伝書鳩パーティー【毎週ショートショートnote】
横浜市内 某公立高校
「鷲津、燕がアンタと付き合いたいって…」
僕に向かって幼馴染の雀が言った。
江藤 燕は、生徒会長で、女子テニス部のキャプテン、成績トップで天才と呼ばれていた。
「燕が?どうして俺なんかと?」
「さあ、天才の考えることはよく分からないわ」
「ゴメン!本当に俺なんかには勿体ない話だけど、他に好きなコがいるから」
「アンタ、何言ってんのよ、燕だよ、気は確か?」
「雀、実は俺も鷹野から頼まれていて、鷹野が雀と付き合いたいって!」
鷹野はサッカー部のキャプテンで女子人気No1のイケメンだ。
「悪いけど、断っておいて、私も好きな人がいるの…」
雀が僕の目を見て言った。
「…」
「…」
「…雀、俺と付き合ってください」
僕がそう言うと雀は目に涙を浮かべ頷いた。
…
「燕の筋書き通り上手くいったな」
「鷹野、不器用な伝書鳩たちのためにパーティーでも開いてやりますか」
「だね」
「ホント、世話の焼ける2人だわ」笑
空でとんびがくるりと輪を描いた。
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たらはかにさんの企画に参加させていただきます。