見出し画像

7年間続けているマーケティングの勉強法

22歳から7年ほどマーケティングに関わる中で自分なりの勉強法が固まりつつあります。あと半年ほどで30歳というタイミングでもあるので、一度、自分のマーケティング勉強法についてまとめてみることにしました。

これからマーケティングの世界に飛び込もうとしている方や入ったばかりの方、マーケティングの勉強法を探している方の参考になれば嬉しいです!

0. 私について

データドリブンマーケティングを専門としているマーケターです。大学在学中よりデジタルエージェンシーに在籍し、2018年にConnectantというコンサルティング会社を設立しました。

マーケターとしての7年間は一貫してマーケティング支援会社側でのキャリアです。リサーチ業務からスタートし、デジタルプロモーション施策やブランディング施策のプロデュースを複数担当。その後は各種戦略立案や体制構築などのコンサルティングを担当しています。BtoCマーケティングを担当することが多いですが、BtoBマーケティングの経験もあります。

1. 自分の専門分野と理解すべき分野を決める

マーケティングと呼ばれる範囲は広がり続けており、とてもじゃないですが、全ての分野を数年でマスターすることは難しいと感じてます。
戦略的に、効率良く勉強するためには、自らのマーケターとしての専門分野と理解すべき分野を決めて、定期的に見直すことが重要だと考えています。

その際に役立つのがインサイトフォースの山口 義宏さんが著書の中で紹介されているマーケティングキャリアの6段階です。

画像1

マーケターとして意識しておきたい6段階の成長ステージと目標設定 | マーケティングの仕事と年収のリアル | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/184447

自分がどのステージにいるのか、またはどのステージにいきたいのかを意識して考えます。例えばSNSマーケティングを専門分野とされているマーケターの方であれば、TwitterやInstagram、最近だとTikTokなどを活用した施策を担当できる知識やスキルが必須です。

また、ブランドマネージャーやマーケティングディレクターから提示されるオリエンテーション(ブリーフィング)資料に記載されているブランド戦略やマーケティング戦略について、立案できるスキルは必要無くても、意図を理解するための知識は必要だと思います。

このような形で必ず抑えておきたい専門分野と、付随して理解しておかなければいけない分野を決めるようにしています。もちろん、これらの分野はキャリアやポジションの変更に伴って変わることもあります。

2. マーケティングの全体像を勉強する

専門分野と理解すべき分野を決めると先述したものの、マーケティングの全体像については、すべての人が理解しておく必要があると思っています。マーケティングの全体像は1〜2年で変わるものではないため、本で勉強するのがおすすめです。

個人的に良かった本は「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」と「グロービスMBAマーケティング」の2冊です。

「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」は900ページを超える原著と理論部分を中心に再構成した基本編の2冊があるのですが、全体像を抑えるのであれば、基本編でも十分かと思います。

「グロービスMBAマーケティング」は昨年10年ぶりに改訂されたMBAマーケティングの最新版です。紹介されている事例も「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」に比べると最新のものが多く、よりコンパクトに整理されているので、サクッと学びたい方にはこちらがおすすめです。

これらの本は常に手元に置くようにしていて、百科事典代わりに使ったり、定期的に読み直すようにしています。

3. 特定の分野を勉強する

マーケティングの全体像は頭に入れた上で、自分で決めた分野の勉強をします。特定の分野の勉強については下記のような方法があると思います。

3.1. 本
体系立てて効率的に勉強するには本がベストだと思っています。例えばマーケティングリサーチでは上田 拓治さんの「マーケティングリサーチの論理と技法」がとても勉強になりました。

ブランドはデービッド・アーカーさんの「ブランド論」をはじめとする数々の著書で学びました。

バズワードが定期的に生まれるマーケティングですが、比較的どのワードでも解説している良書が存在すると思っています。例えばNPSならフレッド・ライクヘルドさんの「ネット・プロモーター経営」。

BtoBマーケティングで話題になったABMなら庭山 一郎さんの「究極のBtoBマーケティング ABM」。

最近話題のブランドパーパスならジム・ステンゲルさんの「GROW」。

このような形で、勉強したい分野が決まったら、まずはその分野の本を読むようにしています。

3.2. Webメディア
最新情報や具体事例を勉強するためにWebメディアをチェックするようにしています。専門メディアやマーケティング支援会社が運営しているオウンドメディアなどを100サイトほどブックマークして、RSSリーダーに登録し、空いている時間に記事を読んでいます。

下記は私がチェックしているメディアの一部です。

■専門メディア
MarkeZine https://markezine.jp/
AdverTimes https://www.advertimes.com/
DIGIDAY https://digiday.jp/
日経クロストレンド https://xtrend.nikkei.com/
Web担当者Forum https://webtan.impress.co.jp/
Agenda note https://agenda-note.com/
宣伝会議デジタルマガジン https://mag.sendenkaigi.com/
Marketing Native https://marketingnative.jp/
ITmedia マーケティング https://marketing.itmedia.co.jp/
Campaign Japan https://www.campaignjapan.com/
AdGang https://adgang.jp/

