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心お弁当【毎週ショートショートnote】

横浜市内某小学校 遠足

僕とケイコは公園の芝生に座ってお弁当を食べていた。
ケイコのお弁当は、黒塗りの重箱の中に車エビ、アワビ、ローストビーフなどが入った豪華なものだった。

ケイコの家はお父さんが会社経営をしていて、お母さんは有名なデザイナーで海外で仕事をすることが多く家事は家政婦さんがやっている。
このお弁当も家政婦さんが作ったものらしい。

僕のお弁当はおにぎりが3個とタコの形をした真っ赤なウインナー、そして卵焼きのシンプルなものだった。
ケイコが自分のお弁当と僕のお弁当を交換して欲しいと言って交換した。

母の作ったおにぎりを食べてケイコは「このおにぎり美味しい!」
と言って目に涙を浮かべていた。



20年後

僕は小さなお弁当屋をやり始めた。
1番人気は、おにぎりとウインナーと卵焼きの入った「心お弁当」だ。

「心お弁当ください」

「心お弁当一つ!」
僕は厨房の中のケイコに伝えた。
伝票を書くHi-Uni の金色のリングがキラリと光った。


410文字

たらはかにさんの企画に参加させていただきます。


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