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僕と私とファイナルファンタジー

今までゲームのキャラについて語ってきたが、シリーズはまだなので、今回はやったことのあるファイナルファンタジーシリーズについて、思い出をつらつら語ろうと思う。ドラゴンクエストシリーズでも良かったのだが、語るとなるとファイナルファンタジーのがふさわしい。

ファイナルファンタジーシリーズは、実況プレイや配信、RTA動画で楽しんだのが殆どで、実際にプレイした作品は少ない。2、3、4、14の4作品だけだ。だからこそ、このシリーズの思い出を記事にする。なぜなら、語る作品が多すぎると、内容がごちゃごちゃになってしまうからだ。これくらいの作品数が、丁度良い塩梅なのである。

☆FF4

自分はナンバリング順から紹介するほど素直な人間ではない。故にトップバッターはファイナルファンタジー4だ。FF4は人生で初めて遊んだFFで、小学生3年生の頃にFFがどんな作品なのか知りたくて買った。しかし、そこで自分は失敗をする。

DS版を買ってしまったのだ。

知らない人のために解説すると、DS版FF4はゲームバランスが見直された結果、何故かありえないほど難易度が高くなった。具体例を出すと、最初の洞窟でさえ余裕で死ねる。何なら当時そこで何度も死んだ。アクティブタイムバトルに慣れていなかったのもあるが、やけに敵が強かった。

理不尽ともいえる難易度のFF4をプレイして、これがファイナルファンタジーなのかと勘違いする。何とか頑張ってみたが、当時の自分には難しく、制御システム戦で投げてしまった。結局クリアしたのは、はじめてFF4をプレイしてから2年後となる小学5年生の時だ。

ストーリーはわかりやすく、これぞファンタジーといった内容だったので概ね満足だった。しかしドラクエと違いパーティキャラがコロコロ変わるため、好きなキャラをずっと使えなかったのが残念である。男しかいないパーティのままラストまで行きたかった。セシル、カイン、エッジ、ヤン、シドで優勝である。ギルバートにはそこらへんのひそひ草でも食わせておけ。

そんなこんなでFF4は、自分にFFというシリーズが難しいと勘違いさせた上に、アクティブタイムバトルを嫌厭させる原因となったゲームである。

☆FF3

自分は考えた。何故FF4をクリア出来なかったのかを。ゲーム側に全く非はなく、自分に全ての原因があると思い、どうすればFFをクリアできるか悩む。その結果、アクティブタイムバトルがないFFをやれば良い、と言う事に気付いた。あのシステムは自分を焦らせて、考えながらゲームをできなくさせる。つまり、それさえなければ自分はFFに立ち向かうことができる。

そう思い買ったのが、FF3である。

これもDSのリメイク版を買ったのだが、今回も失敗だった。

変わらないパーティメンバー、少年少女の旅が世界を救うストーリー、ほどほどに難しい難易度、ジョブシステム、その全てが自分の求めていたFFだった。だがしかし1つだけ、たった1つだけ問題点がある。それはモグネットの存在だ。モグネットを簡単に説明すると、通信機能を使ってプレイヤー間やNPCにメッセージを送る機能である。残念なことに、このモグネットを使わないと入手できない武器やジョブが存在する。そう、一緒にFF3をやっている友達が近くにいない人間には、優しくないシステムなのだ。つまり自分に厳しい。

しかも、そのモグネットを使わないと解放できないジョブとは、たまねぎ剣士のことだ。FF3の顔ともいえるジョブが使えないとわかった時、自分は悔し涙を流した。おのれモグネット。末代まで呪ってやる。

周りの環境とゲームシステムのせいで悲しい結末を迎えたのが、自分のFF3である。

☆FF2

高校3年生の冬、つまり受験シーズン真っ盛り。赤本でドミノ倒しをしたり、寒さを凌ぐため単語帳を燃やしたり、テスト用紙でブーメランを作っていたら、突然ある衝動に駆られた。

懐かしのRPGやりてえ、という衝動に。

自分は本能の赴くまま、教材代を握りしめて近所のゲームショップへ向かう。そしてRPGのコーナーを物色すると、2つのゲームと目があった。DS版クロノトリガーとPSP版FF2だ。悲しいことに、教材代しか持っていなかったから、どうやらどちらか1つしか買えない。自分はスマートフォンで双方の評価を調べる。しかし両作品とも評価が高い。それが自分をさらに悩ませる。うごごご! と唸ってみたが、何も起こらない。仕方がないのでルーレットアプリを使った結果、FF2が選ばれたのだ。ちなみに、クロノトリガーはそこから数ヶ月後に購入した。

