退院 ~復活した運動機能~
父が退院する日がやってきた。
病室に迎えに行くと・・・看護師さんが処置?
じゃない。
嘔吐したとのことで、ご迷惑をおかけしていた。
聞くと、チョコレートを一度にたくさん食べたとのことで。
あ~またか。
本当に申し訳ない。
父は、「着替えなんて必要ない」と言うが、そうはいかない。
自家用車ではなく、タクシーで帰るのだから。
酷く汚れたのは、ズボンのモモの部分と、靴、靴下。
ズボンは替えがなかったため、しっかり拭いて。
靴下をあたらしいものに、そして、靴は、院内で使っていた靴に履き替えさせた。
さぁ。車いすに乗って帰る。
看護師さんに「じゃあ、車いすに乗ってください」
そう声をかけられ、父が車いすへ移動しようとする。
術前だったら、体を支えたり、移乗するための介助が必要だった。
が、しかし、父は、自分で車いすに乗り移れたのだ!!!
ほとんど介助無しだ!
驚くべき光景だった。
今までは、自分からは手が出ない、足が出ない、そんな状態だったのに。
自ら手を動かし、足を動かしている!!!
手術とその後の院内でのリハビリの成果だ!
本当にありがたい。
・・・
退院後の日常生活の注意事項を聞き、次の予約を確認。
お世話になった看護師さんたちに丁寧に挨拶をして、病院を後にした。
乗り込んだタクシーの中で母は、
「タクシーへ乗り込む時も、ほとんど介助なしで、スムーズだった」
と言っていた。
タクシーに揺られながら、私は自宅ケアの方向性を改めて考えていた。