お母さん、頑張って。
仕事でうまくいかない時、私は5歳の息子にすぐに相談する。
「ねぇ、ちょっと相談したいんだけど、いい?」
最近、パソコンでマイクラをやることが日課になっている息子が、画面を見ながら「いいよ」と答えてくれる。
「お母さんがいま作ってるプログラムを操作してたら、エラーが出てさ。エラーってわかる?」
「わかるよ。」
※私はプログラマーとして、ソフトウェア開発をしている
「原因がわからなくて、これかな?ここかな?って色々考えてたら、どこが悪いかはわかってん。でも、またその先でエラーになっちゃってさ」
「うん。それで?」
「時間もなかったし、ひとりでずっと考え込むのも良くないと思って、他の人に相談してみてん。」
「うん。」
「そしたら、まぁ、今忙しいから仕方ないんやけど、”〇〇のあたりが怪しいとは思うけど、そこは誰も知らないソースだから、自分で必死に読むしかないよ"って言われてんて。」
「ふーん。」
…と、ここまでは昨日の夕方の会話。
息子からは特にアドバイスなどなかった。
夜、モヤモヤした気持ちを、夫にも相談してみた。
すると、息子も会話に入ってきて
「ケンにもその話しとったね。でも、なんて答えてあげればいいかわからんかった。」
と、教えてくれた。
「そうやよね、大人でもなんて返していいかわからんよね。話聞いてくれてありがとう。」と、息子の頭をなでた。
*
一夜明けて、今朝。
「あぁ。仕事嫌やなぁ。お母さんに問題解決できるかな…。」
朝から愚痴っている私に、息子が声をかけてくれた。
「大丈夫やよ。頑張っとったらなんとかなるよ。」
「そうかな?なんとかなるかな?」
「なんとかなるよ。お母さん、頑張って。」
息子の言葉が優しくて、しみる。
私のやる気スイッチがピッと入った。
そうだよね、頑張るしかないよね。
「ケン、ありがとう。お母さん、頑張ってみる。」
息子をぎゅっと抱きしめ、「大丈夫」と腕の中でおまじないのように唱えた。
*
というわけで、現在仕事を頑張っています。
(今はお昼休憩でこれを書いてます。)
落ち着いて、よく考えていけば少しずつ見えてきた。
まだ解決はしてないけど…。
今、子どものプログラミング教育について考えていて、いろんな本を読んでいる。
プログラミングって難しいんだけど、「考える」習慣をつけるだとか、問題を解決する力をつけるには本当にもってこいのもの。
これは子どもにも言えることだけど、もちろん大人も一緒。
私はこの業界に入って、毎日鍛えられている。試されている。
それが辛くもあるのだけど、「わかった」「できた」っていう喜びもまた知っているのだ。
「お母さん、頑張って」の息子の言葉を胸に、午後も頑張ろうと思う。
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