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映像制作の変革:価格破壊がもたらした民主化とブランディングの未来


動画制作の「価格破壊」がもたらしたクリエイティブの民主化

近年、映像クリエイティブの世界は大きく変革され、低コスト化と民主化の波が押し寄せています。
その要因は制作ツールのサブスクリプション化やオープンソース化、さらにSaaSのサービスの登場により、誰もが手軽に映像をつくれるようになったことで、映像制作の制作コストと参入障壁が大きく下がったことでしょう。

画像データをドラッグ&ドロップするだけで簡単に映像が制作されるソフトや、スマートフォンから自動で生成される動画のクオリティに驚かされたかたも多いのではないでしょうか。誰もが映像を手軽につくることが可能になり、昔ほど映像制作の専門的な知識を持っていなくても「業務」として映像制作を行うことが可能になりました。副業で映像を作るなんて話も最近はよく聞くほどに映像制作が広く一般的になってきたと感じます。

参入障壁が下がれば、いままでの需要に対しての供給量は高まり競争は激化します。そうなれば、これまでかかっていた制作時間とコストも軽減され、やがてAIが自動で動画を生成したり、テンプレート映像を短納期で量産してABテストを行うSaaS型の動画広告手法も確立されるようになります。

「短納期・量産型の映像」と「長納期・一点モノ型の映像」。

どちらも「映像」ではありますが、それを一括りとして考えることは出来ないと私は考えています。上記に述べた通りその作り方や予算が異なるのはもちろんのこと、それらが担うべき役割と目的が大きく違うからです。LIGHT THE WAYは、これらのメリット・デメリットを理解し、それぞれの良さを取り入れたクリエイティブを実践しています。

今回の記事では、「短納期・量産型の、テンプレートを使ってPDCAを回していくような映像」と「長納期・一点モノ型の、オーダーメイドでオリジナルで作り込まれた映像」という二つの例を挙げながら、今後の映像クリエイティブが担うべき役割について考えてみたいと思います。

「クリエイティブ」の成果をどう評価するべきか?

「短納期・量産型の映像」は主にイベントなどの販売促進・マーケティング活動のために用いられることが多い印象です。消費者に合わせて興味関心を集めることは販売促進や認知向上のために有効であるため、低コストで多数の映像をテストしながら定期的に公開していくという戦略は、高コストの映像を1点つくるよりも理にかなっています。同時にこの背景には「映像制作にどこまでコストをかける必要があるのか?」という疑問があるように感じます。

映像制作の参入障壁が下がり、低コストでインスタントに映像が作れる時代に、わざわざ予算をかけてクリエイティブをつくる理由はどこにあるのか?を問われることになります。費用対効果が適正かという疑問は正当なものであり、制作会社に依頼する必要がない領域もあるのも事実。低価格でコンテンツを量産するという企業が増えているのは時代の流れを考えると当然といえるかもしれません。

しかし単に「情報を映像媒体に向けてフォーマット化しただけ」のインスタントな量産型動画は、今後自動化されていく可能性があります。AIによる映像制作が一般的になれば、マーケティングとして汎用化される可能性が高まります。代理店や映像制作会社も、それが本当にクライアントのためになるのかを問われることになります。

マーケティングリサーチは大きく「定量調査」「定性調査」に分類することができます。

「定量調査」とは再生回数やインプレッションなどの換算していくことができる数値を分析していく調査方法です。対して「定性調査」とは、消費者の感情など一般的に数値化できない領域を言葉や行動を元に分析していく調査方法です。映像の効果を分析するにはどちらの手法が適しているのか。様々な議論がありますが、それぞれの手法には優れた面があります。ただし、抑えておきたい点は映像の効果を定量的と定性のどちらか一方だけで検証することは危うく、特にクリエイティブが作り出すイメージや印象などの定性的な効果は数字で測定しにくいということです。

しかし、検証することができないからといって、価値のないものなのでしょうか?

