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喜多美術館 近代芸術と現代芸術

奈良県桜井市、大神神社にお参りしたついでに、神社から1kmほど離れたところにひっそりとある、個人美術館を訪れた。

細い道の奥、小さな神社の鳥居を通り抜けたところに美術館があった。

フェルナンデス・アルマン 「5体のバイオリン」
庭に全部で5つのバイオリンのオブジェ

創設者である喜多才治郎氏が蒐集した西洋近代・現代美術を展示する美術館で、
自宅の脇に造られた。今年で開館37年だそうだ。
気さくな館長さんが、展示についてひと通り解説してくださった。

以下、一部紹介。

玄関ホール
イサム・ノグチの抽象(ブルー・ブラック)というオブジェ
隣の赤い絵は元永定正の作品

西欧近代芸術の部屋


ゴッホ29歳の時の「網干し場」
キリコ「イタリア広場」
熊谷守一「車前草に蝸牛」
写真ではわかりづらいが板に油彩の風合いに温かみがあった
藤田嗣治「猫」
肉球がかわいい
ピカソ86歳の時の作品「顔」
額装もすてき
ルオー「二人のクラウン」


ジョルジュ・ブラック 
額装は竹でしょうか


ユトリロ「コンペニューの兵舎」


ルノワール「母と子」

続いてお隣のコーナーへ

現代芸術


中央にアンディ・ウォーホル「TOMATO BOX」
アート&ランゲージの鏡の作品に映り込んでいる
セザール「UNTITLED」
コインが貼り付けてあり、影は鉛筆で描いてある


バーナード・コーエン「無題」
何を表しているのか
私にはテーブルに座っている人たちを上から見下ろしているように見えた

現代アートは、見ているこちらがいろいろ考えないといけない。先ほどのコーナーとは全く違う種類の芸術だなあと実感。

続いてもっと難しそうなコーナーへ

ボイスとデュシャンの部屋


展示をいろいろ見ても基礎知識がないので、難しかった。館内の解説と、帰宅後家にあった本を読んで以下を記載。

ヨーゼフ・ボイス(1921-1986)
作品自体よりコンセプト(意味)が大事というコンセプチュアル・アーティストのひとり。
第二次世界大戦の時、ドイツの空軍兵であった。戦後、社会そのものを美術で作り直そうと試みた。社会を変えようとする人の想像力があるなら、政治や教育なども美術だと主張した。

パフォーマンス作品の例
「7000本の樫の木」:ドイツのカッセルに7000本の樫の木を植林するプロジェクト
「私はアメリカが好き。アメリカも私が好き」:ボイスがニューヨークのギャラリーで1週間コヨーテと暮らした。アメリカ先住民の象徴としてのコヨーテと共生を図ろうとした。このパフォーマンスを見た観客にとって、アメリカの歴史についてや、過去の侵略があって、今の自分たちの場所があることについて考える機会になった。

7000本の樫の木運動の、何か書類を作品にしたもの
その時に使用したボイス作のスコップ
ヨーゼフ・ボイス「雄鹿」
ヨーゼフ・ボイス「グリーンヴァイオリン」
コンセプチュアル・アートの先駆け、デュシャンの作品の一部
モナリザに髭の落書きが

私以外に展示を見に来ていた方はおらず、かなりゆっくりと作品を味わうことができた。濃厚な1時間あまり。

外に出ると美術館の脇は細い路地になっていた。
この辺りに、喜多邸があるのだろうか。

このような地に、近代・現代芸術の稀有なコレクションがある事に驚いた。

特別展や企画展も時折開催されるようなので、次回はついでにではなく訪れたい。

ちなみに以下の本を参考にさせてもらった。

息子の持っていた本
漫画を交えてわかりやすく現代芸術について教えてくれる









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