FF2のストーリーは、スターウォーズをFFで表現したような印象を受けた。帝国との戦い、闇堕ちした身内が敵の幹部、反乱軍の指導者が女性、帝国が所有している巨大兵器の破壊、などなど共通点を挙げようと思えばポンポン出てくる。しかし当然FF2には、FF2独特の色があった。それは、パラメキア帝国が侵略を始めたであろう原因だ。

パラメキア帝国の国土の大半は砂漠と山脈である。対する軍事国家フィン王国は広大な川や湖を有している。そしてフィン王国のヒルダ女王は、飛空挺関連のエネルギー大国であるカシュオーン王国のスコット王子と結婚する予定だ。パラメキアの民がそれを聞いてどう思うのか明白だろう。フィンの軍事力とカシュオーンのエネルギー、さらに豊富な資源が合わさったら、パラメキアは絶対に勝てない。故に、ある支配欲の強い宮廷魔術師がクーデターを起こし皇帝となり、先制攻撃を仕掛けたのだ。

もちろんやり方としては最悪で、戦力差を埋めるためとはいえ、地獄(ヴォイド)から魔物を呼び出す禁忌まで犯している。断じて許されるべき行為ではない。だからこそ、フィン側でストーリーが展開されるわけだ。

FF2は戦闘システムも独特で、レベルではなく熟練度という制度を導入している。これは個人的に好きなシステムだ。どういうものか述べると、同じジャンルの武器を使えば使うほど、その種類の武器を装備した時の恩恵が大きくなる、というものだ。つまり武器ごとにレベルがある、と思ってほしい。

現実的に考えて、ただの人間が最初から色々な武器を使えたり、武器のパフォーマンスを最大限に引き出せたりするのはおかしい。武器の扱い方というものは、何度も戦場で戦い、ようやくわかるものである。それをゲームで表現したのが熟練度システムだ。このリアリティをゲームシステムに上手く落とし込んだスクウェアに拍手を送りたい。

というわけで、自分はFF2でスクウェアの凄さを実感した。究極魔法アルテマが弱い(一応、PSP版の追加ストーリーでは強化されている)のを除けば、満足できるゲームだった。

☆FF14

【FF14のストーリーネタバレ注意】

時はさらに進み大学生時代、ある夏の日、フォロワーがあるゲームを勧めてきた。

そう、FF14である。

FF14は、先ほど感想を述べたゲーム達とは違い、MMORPGである。MMORPGとは、マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロールプレイングゲームの略であり、インターネットを介して複数人のプレイヤーが同時にプレイするゲームのこと。つまりオンラインで他人と協力したり、対戦したりするのが醍醐味のゲームだ。

知らない人もいるかもしれないので、とりあえず述べておくと、自分は人間が嫌いだ。憎んでいるし、滅ぶべき存在だとさえ思っている。人混みに行くとストレスで吐き気や眩暈や頭痛がするほどに。

そんな自分に、実際の人間と繋がりながら進めるMMORPGは、相性がとても悪い。たとえオンラインでも、人間が目の前にいるのだから嫌な気分になる。実際、今FF14をやっていない理由の一つはここにある。人に気を遣いたくないのだ。

しかし、何事もチャレンジあるのみだし、実際にプレイせず文句を述べるのは間違っている。それに何より、気になるキャラクターがいたのでとりあえず始めてみた。少なくとも、無料で出来る序盤のストーリーまではやってみようと思った。

ありえないほどつまらなかった。

盛り上がりのないストーリーと共に、お使いミッションをひたすら繰り返すだけのゲームだった。ロクな移動手段もなく、冒険のワクワク感もない。ないないだらけの欠陥ゲームだ。だからすぐにFF14をやめた。無料ストーリーの途中で飽きてしまったのだ。

