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船乗りの幼児向け訓練·教育 ~当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 吾妹の父親(義父)は、船舶関連の学校に学んだ生粋の船乗りでした。超大型船舶も操船できたのですが、終戦後の昭和20年代という時代のいたずらで、大型タンカーが活躍する大手石油会社に就職。船乗りとしてではなく普通のサラリーマンとして勤務をしていました。
 私の娘が幼い頃、私が海外畑で例えば国内に半年居ないなどという生活だったため、義父が私に代わって娘に、船乗りらしい訓練·教育をして下さいました。

①基礎体力育成
 例えば腕の筋肉のトレーニング
②お作法
 例えばテーブルマナーや和食でのお魚の食べ方
③登山、岩場登り
 付近の低山に行き登山やロッククライミング
④水泳
 付近の海に行き海での水泳、潜水
 プールでの競技泳法
⑤日常生活全般
 入浴、掃除、洗濯、料理

 その中から娘から聞いた面白いエピソードを2つ

 基礎体力育成ということで、自宅前のマンション屋上に上がるハシゴを使い、筋肉トレーニングをしてくれていたそうです。「声を掛けるまで下に降りて足つくな。」と言い残して一旦家に入ってしまったそうです。娘は、両手を伸ばして懸垂していたそうです。なかなか戻って来てくれないので、疲れて足を着きたくなったそうです。ですが、「下に降りて足をつかなければ良い。」ならと頓知を使い、コウモリのように手すりにぶら下がって耐えていたそうです。そして義父か登場。

 「流石。偉い。」

 褒めてもらったそうです。

 船乗り流日常生活ということで、入浴は洗面器3杯のお湯で洗髪まで済ませるというトレーニングを受けたそうです。後に娘は潜水艦乗りと結婚するのですが、流石に今時潜水艦乗りでも洗面器3杯は無理とのこと。そこを尊敬されて求婚させたとか···

 義父は、へなちょこな私と違い、船乗りとして筋が通ってました。


 

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