■マーケティング支援会社 オウンドメディア
ウェブ電通報 https://dentsu-ho.com/
生活者データ・ドリブン・マーケティング通信 https://seikatsusha-ddm.com/
HubSpot マーケティングブログ https://blog.hubspot.jp/
SEO Japan https://www.seojapan.com/blog/
engagemate https://engage-mate.jp/
knowledge / baigie https://baigie.me/officialblog/
Goodpatch Blog https://goodpatch.com/blog
UX MILK https://uxmilk.jp/
ナイルのSEO相談室 https://www.seohacks.net/blog_top/
SMMLab https://smmlab.jp/
freshtrax https://blog.btrax.com/jp/
アナグラムのブログ https://anagrams.jp/blog
ガイアックス ソーシャルメディアラボhttps://gaiax-socialmedialab.jp/

3.3. イベント・カンファレンス
業界のトレンドを掴むこと、最新事例を知ることを目的にイベントやカンファレンスには定期的に参加しています。できるだけ毎回参加するようにしているイベントは下記の4つです。

アドテック東京 https://adtech-tokyo.com/ja/

FireShot Capture 330 - アドテック東京 公式サイト - https___adtech-tokyo.com_ja_

Advertising Week Asia https://asia.advertisingweek.com/?lang=ja

画像3

MarkeZine Day https://event.shoeisha.jp/mzday/

FireShot Capture 332 - MarkeZine Day(マーケジン・デイ) - https___event.shoeisha.jp_mzday_

AdverTimes Days https://www.advertimes-days.jp/

FireShot Capture 333 - 宣伝会議 AdverTimes Days 2019(秋)(アドタイ・デイ_ - https___www.advertimes-days.jp_2019a_

上記以外にも最近ではライブ配信など、オンライン開催のイベントも多いので、興味があるイベントには積極的に参加するようにしています。

オンライン開催のイベントを探す際はヤプリの島袋 孝一さんが作ってくださっているマーケウェビナーカレンダーがおすすめです。

アドテックやAdvertising Weekなどの大型のカンファレンスでは同時に複数のセッションが開催されており、どのセッションに参加するべきか悩むことも多いのですが、私はモデレーターの方に注目するようにしています。一度参加して勉強になったモデレーターさんのセッションは別のセッションでも勉強になることが多いです。

私は博報堂の茂呂 譲治さんやBICPの菅 恭一さんがモデレーターを務められているセッションは毎回とても勉強になるので参加するようにしています。

3.4. セミナー
集中的に学びたい時はセミナーに参加することもあります。最近は元P&Gで現吉野家の伊東 正明さんが講師を務められている伊東塾や、元USJの森岡 毅さんをはじめとする刀のメンバーの皆さんが講師を務められているNewsPicks NewSchoolの実戦マーケティング・ブートキャンプなどが気になっています。

伊藤塾 https://agenda-note.com/conference/detail/id=2931

FireShot Capture 334 - 「伊東塾 in 東京」オンラインコースも開始!吉_ - https___agenda-note.com_conference_detail_id=2931

NewsPicks NewSchool 実戦マーケティング・ブートキャンプ https://newschool.newspicks.com/overview2

FireShot Capture 335 - 森岡毅&株式会社 刀「実戦マーケティング・ブートキャンプ」 - https___newschool.newspicks.com_overview2

3.5. 論文
特定の分野を深く勉強したい時は論文を読み込みます。検索して探すことが多いのですが、時には数十年前の論文がとても勉強になったりします。

比較的最近の論文を読みたい&探したい方は日本マーケティング学会のマーケティングジャーナルをチェックするのがおすすめです。

マーケティングジャーナル https://www.j-mac.or.jp/mj/backnumber.php

FireShot Capture 336 - 日本マーケティング学会 - https___www.j-mac.or.jp_mj_backnumber.php

3.6. SNS
最新情報をキャッチアップすることを目的にSNSも活用しています。私は主にTwitterを利用して、マーケターの方をたくさんフォローするようにしています。

FireShot Capture 341 - Shohei Hijikata _ Connectantさん (@limelinejp_ - https___twitter.com_limelinejp

https://twitter.com/limelinejp

色んな方が有益な情報を発信されているので、見ているだけでも勉強になります。

3.7. 友人に聞く・勉強会
もし友人や知人に勉強したい分野の専門家がいれば、直接聞いたり、勉強会を開いてもらったりするのもおすすめです。教えていただく代わりに自分の専門分野の情報を渡したり、それが難しければ費用をお支払いするなど、お互いが納得できる形を取ることを心がけています。

4. 有名人を追う

これまでの流れから少しずれてしまうのですが、個人的にマーケティングには流派があると感じており、自分の目指すマーケターさんの考え方を習得するために、その方の著書やインタビューを読んだり、登壇されているイベントに参加したりしながら追っていくのも勉強になると思います。

