使える不動産英単語 #5 ー「E」は「手付金」 E for “Earnest Money ”
楽しい不動産英単語のVol.1~Vol.26で、ざっと不動産英単語と、その背景となる状況を見てきました。
ここでは、グルメ英単語のシリーズと同じく、「使える不動産英単語」シリーズとしてA~Zを見ていきます。毎週木曜日にアップ予定です。よろしくお願いします。
それでは、「E」
The realtor : If you have made up your mind you’d better put an earnest money.
The buyer : How much do I need to deposit?
The realtor : Usually it's about 1~3% of the price, so let me see...
不動産屋:決心なさったら、手付金を入れた方がいいですよ。
買い手:いくら預ければいいのかな?
不動産屋:普通は価格の1から3パーセントなので、えーとですね···
ということで、
E for Earnest Money
手付金
にしてみました。
Earnest は、
真面目な、真剣な、熱心な、などの意味で、
そういうお金を払うということは、この取引に真剣だぞ、
と誠意を見せることですね。
日本でも手付け金の習慣はあります。
新築物件のチラシ広告などに、
「申込書と手付け10万円で予約できます」、
などと書いてあるのを、昔はよく目にしました。
しかし、
あれは申込金(または内金)とでもいうべきもので、手付けとは違います。
そのせいか、
最近はそういう文言は目にしなくなりました。
手付金額は、日本でははっきりと決まっていません。
個人から買うのか、売主が不動産業者なのかでも違うようです。
が、だいたい価格の1割で、
契約が順調に進めば、購入代金に投入されます。
しかし、契約不履行の場合、
理由が売主にあったら手付け倍返し、などと言いますが、
これは倍(つまり2倍)ではありません。
預かった手付金額を相手に戻し、
それとは別に契約を実行できなかったペナルティを
手付金額と同じだけ払う(違約手付け)ので、
実際は、手付け金額1回分しか払いません。
買い主側の理由で契約解除の場合(解約手付け)は、
手付け金が戻ってきません。諦めてください。
つまり契約がうまく行かなかった場合は、手付け金額分だけ、
買い手か売り手のどちらか、
契約を反故にした方が支払うことになります。
ちなみに倍返し、というと、
100万円の手付けを預かっていたら、
それは持ち主(買い主)に返すのは当然なので、
それ以外に2倍の200万円を用意しなければならない
というように理解してしまうのは、
私だけでしょうか。
算数の感覚がずれてたらごめんなさい。
手付け金を高額にして、
売主が他からもっといいオファーを受けたとしても、
違約手付けを支払うと乗り換えた場合の出費が大きい
と判断すれば、
契約を反故にすることは少なくなります。
Earnest money について、
ということで、
手付け金を置くのは、
買い手が真剣にその物件を買おうと考えているという態度を示し、
売り手もそれを受け入れるということです。
金銭的にコミットする show the financial commitment することで、
契約がシリアスになっていきます。
上の訳で、
「手付金」と「誠意の預託金」と訳しましたが、
手付け金を単純にdepositということもありますので、
誠意を示すための預託金とはつまり手付け金です。
楽しい不動産英単語でも言及しましたが、
手付け金は
エスクロー·アカウント escrow account
に保管されます。
日本でも、エスクロー·アカウントやそれを反映した考えが、
ずいぶん発展してきていると思います。
不動産屋さんに預けておいた敷金や工事代金を、
持ったまま倒産されて、
一円も帰ってこなくなり、
痛い目を見た経験があるので、
つい心から、
預かり金の保全という発想が浸透してくれること
を望んでしまいます。
Photo bynatsuhino様、素敵な写真をありがとうございます。使わせていただきました。