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双極症 狂人日記③

とんでもないプレッシャーで、時に涙をしながら出社し、最後の納品まで意地になって行った。

プロジェクトを抜けさせて欲しい、という願いは叶わなかった。皆、見て見ぬ振りをしていた。
上司は優しいふりをして、無能だった。
テクニカルのことも管理のこともわかっていなかった。見当違いなアドバイスをし、作業を遅らせた。

もう休職することにした。
本当は上司達を責めたかったが、気力が無かった。自分はうつ病になったのだと思った。
病院の予約が中々取れず、2週間近く寝たきりで過ごした。

やっと病院に行き、発達障害の検査とカウンセリングと問診をしてもらった。
上司をどうしたいか?と聞かれて、
「ぶん殴ってやりたい」
と答えた。
主治医は、「うつ病ではなく躁うつ病でしょう」と言った。
なんか、聞いたことがある。
「アスペルガーだと思います」
とも言った。
想定外だった。

2週間の寝たきりの後、急に腹の奥からワナワナと怒りが込み上げてきて抑えられなくなっていた。いつのまにか躁転したのだ。

アスペルガーは治るものではないそうだから、構わないでおこう。時間の無駄だ。

私は帰宅後、躁うつ病(双極症、双極性障害)について調べた。
これも治るものでは無いことを知って愕然とした。
私は摂食障害を寛解したのだ。
あの死ぬほど苦しい地獄からやっと抜け出したのだ。
仕事をし、結婚をし、子供を産み育てて、やっと普通の幸せを手にしたと思ったのに。
職を持ち家事をし子育て出来るなんて、摂食障害に苦しんでいた時は思いもしなかった。私はホームレスでくたばるのだと思っていた。
それが、ここまできたのに。
やっと、普通の暮らしができていたのに。
なのになんでまた精神の病になるのか。
どうして闘いが終わらないのか。

病は私の普通のそして尊い生活を奪ったのだ。

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