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『こどものスモールトラウマのためにできること: 内面で何が起きているのか』を読んで

今回ご紹介する本『こどものスモールトラウマのためにできること: 内面で何が起きているのか』(本棚に置いています)は一言で言って、今までの子どもへの理解や関わりを大きく変える本でした。

白いハコ、駅前本棚に置いています。


1.子どもとの関わりで大切なのは親子共にサバイバルモードになる状態を理解すること

子どもは情動や感情が混乱して、自分のキャパを超えた時、それを適切に表現することができない。

その方法がわからない。
(大人も上手ではないと思うけど…。)

暴言、癇癪、大泣き、黙り込む、固まるなどでしか表現できないことが多い。

でもこの言動が大人を脅かす。

どうしたら良いのかわからず、混乱してる。

子どもと同じサバイバル(警戒状態)になっている。

だから闘争か逃走反応かフリーズしてしまう。


2.子どもの言動を否定や強制すると子どもにネガティブな自己信念が出来てしまう


でもここで大人が感情的な反応をすることで、子どもは自分に起きている混乱を理解し、自分も周りも脅かさない表現を学ぶチャンスが失われる。

また子どもの脳の発達段階では、それは自分自身がダメだ、弱い、無能だ、愛されていないなどの信念を作りやすい。

ベッキー・ケネディーさんのTEDでその仕組みを説明されている。

とても大事なことなので、是非観て欲しい。

ベッキーさんは自分を悪いと定義して、親や世界を安心と考えることのほうが安全だと感じられると仰っています。


親が自分を大切に思っていてくれているんだと感じられないと脳は生存や存在に対する脅威と感じて、そのまま生き抜くことはできないと感じてしまうんだと思う。


そしてこの信念から社会や人や自分に対するイメージが出来上がり、その眼鏡からできごとや人の言動を理解するようになる。


そこからあらゆる選択や表現がされて、それがアイデンティティーや性格になっていく。

その子の本来のものはどんどん抑圧されたり、底に沈んでわからなくなってしまう。

この本はその仕組みについて、たくさんんの子どもや大人の事例を掲載して、説明してくれています。

また子どもの内側の混乱が表現された言動を大人がどう理解し、どう関わるのか?

今までの躾やアドバイスなどでは悪影響がいくつも在ることをこの本で知りました。

自分を振り返っても、日常の選択、感情の扱い方、人との関わりで大きな影響が今もたくさんあると感じました。


例えば


①子どもの行動を良い悪いと判断して、否定したり、強制すると、子どもは自分の情動や感情の混乱をどう表現していいのか学べない。

②子どもが生まれながらに持っていた興味津々、探求心などが受容されないことや拒絶されることなどの怖れや不安に覆いつくされていしまう可能性も高い。

③自分に対していろいろなネガティブなもをを信念を持ってしまう可能性もある。

  • 自己非難の習慣

  • 自分に対するネガティブな信念

  • ○○べきなどの脅し


それが


この本では脳の仕組みや子どもの脳の発達から子どもが感情的になったり、混乱した時に大人がどう関わると上記のようなことを避けられるかについて、たくさんの子どもとの関わりの事例で紹介されています。


