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「眠れない!どうしよう!」を解決した話

はじめまして、こんばんは。紺(こん)と申します。
今回は、私自身が経験した不眠とその解消法について書いていきます。
皆様の安眠習慣に少しでも貢献できればうれしいです。

不眠の始まり

私が初めて不眠を経験したのは学生の頃でした。私はそれまで一度も眠れないことで困ったことなどなかったのですが、残念なことに睡眠の問題と無縁ではいられなかったのです。

将来への漠然とした不安、ゼミの先輩との不和、家族関係のこじれなど、今となっては「あの頃は若かったなぁ」と思い出のように語れますが、当時の私にとってこれらの悩みは死活問題でした。また、これらの悩みは具体的な解決方法がすぐに見つかるものではなく、考え込むほどにドツボにはまっていく類のものでした。

特別なきっかけがあったわけではありません。
上記の悩みを抱えつつも日常生活を送っていたある日、いつも通りにベッドに入って目を閉じました。すると色々な解決不可能の悩みが次々と思い浮かび、そのことにとらわれ、全然眠れません。いつもなら多少悩みが浮かんでも気づけば寝付いているものです。この日も同じように考えて、とりあえずベッドの中で目を閉じてじっとしていました。
しかし、この日はいつもと違います。おや、全然寝られないぞ、それどころかどんどん目が冴えてきている気がする。
時計に目をやると、床に就いてから40分が経過していました。私はため息をつき、もう一度ベッドにもぐりこみます。明日は一限から授業がある、三限にはゼミの発表もある。もう寝なければ。寝なければ。いや、だめだ。再び時計に目をやると床に就いてから約1時間30分が経過していました。どうしよう、どうしよう。
結局、私はこの日、明け方になってようやく、ほとんど気絶するようにして眠りにつきました。

これが、私が覚えている不眠との出会いです。
最初にも書きましたが、私はそれまで不眠とは無縁の生活を送っていたので、突然やってきたこの事態にたいへん焦りました。

不眠の苦しみ

最初に不眠を経験してから約1か月が経ちました。
その間、私は不眠と気絶を交互に繰り返す生活を送っていました。どういうことかというと、悩みに苛まれて寝付けない日が続くと心身共に疲弊し、ある日パタッと眠れる(気絶する)日がやってくるのです。そして、ある程度体力が回復すると再び不眠の日々が始まる。これを不眠と気絶のサイクルと呼んでいました。

1.自己コントロール感の喪失

こうしたサイクルの中で、私は「寝ることに緊張する」ようになっていました。またうまく寝られないのではないか、寝られなければ明日の活動にも差し障る、なんとしても眠らなければ、いや、そんなに気張っていては却って眠れないことくらいわかっている。しかし、自分の思考を思い通りに止めたり逸らしたりすることができなのです。
ここで私は「自己コントロール感の喪失」を味わいました。

自分で自分をコントロールできない感覚は非常に不愉快なものです。もちろん、たとえ自分のことであってもままならぬものである、という風に達観できればよいのですが、少なくとも学生時分の私には耐えがたい苦痛でした。それは、自分が自分ではない感覚に近いかもしれません。

2.生産性の低下

不眠が続けば当然、思考も滞りがちなりますし、適当な判断を下せなくなることも増えます。気付くとボーっとしているということもままあります。身体的にも疲れやすく、階段の上り下りだけでも鼓動が早まるのを感じました。

そんな中で生産性が上がるわけがありません。学業やアルバイトのことだけこなす日々が続きました。能動的な活動ができなくなっていたのです。ですから趣味も受け身のメディア(テレビや映画)などに偏り、しかも楽しむというよりも不快感からの逃避に使っているような感じでした。自己実現に向けて努力するなど考えつきもしません。
基本的にいつも疲れているので人付き合いも悪くなり、(実際に相手がどう思ったかはわかりませんが)孤立していくような感覚にもなりました。

私の生活全体において生産性がひどく低下したのを覚えています。

3.気分の落ち込み

睡眠不足がもたらす最も恐ろしい苦痛が「気分の落ち込み」です。
普段ならなんでもないことをマイナスに捉えてしまうのです。それどころか、ただ座っているだけで何となく不快、不安、気分が落ち込む、という事態になりました。これはうつ病の一歩手前のような症状ですね。不眠もうつ病の身体症状の一つです。単なる不眠かうつ病かの鑑別は素人には(当事者ならなおさら)難しいので、専門家に診てもらうのがよいでしょう。幸い、私には精神医学の知識が少しあったので、気分が落ち込んでいるときに大きな決断をしない、ひとまず自分を休ませるという対応ができました。

