:リード100件獲得、商談アポイント30件設定
1.ターゲットに合った展示会を選定
・業界特化型の展示会や、来場者の質が高いものを選ぶ。
2.ブースデザインとキャッチコピーの工夫
・一目で何の会社かわかるデザイン。
・キャッチコピー例:「建設業向け業務効率化ツール」
3.ノベルティとコンテンツの活用
・来場者に役立つ資料やサンプルを提供。
・タブレットを用いた製品デモや動画上映で関心を引く。
4.事後フォローの徹底
・名刺交換後、1週間以内にフォローコールまたはメールを実施。
カンファレンス・セミナー開催
自社でカンファレンスやセミナーを主催することで、ターゲット層と直接つながる機会を創出できます。
【成功ポイント】
1.テーマ設定
顧客が抱える課題や関心事に沿った内容にする。
例:「DX推進で製造業の生産性を向上させる方法」
2.登壇者の選定
自社の専門家や外部の著名人を講師として招く。
3.集客施策
メールDM、Webサイト、SNS広告、顧客への直接案内。
4.事後フォロー
参加者にはセミナー資料や録画データを送付し、商談へつなげる。
2.DM・パンフレットを活用したリード獲得
効果的なDM(ダイレクトメール)戦略
DMはターゲットの手元に直接届くため、しっかりとしたメッセージを伝えれば高い反応が得られます。
DM作成のポイント
1.ターゲットの明確化
例:設備投資を検討している製造業の経営者。
2.キャッチコピーとオファー
例:「無料診断で業務効率を見直しませんか?」
3.パーソナライズ
受け取る人の名前や企業名を入れることで関心を引く。
4.フォローアップ
DM送付後、3日~1週間以内にフォローコールを行う。
成功事例:製造業C社のDM戦略
C社は、自社の製品カタログを同封したDMを経営者宛に送付し、フォローコールを徹底。反応率は8%に達し、新規商談を多数獲得。
3.顧客・株主・インフルエンサー社員による紹介
紹介リード獲得の仕組み
既存顧客や関係者からの紹介は、質の高いリードを得る手段です。
紹介を促進する3つの施策
1.顧客紹介制度の導入
紹介してくれた顧客に特典や割引を提供。
2.株主やアドバイザーとのネットワーキング強化
定期的に情報交換会や懇親会を開催。
3.インフルエンサー社員の活用
社員にSNSで自社製品やサービスを紹介してもらう。
4.飛び込み営業とテレアポの効果的活用
飛び込み営業の成功ポイント
1.ターゲットリストの作成
事前に訪問先の情報をリサーチし、効率的に回る。
2.第一印象と挨拶
簡潔で明るい挨拶:「○○のご提案で参りました△△社の○○です。」
3.短時間での提案
1分以内でメリットを伝える「エレベーターピッチ」。
5.オフラインリード獲得施策の実行ステップ
1.目標設定
例:「展示会で100件のリード獲得」
2.計画と準備
出展準備、DM作成、セミナーの告知。
3.実施
各施策を計画通りに進める。
4.フォローアップ
名刺交換やリードに対して迅速にフォロー。
第4章 オンラインリード獲得チェックリスト
SEO・コンテンツマーケティング
✅ ターゲットキーワードのリサーチ
✅ ブログ記事やホワイトペーパーを定期的に投稿しているか?
✅ Webサイトのコンテンツは最新情報に更新されているか?
✅ 各ページに適切なタイトルタグとメタディスクリプションが
設定されているか?
✅ 内部リンク構造が最適化されているか?
広告出稿
✅ リスティング広告でターゲットキーワードを適切に設定しているか?
✅ SNS広告(Facebook、LinkedIn、Twitterなど)でターゲティングを
適切に設定しているか?
✅ 広告クリエイティブ(バナー、テキスト)がターゲットの課題に
合致しているか?
✅ 広告のA/Bテストを定期的に実施しているか?
ランディングページ(LP)最適化
✅ ランディングページにCTA(コールトゥアクション)が明確に
配置されているか?
✅ CVR(コンバージョン率)向上のためのEFO(エントリーフォーム
最適化)がされているか?
✅ 顧客事例や信頼性を高めるコンテンツが掲載されているか?
SNS運用
✅ ターゲットに合ったSNSプラットフォームを活用しているか?
✅ 投稿頻度を決めて定期的に情報発信しているか?
✅ コメントや問い合わせに迅速に返信しているか?
