【防災の備え】 ③トイレ
《非常用(災害用)トイレ》
『非常用トイレ』としてよく聞く言葉に、
「携帯トイレ」と「簡易トイレ」の2つがありますが、その違いは便座(便器)があるかどうかだそう。
例えば、100円ショップでも売っている小のみ対応の片手で使えるものや、家のトイレに被せて使うタイプのものなど、袋と凝固剤や吸収シートがセットになっているものは「携帯トイレ」。
介護用ポータブルトイレや組み立て式の便器・便座、段ボールトイレなど持ち運び可能な便器・便座を「簡易トイレ」という。
その他、非常用(災害用)トイレとしては、
仮設トイレ、マンホールトイレ、コンポストトイレ(バイオトイレ)などがある。
《トイレの備え》
・携帯トイレ
(袋と凝固剤や吸収シートがセットになっているもの。小のみ対応の物、大小対応の物あり。)
・簡易トイレ
(ポータブルトイレ、組み立て式トイレ、段ボールトイレなど)
・トイレットペーパー
・ポケットティッシュ
・お尻拭き、清浄綿
・防臭袋
・黒いゴミ袋(大・小)
・ウェットティッシュ(手拭き)
・アルコール消毒液
・ペーパータオル
・ヘッドライト、ランタン
・S字フック
・携帯用消臭剤
・目隠しポンチョ
・重曹
⭐︎個々の状況に合わせたもの
・おむつ
・お尻拭き
・おむつ替えシート
・生理用品
・尿ケア用品
〈吸水材として使える物〉
・ペットシート※尿量に合わせて枚数を増やす
・紙おむつ(サイズアウトしたものなど)
・介護用おむつ
など
・猫砂
→尿量がかなり違うので、人が使うにはゴミが大量に出る(重い)ので注意。猫砂が便器内に落ちないよう注意。
・新聞紙
→大量の水分は吸いきれない。(シャバシャバになる)、悪臭も出やすい。
※ライフスタイルや備えの段階(0次、1次、避難所、在宅避難)に合わせて取捨選択をする。
《防災メモ》
☆備えの目安は
1日5〜7回分×備蓄日数×人数
☆持ち出しリュックに入れる際
・トイレットペーパーは(芯を抜いて)潰してから、ジップ付きビニール袋などに入れ防水対策。
・トイレットペーパーの芯の所に紐などを通しておくと、首から掛けられるので置き場所に困らない。
・ペーパー芯を抜いて、真ん中から引き出して使う方法もあり。
・すぐに使えるように、トイレセットとして携帯用トイレと防臭袋、ペーパー類をひとまとめにしておくと良い。
※取り出しやすい場所に入れておく。
☆トイレ後の手洗いまたは消毒は感染症予防のためにも大事。トイレ後はウエットティッシュやアルコールで手を綺麗にしておく。
※タオルを使用する場合は共有を避ける
→ペーパータオルを使う。
☆ライトは忘れがちなポイント。
(複数個あると別室で同時に作業できる。)
☆S字フック
→備え付けのフックがない時など荷物やライトなどを掛ける※便器に落としやすいので注意
☆防臭袋は、赤ちゃん、ペット、キッチン用品売り場などにもある。
☆重曹を振りかけておくのも、悪臭を抑える効果あり。(生ゴミの臭い対策にも◯)
☆黒いゴミ袋
→自作の携帯トイレを作ったり、使用後のゴミをまとめて入れたり、目隠しポンチョ代わりに。
☆ペットシートは、子どものお漏らし後の処理や飲み物をこぼした時の処理、嘔吐下痢の際の受け
袋にセットしたり、布団に敷いたりなど日頃から多様に使える。※口に入らないよう注意
☆使用後の携帯トイレは各自治体の指示に沿って捨てる。(可燃ゴミとして処分することが多い)収集時の破裂を防ぐため、なるべく空気を抜いて口をしっかりしばり、他の可燃ゴミとは別にしてまとめておく。※水分はしっかり吸わせきる。
☆断水時、トイレに水を流して使う時は
・下水管や浄化槽に破損、異常などがないか安全を確認してから使用。
(マンションなどでは階下に逆流するなど被害が出てしまうことも。)
・水はトイレタンクではなく、便器に直接流し込む。(一回につきバケツ一杯位必要。詰まりを防ぐため2、3回に一回は多めに水を流す。)
・使用済みトイレットペーパーは流さず、ゴミとして別にしておくと良い。(節水、詰まり防止ののため)
⚠️重要⚠️
避難所などでは、不便であったり、不衛生なトイレの使用を避けようとして水分や食料の摂取を控える傾向がある。
その結果、熱中症や、脱水症状、エコノミークラス症候群などの健康被害や災害関連死につながる危険性が高まるため注意が必要。
(特に高齢者は体温調節機能が低下していたり、脱水に気がつきにくいこともあるようなので、こまめな水分補給を促すなど気を配る。)
過去の災害では、公的なトイレはあっという間に汚物が溢れ、時には側溝までもが汚物だらけだったこともあるそう。
テレビの報道では、そこまで伝えてはくれないので、壮絶な環境があったことを知らない方も多いのではないでしょうか。
以前に比べると、少しずつ災害時のトイレ環境も改善されて来ているようですが、まだまだ十分とはいかないよう。
災害だけでなく、停電や断水などはどこにいてもあり得ることなので、他人事と思わずにトイレの備えはしっかりしておきたいなと思います。
◾️参考
避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン/内閣府
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2204hinanjo_toilet_guideline.pdf