エネルギー摂取不足は女性アスリートに影響を与える
女性アスリートがエネルギー摂取量を減らしてトレーニング量を増やすと、健康状態やトレーニングに対する筋肉の反応能力に悪影響が出るようだ、というデンマーク・オーフス大学からの研究報告。
研究チームは、「競技の準備とトレーニングの最適化」研究に参加した、18歳から30歳までの健康な女性30人を対象として、ランダム化対照試験を行った。全員が月経開始直後に研究を開始し、3週間にわたって非常に管理されたトレーニングと食事療法に従った。参加者をランダムに2群に分け、1群を低エネルギー (LEA, 25 kcal · kg fat-free mass (FFM)−1 · day−1) 群、もう1群を適正エネルギー (OEA, 50 kcal · kg FFM−1 · day−1)群として10日間の介入を行った。
介入の前に、両グループは OEA による 5 日間の「慣らし運転」期間を過ごした。実験期間を通じて、2.2 g kg 除脂肪体重-1 · day -1のたんぱく質を含む、すべての食品が提供された。実験期間を通じて、監督付きの標準化されたレジスタンスおよび心血管運動を組み合わせたトレーニング プログラムが実施された。
毎日の筋たんぱく質合成は、摂取した二重標識水からの重水素 (D2O)の消費を、身体組成、安静時代謝率、血液バイオマーカー、および 24 時間の窒素バランスの変化と組み合わせて測定した。
解析の結果、研究チームは、LEA群がOEA群と比較して、毎日の筋たんぱく質合成を減少させることを発見した。また、LEAによって、除脂肪体重、尿中窒素バランス、遊離アンドロゲン指数、甲状腺ホルモン濃度、安静時代謝率の減少が観察された。
「食事から十分なエネルギーが得られないと、携帯電話がバッテリー節約モードになるのと同じように、体は多くのエネルギーを必要とするプロセスを削減し始めます。生理が止まる女性もいます。私たちの結果は、新しい筋肉たんぱく質の構築など、体内の他のプロセスも影響を受けていることを示しています」と筆頭著者で博士課程学生のミッケル・オックスフェルト氏はコメントしている。
出典は『The Journal of Physiology』
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1113/JP284967
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