私は嵐が過ぎ去るのを待つように、気分の落ち込みをやり過ごす日々を送っていました。

4.身体症状

不眠が続くと身体にもいろいろな困った症状が起こります。
私の場合は、体重減少、腰痛、動悸、息切れなどです。

私はこうした苦しみに苛まれながら約3か月を過ごしました。

不眠解消の工夫

さて、少し暗い話が続きましたがご安心ください。ここから私の反撃が始まります。そしてその反撃は勝利を収めるのです。
以下では、私が実践した不眠への対処・工夫をみていきましょう。ここでは3つのカテゴリに分けてご紹介します。

1.《環境》 時間・場所・設備などの設定や働きかけ

  • 部屋の照明を暖色系にする:睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促進します。リラックス効果があると言われています。

  • 枕を新調する:自分の身体に合った枕を選ぶことで安眠できます。

  • 空調を調整する:暑すぎず寒すぎず、エアコンのタイマー機能を上手に使って朝まで快適な室温を保ちましょう。

2.《行動》 具体的な日々の行動・習慣

  • コーヒー(カフェイン)の摂取は14:00まで:あるとき夕方にコーヒーを飲んだら午前3時ころまで目が冴えてしまいました。カフェインの半減期は人により大きく異なりますが、だいたい2時間~8時間と言われています。私は22時に就寝するため、逆算して14時までにコーヒーを飲むようにしています。

  • 18:00以降はブルーライトカット:本来であれば夕方以降はスマホやタブレット、パソコン等の操作は控えるべきできすが、私は夜に動画を見たいので、ブルーライトカット眼鏡をかけて対応しています。

  • 風呂上りのストレッチ:筋肉の緊張をほぐし、血流をよくします。

  • 就寝直前の筋弛緩法:知らず知らずのうちに体が緊張して眠れない人におすすめです。肩先を耳につけるイメージで上げます。このとき拳を作って上半身全体に思いきり力を込めましょう。そして、一気に力を抜きます。肩をストンと落とし、手も開きます。筋弛緩法については別の記事で詳しく説明するつもりです。

3.《マインド》 思考・認知・感情の扱い方

  • 「寝られなくても仕方ない」:「眠らなくては!」と思うほど眠れないものです。布団に入る前に声に出してみると効果ありました。

  • 楽しかった出来事を思い出す:眠れないとき、考えてしまうのは過去の後悔か将来への不安です。マイナスなことに捕らわれると眠れないので、過去楽しかった場面を具体的に思い出してみるとよいでしょう。自然と身体から力が抜け、体がぽかぽかしてきます。

  • 理想的な景色を思い浮かべる:現実的な景色でなくて大丈夫です。私はいつも草原に寝転がって星空を眺めている景色を思い浮かべます。近くに小川が流れていてせせらぎが聞こえます。

それでもダメなときは

  • 壁にもたれかかる姿勢:意外といいのが壁にもたれかかる姿勢です。どうしても眠れないとき、枕を腰に当てて座る姿勢をつくるとふっと眠気がやってくることがあります。

  • 考えをノートに書きだす:あまりに眠れないときは無理に布団に入っていると逆効果です。布団はリラックスできる場所である必要があり、どうしても眠れないときはいっそのこと出てしまったほうがいいと言われています。そして、ノートに思ったことをとにかく書きます。文法や構成なんて気にせず思い浮かぶままに書きつけるのがよいです。

  • 諦める:すべてやってみた結果どうにもならないこともあります。そういうときは「今日は眠れない日なんだな」「一晩眠れないからといって死にはしないさ」なんて気楽に考えることです。すべてをあきらめた瞬間に眠くなるということもあります。

得られた成果

これらの工夫を通して得られた結果についてお伝えします。
結論から言うと、ほぼ毎日、体感で15分以内に入眠できるようになりました。睡眠に対する緊張や不安も無視できるレベルまで小さくなっています。夕食後すでに睡眠モードになっているのか、全身がぽかぽかと温かくほどよい疲労感があります。一日活動したのですから夜に疲労感がでるのはむしろ健康的なことだと捉えています。また夜中に途中で目が覚める(中途覚醒)も減りました。
日中も頭が働くようになりおおむね満足の結果が得られています。

今後の課題

一方、まだ改善の余地があります。

  • もっと寝ていたいのに早めに目が覚めてしまう

  • 大きなストレスがかかると眠れなくなる

このあたりが解消されると、睡眠に関してはかなり満足なのですが、あまり完璧を目指して神経質になるとかえって眠れない。だから、あまり気にしないことにしています。もし、改善の機会があれば、くらいの気持ちです。

さいごに

今回は不眠に対する私なりの工夫・対処をお伝えしましたが、残念ながらこれは万人に効くものではありません。その人の体質や性格、生活スタイル等によって正解は違います。自分に合ったやり方を見つけてみてください。

今夜も不眠と戦っている人たちがいます。あなたはどうですか?不眠は真向から向き合うとなかなか手ごわいものです。やっつけようとは思わずに、ただただ放っておくことができればそれでよいのかもしれません。ま、それが難しいんですけどね。

それでは、おやすみなさい。よい夢を。


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