使える不動産英単語 #11 ー「K」は「礼金/権利金」 K for “ Key Money ”
楽しい不動産英単語のVol.1~Vol.26で、ざっと不動産英単語と、その背景となる状況を見てきました。
ここでは、グルメ英単語のシリーズと同じく、「使える不動産英単語」シリーズとしてA~Zを見ていきます。毎週木曜日にアップ予定です。よろしくお願いします。
それでは、「K」
Bill : Will the key money paid be put into the security deposit?
Agent : I am afraid key money will not be reversed and will not be part of the security deposit.
Bill : No way!
ビル:支払った礼金は敷金の一部に投入されますか?
不動産屋:残念ながら、礼金は払い戻しが効かず、敷金の一部にもなりません。
ビル:まさか!
ということで、
K for Key Money
権利金/礼金 にしてみました。
国によって、また日本国内でも地域によって、
扱いや金額などに大きな違いがあるという敷金や礼金。
でも、基本的に、似たようなものが存在します。
礼金に当たるのが Key Money で、敷金に当たるのが Security Deposit だと考えてよいと思います。
まず、敷金であるSecurity Deposit について、
ニューヨーク州の場合、地元政府発行のこの資料は大変よい参考になると思い、ここに載せておきます。
https://hcr.ny.gov/system/files/documents/2020/10/fact-sheet-09-10-2019.pdf
この資料を読み進めると、
ニューヨークでは、敷金が1ヶ月と決まっています。
また、預けている間、
賃貸人はそれを銀行に入れて、
返す時には銀行の金利分も計算するとあります。
比較的法律上はっきりした位置付けの敷金に対し、
礼金·権利金と訳されているKey Money は
どのようなものでしょうか。
ちなみに、上の資料を読み進めるとあるように、
ニューヨーク·シティではKey Money は認められていません。
礼金について、
Investopedia インヴェストぺディアにある、
以下の記事を参考に考えてみましょう。
いかがですか?
礼金は、その物件を次に借りる権利を確定させるための、
チップ gratitude 、
または賄賂 bribe 、
時には袖の下 under-the table payment
だそうです。
上の会話の場合だと、
礼金が違法だとはっきりしている場所では、
ビルさんはその法律知識を武器に、
礼金分を取り返せるかもしれません。
が、往々にして、
このようなしきたりから出ている支払いの場合、
不要な波風を立てることにもなり、
あるいは、礼金を払う人に物件を持っていかれるという、
なかなか対処の難しい状況に立たされますね。
多くの人が、
住みたい物件を確保するための必要経費、
と割り切ることが推測されます。
振り返って、
最近の都内では、
店子の権利を守りすぎるため、
大家さんがあまりにも損するので、
大家になりたくない、
という事例も出ているとか。
かつてのように、大家だと暴利、
みたいのは修正されるべきですが、
借り物だからと汚く住んで、
間に入る不動産業者お抱えの内装業者も、
出ていくテナントを追いかけるより
大家さんに高額な内装費を請求する方が楽、
という考えに偏ると、
大家さんが減って、
物件が流通しなくなる恐れがあります。
また、貸し物件にお金をかけない大家さんが増えると、
それはそれで、街並みの劣化、
街の安全性の衰退、
などの問題も見えてくるわけですから、
自分がすぐに借りてや貸し手にならなくても、
実は興味を持って公平性を考えるべき問題なのかもしれません。
Photo bysoranoworld 様、
素敵なイラストを使わせていただきました。
ありがとうございます。
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