この本を読んで、今までの社会は子どもの言動を即座に良い悪いと決めつけて、否定や強制することが多いなと感じました。

そのせいで、生きづらさや苦しさを感じやすいし、何より自分が蔑ろになりやすい。

なと。

その仕組みを知ることができて、何が大切かをわかったことで、息子たちとの関係だけでなく、両親や友達、仕事先などで、私がとっても楽になりました。

正しさや良いことではなく、まずお互いがつながりを感じ、安心してから内側で何が起きているのかを理解していくことで、できることが増えるなと感じます。

今回大切だと思ったことは

  • 危険を感じると思考脳は働かないし、自分が望まない行動をしやすい

  • 子どもは自分がダメだという信念を作りやすい

  • リスペクトとつながりを感じ、安心することが何より大事

3.安心とリスペクトを感じ、脳や神経、身体が落ち着くことで気づきや学びができるようになる

この本では子どもと安心したつながりを作り、敬意を払った関わり方や声かけをすることが最優先だと書かれています。


先ほどのサバイバル(警戒)モードの状態では闘争か逃走反応、またはフリーズ(思考停止)状態で、気づきや学びはおきにくい。

子どもに敬意を払った関りをして、安心して共に居られることを実感してもらうことが何より最優先になる。

そこから共にそれぞれの感情とニーズを明かしあい、共に満たす方法を探求、創造していくことができる。

そこをじっくり丁寧にやることで子どもが人と協力して、お互いを尊重して関われる人になっていくと思う。


4.大人も自分を振り返って、自分の痛みや怖れを理解し、受容し、癒すこと


ここで親もサバイバル(混乱)状態に居ることをしっかり理解し、受容すること。

大人も同じように感情とニーズがあり、それを否定されたり、強制されたり、蔑ろにされたら怒りが湧くのは当然のことなんだ。


ただそこで子どもの言動を過去の痛みや傷の再生として見ていたり、反対に痛みを二度と感じないようにこうあるべきと決めたことだったりするかもしれない。

自分の内側の投影が起きやすい。


ここは由佐美加子さんの『ザ・メンタルモデル』『ザ・メンタルモデル ワークブック: 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』で自分とつながり、

何を良い悪いとジャッジしているのか。
自分を制限しているのか

それはどんな怖れや痛みなのか。
どんな反応のパターンが在るのか

ここを見ていくことが人との関わりで、投影や決めつけから関わらない為にとても力になると思う。

メンタルモデルの最初の講座に参加して、昨日全6回が終了して、その大切さとパワーを受け取っている。

この本は本棚に置いています。


こちらの本のワークを今回の講座ではやっていきました。

お互いを聞き合い、自分にはない問いかけをしてもらうことで自分が気づかなかった縛りや制限に気づき、解きほぐされて、楽なったり、日常で気づいて、自分を支えることができるようになってきました。



バイブルのような本だと思っています。

それぞれ簡単に説明すると

人間の行動選択の理由は90%以上無意識の中に在ると言われていて、そこに在る痛みや怖れから作り出されたパターンを知ることができる由佐美加子さんの『ザ・メンタルモデル』『ザ・メンタルモデル ワークブック: 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』

幼少期の感情や情動の混乱に対し、大人がどう関わるかで自分に対する信念ができてしまう仕組みやネガティブな信念ができない為にどんな関わりが必要なのかを脳科学やたくさんの子どもとの臨床経験から説明されているこどものスモールトラウマのためにできること: 内面で何が起きているのか』


5.子どもにネガティブな信念ができないように関わるには、NVCが力になる。

そしてネガティブに信念が出来たり、子どもや人を脅かしたり、反対に自分を抑圧したり、我慢しないためにNVCが力になると感じています。


NVCは今講座を受講したり、子どもニーズカードの1日講習会に参加して、学びを深めています。

どんなコミュニケーションができるのかを体系だてた『「わかりあえない」を越える――目の前のつながりから、共に未来をつくるコミュニケーション・NVC』『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』


この3つが私の生き方や人との関わり方を今も変え続けてくれているものです。

まとめ:

この本を読んで、自分の信念やアイデンティティをつくった経緯や理由が理解できました。

また子どもの頃の親や周りの大人から関わり方が、

自己表現を閉ざしてしまうことにつながったり
本当のことを明かすことは危険だと感じさせたり
本当に在ることを安心して分かち合えないことにつながっている

と感じました。

それはとても寂しい生き方だなと思います。

それが今の社会の難しさ、苦しさ、問題や課題につながっていると感じています。


ここを乗り越えていく為にもお互いが在ることを評価なく、聞き合えるつながりや場がとても大事だと思います。

そこで何ができるのか?

共に明かしあい、探求、創造していくこと
そこで感じる痛みや怖れをホールドして、支え合えること。

これを探求、創造していきたいし、
つながりの中で、それを見つけていきたいと願っています。



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