『労働騎士団』についての雑考③ “私の雇い主”とは何者か?
労働騎士団(以下、騎士団)の歴史的評価が、1970年代を境に、従前の全否定的なものから(相対的に)肯定的なそれへと変化してきたのは前回触れたとおりです。
騎士団の実態について、社会史研究の手法によって明らかにしようとした新労働史学の成果は、次の2点において特徴的でした。
①「生産者階級」の連帯を目指す「労働共和主義」を騎士団の公式イデオロギーとして規定している点。
②騎士団に多様な思想的潮流を包摂する“傘”としての機能を見出している点。
前回ご紹介した参考文献の著者であ