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スリランカの天気予報。

スリランカでは、毎年気象災害が発生し、甚大な被害をもたらします。

2020年5月、巨大サイクロンAmphan(アンファン)の影響で、広範囲に渡る記録的豪雨及び洪水・土砂崩れなど甚大な被害が発生。日本ではコロナ関連ニュースが中心であまり目立った報道がされませんでしたが(されてもインド・バングラデシュの被害状況が中心)、その傷跡は深刻なものでした。

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被害を拡大させる要因として、治水や地盤強化が行き届いていないこともありますが、国内各地に正確な気象情報が提供されていない点も挙げられます。

スリランカ気象局の天気予報はTV・ネットを通じて得ることができます。しかし、その予報は主観的要素が強く、過去データや客観資料に基づいているとは言い難いもの。つまりは予報精度が低いのです。
日本や欧米諸国と比べると、精度の低い観測機器や管理能力が不十分であることも要因です。

精度の高い気象予報が提供されないため、気象災害に対する事前準備ができず、被害が拡大するという現実がスリランカには存在します。
スリランカのこの状況に対して、日本は気象観測・予報性能の向上プロジェクトをODAで同国に提供しています。

ODAと言うと、土木・教育・交通などのインフラ整備といった印象が強く、気象性能向上というのは珍しい部類に入るかもしれません。

日本の気象ODAでは、気象観測機器の導入から維持管理に始まり、拠点ごとの観測精度向上や、地上観測地点の整備、データ蓄積とその活用方法など、日本の技術を供与するとともに、如何にして分かりやすく国民へ正確な気象情報を提供するかに至るまで、非常に広範囲に渡るノウハウの供与が成されています。

日本の技術・ノウハウで、毎年発生する水害被害が少しでも収まってくれれば、日本人として、とても誇らしいことだと感じます。





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