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「言の葉を大切に」



 こんにちは、まりもです。

 今回のタイトル、小学校の廊下に貼られてる標語みたいになってしまいました。
蛇口の前に貼ってある「水を大切に!🚰」みたいな。

 それはどうでもよいのですが、
この間読んだ本に、とても興味をそそられることが書いてありました。



 板野博行さん著「眠れないほどおもしろい 万葉集」という本です。

話し言葉で書かれていて読みやすく、当時の人間関係や系譜もよく分かります。
本当に面白くてすぐに読んでしまいました。




 わたしが面白い!と思った部分を要約しますと、
万葉の時代、「言葉は神」と崇められており、言霊(ことだま=言葉の霊力)について何人もの歌人が詠んでいるというのです。

大和の国は 皇神(すめかみ)の 厳しき(いつくしき)国 言霊の 幸はふ国と 語り継ぎ 言い継がひけり…
万葉集巻第五 山上憶良

現代語訳 : 大和の国は皇祖神の神威おごそかな国であり、また言霊が幸いをもたらす国だと語り継ぎ、言い継いできた…

 また、別の巻では、

大和の国は言霊の助くる国ぞ
万葉集巻第十三 柿本人麻呂

とまで言われています。

 また、紀貫之(古今和歌集の撰者、土佐日記の作者)も
古今和歌集の「仮名序」において

やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける
古今和歌集仮名序 紀貫之

と宣言しています。

 この文章、日本人なら言いたいことが分かるのではないでしょうか。
見たこと感じたことを一度こころに植え付けて、そこから芽吹いて言葉という葉が繁っていく感覚。
貫之さん天才です。とっても素敵な文章で、わたしは大好きです。

 古来より日本人にとって言葉というのは霊力を秘めた大切なもの=言霊であり、神様と同じくらい崇める対象だったんですね。
だからこそ、その言霊を自由に操る歌人は大切なものであり、朝廷に仕えるなどの宮廷歌人が生まれたりと、その存在を重んじられてきたのでしょうか。

 最近私も短歌を作り始め、言葉の自由さ・不自由さを身に沁みて感じています。
しかし、レベルは大層違えども、大昔の歌人と同じように言葉を使って試行錯誤しながら歌を作ることに喜びを覚えます。


そして1番思ったこと。

 言葉はきっと、自分自身を表すんですよね。
貫之さん曰く、自分のこころで感じたことが、言葉の種となる訳ですから。

 自分の発した良い言葉も悪い言葉も、言霊となり、つまり力を持ち始め、自分や周りの人にその力を発揮します。
一度発した言霊はその場に漂い、広がり、人の心に入り込んでいきます。
 口は災のもと、なんて言葉もあるように言葉一つで運命が大きく変わることもあるでしょう。幾ら言葉を取り繕っても、言霊は放たれれば最後、訂正は出来ません。

 そんなことを考えていたら、古代から日本人が言葉を神として崇めていたのも何となく分かる気がしてきました。

 思えば、キリスト教の新約聖書の始まりも「始めに言葉ありき」でしたね。
日本と言わず世界各地で言葉の重要性は昔から説かれていたのですね。


何だかとてもとりとめのない文章になってしまいました、、

 趣味で短歌を作り始めた以上、今までよりも言葉を大切にしていきたいな、と思った次第です。
歌に使う言葉だけを綺麗に大切にするのではなく、日常生活で使う言葉も同じように大切にしたい。

 そう思えば、冒頭で話した小学校の標語、
教室に「言の葉を大切に🌱」ってポスターを貼って子どもたちに言葉の大切さを教えるのも良いんじゃないかしら、と思いました。笑
まあ教員でも何でもないのでそんな機会はありませんが…

長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました♫
それでは!


22/10/30   まりも

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