見出し画像

コウペンちゃんに狂わされた結果、南極観測船に乗ってペンギンに会いに行ってきた話。


ある日コウペンちゃんに射抜かれた

コウペンちゃんをご存知でしょうか。

なんでもかんでも「えらい!」と肯定してくれる、二頭身のコウテイペンギンの赤ちゃんキャラクター。

あれは確か2017年の春、たまたまTwitterで流れてきたイラストレーターのるるてあさんのツイートがきっかけだった。

何でもえらいえらいと褒めてくれるコウペンちゃんに毎朝癒されているうちに、気付けば当時付き合っていたパートナーにコウペンちゃんスタンプで返事をするようになっていた。

コウペンちゃんのおかげで日常生活でも些細なことで褒めあう文化が浸透したといっても過言ではない。

本棚の一角はペンギンコーナーに

デフォルメされたコウペンちゃんは子供向けキャラクターのようながら、20〜30代の大人たちにも人気があるという。

大人だって褒められたい。
そんな気持ちを満たしてくれるコウペンちゃんの人気は広まり、いまではたくさんのグッズやイベントが展開されている。

コウペンちゃん愛が高じてペンギンに会いに行く

リアルコウペンちゃん!(の大人さん)

ペンギン愛はコウペンちゃんだけにとどまらず、しばらくすると動いているペンギンを見に行きたくなってきた。

運良く近くにはペンギンをたくさん飼育している名古屋港水族館があり、迷った末に年パスを手に入れることに!

ちなみに、名古屋港水族館の年パスは大人1人5190円(小中学生は2540円、家族割もあり)となっている。

大人の入場料が2030円であることを考えると、3回も行けば十分に元が取れるし、ショップやレストランでも割引が使えるという特典付きなので、何回も行く予定がある人にはぜひおすすめしたい。

例えば、仕事帰りにナイトアクアリウムにすべりこんで夜のイルカショーを見たり、限られた時間で推しの生きものに会いに行くという使い方もできるのはなかなか贅沢な体験だった。

普段だと、全てをくまなく見ようとしてぐったりしてしまうので「また来ればいっか〜」という感じで日常的にふらりと水族館に行けるのはたいへんありがたい。

名古屋はいろんなペンギンに会えるまち

南極水槽に降る氷は製氷機の「ホシザキ」製らしい

名古屋港水族館といえば、シャチやベルーガが有名だけど、南極の海エリアも大人気。

コウテイ(エンペラー)ペンギン、アデリーペンギン、ジェンツーペンギン、ヒゲペンギンといった寒い地域のペンギンが仲良く(?)暮らしている。
また、暖かい地域にいるケープペンギンは屋外のしおかぜ広場に住んでいる。

実は、コウテイペンギンが見られるのは日本ではここ名古屋港水族館と、パンダでもおなじみの和歌山のアドベンチャーワールドだけ!
世界的にもかなり貴重な施設なのだ。

ほかにも、同じ名古屋市では東山動植物園に行けばオウサマ(キング)ペンギン、フンボルトペンギン、キタイワトビペンギンにも会える。

他の施設も含めると愛知県は全国でも有数のさまざまなペンギンに会える地域であることを声を大にして言いたい。

名古屋港で南極を知ろう!

つい熱くペンギンについて語ってしまったが、大好きなコウテイペンギンについて調べていくうちに、ペンギンの故郷について知りたくなってきた。

そんな折、たまたまSNSで見かけたのが「ふじと南極のなかまたち」だ。

それまで南極のことは映画「南極料理人」くらいでしか知らなかったわたしにとって、南極観測船にはどんな人たちが乗っているのか、南極でどんなことをしているのか、という興味関心をひらいてくれた作品。

2代目南極観測船の「ふじ」が任務を開始した1965年を舞台に、さまざまな立場から見た南極観測隊の活動がコミカルに描かれていてとてもわかりやすい。

おかげで、南極観測船には海上自衛隊の乗組員と観測隊のメンバーがいるとか、11月〜3月頃まで活動する夏隊と、その後も滞在する越冬隊がいるとか、そのあたりの解像度がそれまでよりもかなり高くなった。

いつでも乗れる南極観測船

ポートビルの展望台から

南極への興味が高まったわたしは、ふと子どもの頃に社会見学で訪れた船の存在を思い出した。

名古屋港ガーデン埠頭にあるオレンジ色の大きな船、二代目の南極観測船「ふじ」だ。

南極観測船「ふじ」は初代「宗谷」の跡を継いで1965年から18年間、南極観測船として活躍し、退役後は名古屋港に係留されて博物館として公開されている。

そう、まさに漫画の中で舞台になっている船はすぐ近くにあった!

…しかし、子どもの頃は「南極観測」というものをよくわかっておらず、なんかオレンジ色の大きな船に来たなあ〜くらいの印象だった。

改めて興味を持って訪れてみると、どうやって分厚い氷の中を船が進むのか、隊員はどんな暮らしをしているのか、どれくらい過酷な道のりで南極へと向かうのかがよくわかっておもしろい。

船室には隊員のマネキンもあるのだけど、妙にリアルなので急に人の気配を感じてちょっとびっくりしたりもする。

甲板に出るとヘリポートもあり、改めてふじの大きさと迫力を感じることもでき、実際に南極に行った船に乗っていると思うと、とてもわくわくする。

ライトアップされたふじも美しい!

そして、ここ名古屋港には実際に南極観測隊に参加された方もいるということを知り、いつか南極のお話を聞いてみたい!という思いも次第に膨らんでいった。

南極教室に行ってみた!

南極に行った人のお話を聞きたい!という機会は思いもよらずすぐにやってきた。
なんと、名古屋港ポートビルで南極教室が開催されるという。

わたしが知らなかっただけで、どうやら以前からやっていたようなのだが、昔は親子教室だったので大人も参加したいという声に応えたのだとか。

小中学生向けのイベントかと思いきや、大人だけの参加者の方も結構たくさんいる。

当日のプログラムはこちら

  1. 南極観測隊の活動について

  2. エンペラーペンギンの飼育について

  3. 最新の南極観測(映画)

さらに、お土産にエンペラーペンギンの羽がもらえたり(ペンギンは年に1度の換羽期に羽が生え変わる)南極の氷に触れたりと、南極のフルコースだ。

前半でペンギンのことを書きすぎて長くなってしまったので、南極教室のレポートは別記事で紹介したい。(準備中)

名古屋港はいいぞ!

左のドームあたりが水族館

別に名古屋港関係者でも回し者でもなんでもないのだけど、ただただコウペンちゃんを愛でているうちにペンギン愛が高まり、気づけば南極に思いを馳せるように。

(ちなみに南極に行くにはさまざまな方法があるが、どれもかなりハードルが高い。一般人が行くなら約300万円でツアー参加が近道?)

よくよく見渡してみれば身近なところに南極のことを知れる貴重な場所があるじゃないか!ということで、すっかり名古屋港がお気に入りの場所に仲間入りした。

なかなか実際に南極観測隊に参加して野生のペンギンに会いにいける人はいないが、名古屋に来たら一般人でも気軽に南極気分を味わうことはできる。

今年はポートビル開業40周年の節目の年ということもあり、さらに南極や名古屋港のことを知れるチャンスも多いのではと今から楽しみだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?