その数ヶ月後、自分はやるゲームがなくて退屈していた。正確に述べるなら、やりたかった対戦ゲームの才能がなく、いじけていた。なぜ対戦ゲームをしようと思ったのかを説明すると、このインターネット社会で生き残るには、人と遊べる手段を持たなければいけないと思ったからだ。つまり、コミュニケーションツールとしてゲームを楽しもうというわけだ。たしかに自分は人間嫌いだが、人は1人では生きていけないことくらい知っている。そのため、自分から人間にアプローチをしたのだ。けれど失敗した。自分がゲーム下手なのを想定していなかったのだ。

故に今度は対戦ゲームではなく、協力ゲームにシフトした。

無料で出来る協力ゲームでパッと思いついたのが、 FF14だった。そういえば序盤で諦めてしまったが、最後までやれば面白さがわかるとフォロワーが言っていた。それに、無性にRPGをやりたい気分だった。時々そういう気分があるのだ。とりあえず、もう1度頑張ってみよう。そう思った。

FF14はオンラインゲームなので新しいストーリーが追加パッチとして配信され続ける。最初のストーリーである新生エオルゼアは、終盤までが新手の拷問ともいえる内容だったが、その次の追加パッチにあたる蒼天のイシュガルドからは名作だった。新生を耐え抜いた際に得たエオルゼアの知識が、ようやく活かされるのだ。内容についてはFF14のブログで述べているので割愛する。剣と魔法、ドラゴンと竜騎士、友との出会いと別れ……自分の求めていたFF要素がこれでもかとつまっており、とても良かった。

今回は2021年7月現在の最新タイトルである、漆黒のヴィランズで活躍した男について少しだけ語って終わろうと思う。ここから先はFF14をやっていない人間にとっては意味不明な内容になるだろう。しかし、1部の読者を置いてけぼりにしてまでも、覚えておきたい男がいるのだ。

名はハーデス。またはアシエン・エメトセルク。ガレマール帝国の初代皇帝ソルであり、オリジナルのアシエンの1人でもある。

彼にとってFF14の人間とは、矮小にして狭窄かつ限定的で刹那的、ひ弱で短命な生物だ。なぜならFF14の人間とは、真なる人間がバラバラに分けられた内の1部なのだから。ちなみに、オリジナルのアシエンたるエメトセルクは、真なる人間だ。

真なる世界には、余裕のなさから生まれる争いや差別といったものがない。人々は屈強な魂を持ち、ほとんど永遠の時を生きられるからだ。みんな穏やかで朗らかに暮らしていた。

ここで想像してほしい。自分たちより出来損ないの存在が跋扈している世界を。自分以外の殆どが、面影を残しながら下等な化け物になってしまった世界を。エメトセルクは、そんな世界を、みんなを、あるべき姿に戻すため奔走していたのだ。

アーモロートの街並みは壮麗で美しく、高い塔のさらに上、遥かな空から日差しと風が注いでいた。
……なんて。
言ったところで、思い出すわけもないか。いいさ、忘れてくれ。だが、今よりずっといい世界だったのは本当だ。この仕様もない世界で戦ってきたお前こそ、案外、気に入ると思うぞ。
忘れるな。
お前は連中と違って、原初世界の住人……統合される側ではなく、受け取る側の器だ。すべての霊災を生き抜けば、私たちに近しい存在になり、満ちた世界で暮らすことができる。

エメトセルクは主人公にこう語りかけた。エメトセルクにとって大切な‪"あの人"‬の魂の1部である主人公に。

思い出すのはあり得ないと分かっていても、アーモロートの話題を出さずにはいられなかった。‪自分のことを理解してもらい、共に歩みたい。できることなら、力で打ちのめし、相手の主張を葬ることはしたくない。そんな気持ちと共に、在りし日を語ったのだろう。彼は、どのアシエンよりも人間の可能性を信じていて、一緒に手を取り合える未来を期待していたのだ。テンペストの幻想都市も、主人公に思い出してほしくて作り上げたに違いない。

エメトセルクは単なる悪役ではなく、最後まで望みを捨てきれない、切なくも悲しい人物なのだ。

そんな彼と主人公は、最終的に相容れないことがわかり、戦うことになる。それは単なる勝負ではなく、想いと想いのぶつかり合いだ。負けた者が反逆者として歴史に名を記される戦い。どちらも正しいが故の戦い。

だからこそ、敗者となったエメトセルクは最期にこう言ったのだろう。

‪"ならば、覚えていろ。私たちは……確かに生きていたんだ‪"‬と。

あの日々を思い出せないのなら、覚えていてほしい。

それがエメトセルクの願いだった。

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