そうではありません。なぜなら、「心を動かすもの」に多くの人が価値を感じており、その効果で成果を上げているクリエイティブが数多く存在するからです。説明が難しい領域にも関わらず、その効果や必要性を感じる人が多いということです。

「心を動かす」クリエイティブを目指して

たとえ映像の効果を定量的に検証できたとしても、それが絶対的な「正解」であるかは断言できません。一連の表現の中で、どの部分がどのように受け止められ、評価されたのかを正確に把握することは難しいからです。

それでは私達はどういったクリエイティブを目指していくべきでしょうか?

消費者は企業の商品に「機能」や「価格」だけを求めているのではありません。企業が掲げる理念に共感できるかどうか、その企業のつくろうとしている未来に賛同ができるかどうか。今、消費者の眼はそうした企業の「思想」に向いてきています。言い換えるならば、「共感」を求めているということかもしれません。まだまだ社会全体としては少数かもしれませんが、今後、商品の機能や価格で差別化ができなくなった世界線では、この流れは加速していくでしょう。

そうした時代に、どう消費者にアプローチすることができるのか。そこで求められるものの一つが長期的なブランディングであると私たちは考えます。

ブランディングを一言で表すならば「企業のキャラクターを定義すること」です。八方美人な表層的なイメージを作り上げるのではなく、企業が元々持っている個性を尖らせ、いつ、誰がみても同じ印象を与えるための設計をすることが「ブランディング」の本質であります。一過性な売上だけではなく、長期にわたって企業としての意思を消費者に浸透させファンを増やしていく。これは商品の機能や価格で差別化ができなくなった世界線で有効な施策であり、商品の販売促進や企業やサービスの認知向上よりも長期的な資産となります。

映像表現でブランディングに寄与するためにはどうするか。当たり前の回答になりますが、定量、定性、両方の側面から調査を行った上で、その企業らしさを理解しオーダーメイドで映像をつくることが最適解だと私は考えています。では、何を目的にクリエイティブをつくっていくのか?それがLIGHT THE WAYがミッションに掲げる「心を動かせるかどうか」というものです。

クリエイティブにおいては大きな潮流や表現手法の「流行」はありますが、普遍的に成果を上げ続ける方法は残念ながら確立されていません。映像表現によるマーケティングの効果は、その時代の価値観や社会の状況といった外的要因によって大きく変わる上に、発信者や、対象となる商材によっても大きく異なります。

そうした変数の多い環境下であっても、人の心を動かす映像を制作するには、そのためのフレームワークや傾向がおぼろげながら存在します。どのような構造であれば人の琴線に触れることができるのか、思わず夢中になってしまうような演出とは何か。絶対的な方法論はなくとも、それらを理解し組み合わせることで確率を上げて実現することは可能です。

※定量的なアプローチだからといって盲目的に数値を信じ切っていいわけではないですし、定性的なアプローチだからといって効果検証や現象を言語化する努力を諦めて良いというわけではないということ。その点は改めて補足しておきます。

ブランディングは「長期的な視点で企業のキャラクターを描くこと」

したがって、クリエイティブの力が数値だけで絶対評価しきれない現代においては、企業やブランドは感動と共感を生み出すクリエイティブを追求していく必要があります。 映像表現を通じたブランディングは、商品やサービスの売り込みだけでなく、企業の核となる価値観を伝え、共感を築く重要な手段となります。そのためには、長期的な視点で企業のキャラクターを描き、一貫性のある印象を与えることが不可欠です。

LIGHT THE WAYは、クリエイティブの力で企業が抱える課題に真摯に向き合い、その魅力を最大限に引き出すお手伝いをすることを使命としています。 未来のクリエイティブにおいても、感動と共感を生み出す映像が企業の成功に寄与することを信じ、クライアントと伴走しながら常に挑戦し続けています。 これからも絶え間ない変化の中で、クリエイティブの力で新たな可能性を切り拓き、社会に良い影響を与える一翼を担うことを目指していきます。

編集者:高橋直貴  https://twitter.com/nao4200
記事を書いた人:西澤岳彦 https://twitter.com/nisitake

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