モルディブの伝統料理
今回もモルディブ。
海外に行くと、現地の食事が合うか合わないか、これがとても重要なんです。
特に、私のような胃腸の弱い人間にとっては、最重要課題。
スリランカ、インド、バングラデシュ。
仕事で訪れる機会のある国々は、ほとんどがカレー文化。現地のカレーが楽しみで…と言う方もいるでしょう。
食事は、国や地域、人々にとって大切な文化。尊重して然るべきものです。
しかし胃腸脆弱で、機内食でも「辛くないもの」をチョイスする私には、アジア各地の激辛スパイシー料理は、なかなかキツい。
常夏リゾートの国、モルディブも基本的にはカレー文化。
でも、この国の伝統的なローカルフードで、ひとつだけ大好きな料理があるのです。
今回は、そちらのご紹介。
モルディブは小さな島国です。
観光業はもちろん、島国なので漁業も盛んです。
首都マーレの魚市場では、毎日新鮮な魚が持ち込まれます。
モルディブには、リハクルという調味料があります。
リハクルは、加工後のモルディブフィッシュ(カツオ)の残渣を、ひたすら煮詰めて作る伝統的な調味料。
長い時間ぐつぐつ煮込みます。
ドロドロになるまで煮込んだら、これを冷やして瓶詰めして出来上がり。
かなり塩分高めで魚醤に似ています。
古くから漁業が盛んなモルディブだからこその、力強い調味料です。
お魚と密接な食文化が根付いているモルディブ。
私の大好きなローカルフードも、ガルディアと呼ばれる伝統的な魚料理です。
写真左は、モルディブフィッシュ(カツオ)で出汁を取り、塩で味を整えたスープ。それを写真右のライスにかけて、ライムを搾って食べます。
ライスに乗っているのはオニオン。これもいいアクセントなんです(インド周辺のアジアでは、紫玉ねぎをよく見かけます)。
魚出汁なので、日本人にはどこか馴染みある味のガルディア。
胃腸への刺激が強いカレー文化の中、優しいガルディアの味に癒される瞬間は、なんとも至福のひと時。スリランカ出張の折には、ガルディアを食べるためだけにモルディブまで足を伸ばしても良いくらいです。
ガルディアは、モルディブの代表的な伝統料理。
各家庭で味も作り方も違って、モルディブの人々にとってはとても懐かしい味だそうです。
上記の写真は、首都マーレで滞在していたホテルのレストランで食べたガルディア。レストランメニューにガルディアはありませんでした。でも「ガルディアあります?」と訊いたら作ってくれたのです。
街の庶民的な食堂なら、だいたいガルディアはあります。リゾートホテルのレストランでも、お願いすれば作ってくれるところもあるとか。
いつかコロナが収まって、自由にモルディブに行ける日が来たら、ガルディアの優しい味に再会したいものです。