喜多美術館 近代芸術と現代芸術
奈良県桜井市、大神神社にお参りしたついでに、神社から1kmほど離れたところにひっそりとある、個人美術館を訪れた。
細い道の奥、小さな神社の鳥居を通り抜けたところに美術館があった。
創設者である喜多才治郎氏が蒐集した西洋近代・現代美術を展示する美術館で、
自宅の脇に造られた。今年で開館37年だそうだ。
気さくな館長さんが、展示についてひと通り解説してくださった。
以下、一部紹介。
西欧近代芸術の部屋
続いてお隣のコーナーへ
現代芸術
現代アートは、見ているこちらがいろいろ考えないといけない。先ほどのコーナーとは全く違う種類の芸術だなあと実感。
続いてもっと難しそうなコーナーへ
ボイスとデュシャンの部屋
展示をいろいろ見ても基礎知識がないので、難しかった。館内の解説と、帰宅後家にあった本を読んで以下を記載。
ヨーゼフ・ボイス(1921-1986)
作品自体よりコンセプト(意味)が大事というコンセプチュアル・アーティストのひとり。
第二次世界大戦の時、ドイツの空軍兵であった。戦後、社会そのものを美術で作り直そうと試みた。社会を変えようとする人の想像力があるなら、政治や教育なども美術だと主張した。
パフォーマンス作品の例
「7000本の樫の木」:ドイツのカッセルに7000本の樫の木を植林するプロジェクト
「私はアメリカが好き。アメリカも私が好き」:ボイスがニューヨークのギャラリーで1週間コヨーテと暮らした。アメリカ先住民の象徴としてのコヨーテと共生を図ろうとした。このパフォーマンスを見た観客にとって、アメリカの歴史についてや、過去の侵略があって、今の自分たちの場所があることについて考える機会になった。
私以外に展示を見に来ていた方はおらず、かなりゆっくりと作品を味わうことができた。濃厚な1時間あまり。
外に出ると美術館の脇は細い路地になっていた。
この辺りに、喜多邸があるのだろうか。
このような地に、近代・現代芸術の稀有なコレクションがある事に驚いた。
特別展や企画展も時折開催されるようなので、次回はついでにではなく訪れたい。
ちなみに以下の本を参考にさせてもらった。