私が一番尊敬しているマーケターは元資生堂CMOで現クー・マーケティング・カンパニー代表の音部 大輔さんです。

クー・マーケティング・カンパニー https://www.coupmarketing.jp/

FireShot Capture 337 - Coup Marketing Company inc. - クー・マーケティング・カンパ_ - https___www.coupmarketing.jp_

音部さんが登壇されているイベントなどは可能な限り参加するようにしています。音部さんの本では「マーケティングプロフェッショナルの視点」と「なぜ「戦略」で差がつくのか。」を何度も読み返しています。

他にも先程も紹介した森岡 毅さんや元スマートニュースSVPで現Strategy Partnersの西口 一希さん、元日本マクドナルドCMOで現ナイアンティックの足立 光さんなどが私の尊敬するマーケターの皆さんです。(P&Gご出身の方が多いです)

森岡さんの本では「確率思考の戦略論」と「マーケティングとは「組織革命」である。」が鉄板だと思っています。

西口さんの「顧客起点マーケティング」は私自身N1の分析を日常的に行っているので大変参考になりました。

足立さんの本では「マーケティング大原則」がマーケティングを改めて考えるキッカケとなりました。

これらの本は特定の分野を学ぶというよりかは、特定の人のマーケティング理論を学ぶという感覚で読むようにしています。

5. アウトプットする

ここまでは主にインプットの話でしたが、他の勉強と同じく、マーケティングにおいてもインプットとアウトプットの繰り返しが大事だと考えています。

5.1. 業務でアウトプットする
マーケティング業務を担当されている方であれば、普段の業務がアウトプット手段の一つになると思います。私の場合はマーケティング支援会社のため、常時複数のクライアントとプロジェクトを抱えています。

その際、プロジェクトが始まる前に必ずプロジェクトを通じて得たい知識やスキルを明確にするようにしています。数年続くような長期プロジェクトの場合は数ヶ月の期間や個別の施策毎など、何かしらの基準でプロジェクトを切って、得たい知識やスキルを明確にします。

その上で戦略立案業務なら立案した戦略、リサーチなら分析結果&考察、商品開発なら発売した商品、コミュニケーション施策なら実施施策がアウトプットになるかと思いますが、業務完了後にレビューを実施しています。レビューを通じて業務を振り返り、良かった点と悪かった点を洗い出すことで、より深くアウトプットすることができると考えています。

さらに新しい考え方が生まれた場合や業務フローが改善された場合などはフレームワークなどに落とし込み、汎用化するようにしています。

スクリーンショット 2020-06-25 0.46.18(2)のコピー

最近の私はこれまでの業務を振り返り、自分なりのマーケティング・プロセスと各プロセスで活用できるマーケティングフレームワーク集をアウトプットしています。

5.2. サイドプロジェクトでアウトプットする
担当している業務外でアウトプットしたい場合や、自らの考えだけでアウトプットしたい場合はサイドプロジェクトを活用するようにしています。

私の場合は学生の頃から社会人3年目くらいまで複数のWebサイトを運営しており、このWebサイトを実験場所として色々アウトプットしていました。業務として担当することは無いのですが、デザインやコーディング、WordPressを活用したサイト構築まで自身で担当し、コンテンツのライティングもすべて自分で行っていました。

一時期は月間20万PVほどのサイトも運営しており、コンテンツマーケティングの基礎などを学ぶことができました。少額ですが、広告出稿も行っているおり、今でもこれらの経験が役立っています。また、Twitterを始めるマーケターの方をよく見かけるのですが、SNSマーケティングのアウトプットとして自身のアカウントを運用するのも勉強になると思います。

名称未設定 1

最近は弊社のコーポレートサイトをリニューアルしました。デザイン・コーディング・ライティングは自身で行っています。クオリティが高いとは言えませんが、自社のサイトなので、勉強も兼ねて好き勝手しています…。

5.3. メモでアウトプットする
上記2つほど重くない方法としておすすめなのはメモでアウトプットすることです。特に私は参加したイベントのメモをしっかり取るようにしています。あとで見直したり友人に共有したりできますし、イベントを聞くだけよりも頭に入っていると感じます。あとは本の要約もアウトプットとして勉強になると思います。

スクリーンショット 2020-06-25 1.12.15(2)のコピー

最近参加したイベントレポートの一部です。多い時は一つのイベントで数万字になってしまうこともあります。メモとしてまとめたものをnoteやブログで公開してみるのも良いと思います。

6. まとめ

学びたい分野を決める

本・Webメディア・イベント・セミナー・論文・SNS・勉強会でインプット

業務・サイドプロジェクト・メモでアウトプット

上記のプロセスの繰り返しで私はマーケティングを学んできました。まだまだ知識不足の分野も多いですが、マーケティングは一生勉強できる学問だと思っているので、これからも色々学びながら少しでも憧れのマーケターの皆さんに追いつきたいと思っています。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集