✅ 社員アカウントやインフルエンサー社員を活用しているか?
第5章 オフラインリード獲得チェックリスト
展示会・カンファレンス
✅ 出展する展示会やカンファレンスの目的が明確か?
✅ 出展前にターゲット企業や来場者リストをリサーチしているか?
✅ ブースデザインやキャッチコピーがターゲットに刺さる内容に
なっているか?
✅ ノベルティや配布資料を準備しているか?
✅ 展示会後のフォローアップ計画があるか?
DM・パンフレット
✅ ターゲットにパーソナライズされたDMを作成しているか?
✅ 送付前に宛先情報が正確か確認しているか?
✅ 送付後のフォローコールを計画しているか?
✅ 効果測定を行い、改善点を洗い出しているか?
セミナー・ウェビナー
✅ セミナーのテーマが顧客の関心や課題に合致しているか?
✅ 参加者リストの作成と集客施策(メール、SNS、DM)を
実施しているか?
✅ フォローアップとして資料送付や次回提案の打診を行っているか?
第6章 リード育成チェックリスト
メールマーケティング
✅ ステップメールのシナリオが顧客の購買ステージに合わせて
設計されているか?
✅ 定期メルマガを月1~2回配信しているか?
✅ メールの開封率・クリック率を測定し、改善しているか?
リマーケティング広告
✅ リードの行動履歴に基づいたリマーケティング広告を設定しているか?
✅ 広告クリエイティブを複数用意し、A/Bテストを実施しているか?
MAツール活用
✅ リードスコアリングを設定し、ホットリードを営業に
引き渡しているか?
✅ リードの行動データを活用し、適切なタイミングでアプローチ
しているか?
第7章 商談獲得・最大化チェックリスト
インサイドセールス
✅ リードへの初回コンタクトは5分以内に実施しているか?
✅ フォローコールは最低6回行っているか?
✅ リードごとにカスタマイズしたトークスクリプトを用意しているか?
商談準備
✅ 商談前に顧客の課題や状況をリサーチしているか?
✅ 提案内容を顧客に合わせてカスタマイズしているか?
✅ 商談のゴールを明確に設定しているか?
商談後のフォローアップ
✅ 24時間以内にお礼メールを送っているか?
✅ 商談内容の要点と次のステップを明確に伝えているか?
第8章 マーケティング戦略実行チェックリスト
✅ 年間・四半期ごとのマーケティング計画を立てているか?
✅ 施策ごとのKPIが設定されているか?
✅ マーケティングと営業が定期的に進捗を共有しているか?
✅ PDCAサイクルを回し、施策の改善を続けているか?
第9章 チェックリスト活用のポイント
1.定期的な確認
月次・四半期ごとにチェックリストを確認し、進捗を評価。
2.部門間で共有
営業部門とマーケティング部門で共通のチェックリストを活用し、連携強化。
3.改善点の洗い出し
チェックがつかなかった項目は改善点として認識し、次のアクションに活かす。
これらのチェックリストを活用することで、BtoBマーケティング活動を効率的に管理し、成果を最大化することができます。次回の施策立案や戦略見直しの際に、ぜひご活用ください。
付録
新しい販売チャネルとしてのライブコマース
2024年12月からはじめた週1回60分の「TikTokライブ」。
TikTokでのフォロワーは3.8万人いますが、動画を投稿するのとTikTokライブは別物です。 私はYouTubeライブもやったことがありません。どの動画プラットフォームでも、撮影して編集した動画を投稿するだけでした。
ですから、TikTokライブは私にとって新しい試みです。
つい先日の4回目、視聴者から質問がきたので丁寧にお答えしました。
そして、わずか5分ですが、「もっと詳しいことはnoteの有料記事があるのでそちらをご覧ください。」と伝えました。また、有料記事の活用方法なども併せて伝えました。
つまり、ちょっとしたライブコマースのようなことを5分やりました。
そうしたところ、TikTokライブ→note→有料記事購入の流れで、30,200円の売上! ライブコマースは、中小企業にとって、新たな販売チャネルになると確信しました。
2025年、noteの売上は過去最高。
動画はYouTube(広告収入)とTikTok(ライブからnoteへ誘導)でマネタイズ、テキストコンテンツはnoteでマネタイズ。 あとはXとLinkedInで、的確なリードジェネレレーションとリードジェネレーションとナーチャリングをやるのが重要です。
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