草食系男子に教えられたこと【毎週ショートショートnote】
私は高校2年生。
同じクラスの桜木は幼馴染で、成績優秀でイケメンだったが、病弱でスポーツはまるでダメでいつも勉強ばかりしていた。
落ちこぼれの私とは真逆だった。
ある日、桜木から意外な言葉をかけられた。
「一緒に東大を受験しないか」
「本気で言ってんの?私落ちこぼれだよ」
「大丈夫、僕が家庭教師をする。
僕は東大の過去問を徹底的に分析した。
東大受験に必要なのは記憶力ではなく応用力だ。今からでも間に合う。一緒に東大に行こう」
それから1年間、私の家で一緒に猛勉強をした。
その甲斐あって1年後2人は東大に合格した。
…
卒業後、私は「東大に合格したビリギャル」という本を出版してベストセラー作家になり自宅でインタビューを受けていた。
「はい、その草食系男子が教えてくれたことは、バカとブスこそ東大に行けということです」笑
「印税は全て難病の研究財団に寄付されたそうですね」
昨日は桜木の三回忌だった。
庭の桜の花びらが気持ち良さそうに春風に舞った。
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この作品はフィクションです。登場する人物団体は全て架空のものであり、実在するものと一切関係ありません。
たらはかにさんの企画に参加させていただきます。