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どたばたの運動会

運動会を嫌がっていた息子。
いよいよその日がやってきた。

全貌を書いたら、ものすごく長くなってしまったので、ダイジェスト的に。

登校するも、校庭で「いらんことして」遊ぶ

朝、学校に登校したまでは良かった。しかし、校庭で遊び始めてしまう。
「今日は遊具では遊びません」の張り紙が貼ってある遊具で遊ぶ。
「危ないから」と言っても聞かず、先生に注意されてしぶしぶやめる。
次は、遊具に縛り付けてある赤テープを外し始める。
「遊ばないようにって縛ってあるんだから、外したらダメ!」というのも聞かず、外す。仕方なく私は外されたテープをまた縛り直す…。

準備はすべて先生がやってくれる

「ケンの椅子は支援員の先生が運んでくれてますので。お弁当はまた、支援員の先生に預けてもらえれば、教室まで持って行ってもらえますので。」
なにからなにまで至れり尽くせりで、申し訳なくなる。
「ありがとうございます、すみません。」と頭を下げて、息子と校庭へ戻ろうとすると、こんな日に限って「トマトのみずやりせんなん!」と叫ぶ息子。みずやりをしてから、校庭へ戻った。

私が帰ると、息子も「帰る」

校庭へ戻ると、ばーっと駆け出して自分の椅子に座る息子。
リュックサックは私が持ったまま。生徒席には保護者は入れない。
「ケン!リュックサック持って行ってよ!」と叫ぶと、近くにいた6年生の男の子が「ケンくんのリュックサックですか?僕が運びましょうか?」と声を掛けてくれた。「ごめんね、ありがとうね。」と言って、その男の子に託す。

一旦家に帰るつもりだった私は、「やれやれ」と思いながら、家まで歩き始めた。すると後ろから、ドン!と背中を叩かれた。息子だ。
「おっかあ!逃げるな!」と。結局、二人で家に帰ってきた。

出番が近いので校庭に戻るも、出場拒否

時間になったので、再び運動場に戻る。
けれど息子はまた、校庭の隅で遊具の赤テープを外して遊び始める。

息子の出番はもうすぐなはずだが、入場門には2年生らしき子どもの姿はない。確認しようにも、先生は近くにいない。
とりあえず、入場門の近くにいればよいと思ったのだが、甘かった。

個人走は入場門とは別のところから入場するらしく、気づいたら競技が始まってしまっていた。
しまった!と思って息子を連れだすも「行きたくない」の一点張り。

もはや運動会に参加する気はさらさらないようなので、私も諦めた。
お弁当だけはみんなと食べてたらいいかなぁと思い、教室で待機することにした。

パソコンをしてみんなを待つ

職員室前の窓から、息子と6年生の騎馬戦を見る。
「頑張っとるねぇ」と言っても、息子の反応はなし。「教室でパソコンしとる」と、教室に向かう。
私もその後を追い、みんなが帰ってくるまで教室で待っていた。

みんなが帰ってくる。先生が「パソコンしとったんか。もう終わろう。お弁当食べよう」と声を掛けるのだが、キリが悪かったらしく怒る息子。
6年生に「ケンが切れるところ初めて見た」と言われる。

家でご飯を食べていると、脱走した息子が帰宅

みんなの輪に入ってお弁当を食べ始めると、さっきの怒りはどこへやらの息子。
私は昼ごはんを食べに家に帰る。
食べていると「ガチャリ」と扉が開く音が。息子だ。
先生に何も言わずに来たというので、学校に連絡して、午後の部まで家で待機。

大玉転がしで、ハッスル!

息子の出番が近くなったので、再度登校。
今度は入場口を間違わないように、先生に確認する。
ギリギリまで校庭の隅で遊んでいた息子を、先生が呼びに来てどうにか入場。種目は「大玉転がし」。
順番を待っている間、息子は他の子にちょっかいを出したり、砂を触ったりと好き放題。
順番が来ると、ペアの子をさしおいて玉を転がす。ペアの子はのんびり屋さんのよう。ほとんど息子一人で玉を転がす形に。
結果、チームは1位になり、大喜びする息子。良かったねぇ。

砂いじりをしながら、6年生の演技を見る

6年生の団体演技がはじまる。
運動会前、学校に入らない息子と一緒に何度も練習風景を見ていた。
息子は「Bling-Bang-Bang-Born」の踊りが好きなのだ。
砂いじりをしながら、6年生の演技を見ている息子を、私は見ていた。


6年生の演技を見ながら、なぜだか涙が溢れてきた。
6年生になった息子は、どんな風に成長しているんだろうか。

6年生の練習風景を息子と一緒に見ている時、同じ支援級の男の子は輪の中に入らず、輪から離れたところで踊っていた。
その子も、運動会本番ではちゃんと輪の中で踊っていたのだ。

6年生の演技を、1年生から5年生までの後輩たちが、親御さんたちが、先生たちが静かに見守っている。
あぁ、運動会の醍醐味ってこれなんだなぁとしみじみと思った。

練習では感じられなかった緊張感。「やってやるぜ」という気負い。
6年生、かっこいいなぁと思った。


すべての演目が終わり、息子が所属する赤団は優勝に輝いた。
そこは嬉しかったようで、「赤団勝った!!イェイ!」と叫んでいた。

みんなが椅子を持って校舎に戻る中、息子は校庭をうろついていた。
校長先生、教頭先生、保健室の先生に「ケンくん、大玉転がし頑張っとったね!出れてよかったねぇ」と声をかけられた。

本当に、大玉転がしに出場できてよかった。
本人は「疲れた、疲れた」と言っていたが。いや、お母さんも疲れたよ。

運動会嫌いはまだ続くと予想されるが、息子なりに楽しめる部分が多くなってくれたら嬉しい。

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