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摂食障害 愛よ!社会人編④

私は毎日とても幸せだった。
彼は金銭感覚がなく、いつもお金がなかったが、私のアパート6畳一間にピッタリと仲良く住んでいた。
一緒にいられるのなら一生プレハブ小屋でも構わない。
彼の前で普通に飲食できるし、精神科への通院を辞めた。
不要だったからだ。

彼は私の腕の傷に関して、何も言わなかったし、結婚12年経った今でも聞いても来ない。(もはや私に興味が無くなっただけかもwww)

摂食障害のことは言わなかった。結婚する直前に「今は治っているけど摂食障害だったよ」とチラッと一度だけ伝えた。
「フーン」と言っていただけだった。
ピンときてないだけなんだろうな・・・と思った。

出会ってから一年、摂食障害の症状は全くなくなり、病気だったということもすっかり忘れてしまっていた。


しかし、2人目の子供が生まれた後暫くして、私は躁鬱病だと診断され(症状は前述の通り若いときからあった)、服薬を始めると一気に10キロも太ってしまった。
別室で、子供達が「なんでママはデブなの?」と主人に聞いていた。すると普段優しく物静かな主人が「ママにそんなこと言うな!!」とものすごい剣幕で子供たちを叱ったのだ。
この人は私の患った病の記憶があったのか、どういった病か知っていたのかは不明だが、

でもそういう男なのである。
主人はどんな時でも、私が大失敗したときでさえ私を罵ったり馬鹿にしたり、怒ったりしたことはない。出会ってから14年間ずっとである。
どんなに疲れていても週末は寝る前に足をマッサージしてくれる。

私にはもったいないくらいの出来た人間だ。(アホなこともしてしまうが・・・)

摂食障害は完治はないらしい、症状が消えている寛解という言葉を使うらしい。
私もすっかりおばさんになり、発症した年齢と同じ年月が経とうとしている。精神的にも図太くなり、物事もはっきり言うし、強くなったと思う。
一般的におばさんになると治る人が多くなるらしい。
元来の剽軽さが本領を発揮し、ぽっちゃり目&肌荒れ全開の面白おばさんである。(自分だけそう思っていたらどうしよう)
最近、周りからは見た目について色々言われることもあったが、一般受けしない外見でも主人は可愛い、愛してると言ってくれる(こっちが聞いたらね!言わせてるんじゃないよ?)。
これ以上のことを望む必要はないのではないか?


しかし、寛解である以上、私の中にその火種はいつでも燻っているのだ。

ひょんなことからまた再燃するかもしれない。
あなたは病気になる人間が誰であるか判別できる?きっと無理だと思う。
相手がどんな背景で生きてきて、何に傷つき、どんな病になってきたのか、そんなこと今の外見や年齢では知る由もないでしょう?
軽々しく、人の外見ことに口を出すのはやめた方が良い。
どうしても出したいのなら、それはあなたの大切な人、かつ、どんな責任も取れる場合のみにしよう。
相手が身動きができないほど困っているときは、口ではなく手を貸そう。

健康志向の人からしたら信じられない食事内容かもしれない。
しかし、あなたが信じられないという1杯のジュースが、1個のアイスクリームが、あなたの知っているそれよりずっと尊いものであることを知ってほしい。
人はね、体だけで生きているんじゃないんだよ。
体が健やかになって、心が元気になればいい。
それはそう、一般論的な正解である。
でも、それは誰もに当てはまるわけではない。
心を救うのが先の人もいる。
是非、知ってほしい。


最後に

真理(=神)とはアインシュタインの言っていた通り、
物理法則そのもののことである。
私を救ったのは神ではない。


私を救ったのは人の愛である。





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