さちのか

人生のすべてに午後ローがある。

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最近の記事

1987年「極道の妻たちⅡ」

公開 1987年 監督 圡橋亨 公開当時 十朱幸代(45歳) かたせ梨乃(30歳) 村上弘明(31歳) 草笛光子(54歳) 「極道の妻たち」シリーズ第二弾で、修羅のヤクザ社会で男に代わって義理人情を貫く妻たちを描いており、地上波でも何度も放送されたのを覚えています。 前作の岩下志麻のやや誇張された姐御の印象が強いせいか、本作の十朱幸代は物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、私は「極妻シリーズ」の中で最も秀作で、単独の邦画としても充分見応えのある作品だと思うのです。 弱

    • 2003年「美女缶」

      公開 2003年 監督 筧昌也 出演 藤川俊生 古居亜希子 この映画について考える時、私は自分の中の生々しい欲望と向き合う事になります。 30代の頃、スカパーの「チャンネルNECO」でひっそりと放送されていたのを偶然見て以来、現在に至るまで頭の片隅に残り続け、日常生活の中で自分には絶対に手の届かない美男子と邂逅した時などに何故か思い出してしまうのです。 タイトルに偽りなし、缶に入った液体から美女が生まれ、そのまま主人公の恋人になるというストーリーです。 時間とお金をかけ

      • 午後のロードショー「ローグ・アサシン」

        公開 2007年 監督 フィリップ・G・アトウェル 公開当時 ジェイソン・ステイサム(40歳) ジェット・リー(44歳) 石橋凌(51歳) ジョン・ローン(55歳) デヴォン・青木(25歳) ケイン・コスギ(33歳) サン・カン(35歳) 日本の文化を曲解したヘンテコ映画という視点で見ると楽しめるかもしれません。 ジェイソン・ステイサム、ジェット・リーW主演のサスペンスアクションですが、サスペンスに重点を置いており二人のアクションは控えめな印象です。 2段階のどんでん返しの

        • 午後のロードショー「ミッドナイト・マーダー・ライブ」

          公開 2022年 監督 ロムアルド・ブーランジェ 公開当時 メル・ギブソン(66歳) メル・ギブソン主演作を信頼して映画館に見に行った人は、さすがに怒りを覚えたのではないでしょうか。 本作のオチは「大人の悪ふざけ」というよりは「ダマし」に近く、観客をナメきった卑怯な作風といえます。 NetflixやAmazonprimeなど、上質で安価な動画配信サービスが群雄割拠し、エンタメ業界がし烈な競争にさらされている2022年に、本作のような映画がハリウッドで制作されたとは驚くべき

          午後のロードショー「カニング・キラー/殺戮の沼」

          公開 2008年 監督 マイケル・ケイトルマン 公開当時 ドミニク・パーセル(38歳) 動物パニック映画において冒頭に「これは実話に基づいた物語である…」とテロップが出る場合、99%以上の確率で駄作な事が多いのです。 動物パニック映画をつまらなくしている3要素として、1.余計な社会問題を取り入れている 2.件の動物が登場するのが遅い 3.チープなCG などが挙げられ本作は見事にこれの条件を満たしています。 ブルンジ共和国の川に実在し、300人以上を捕食したグスタヴと呼ばれ

          午後のロードショー「カニング・キラー/殺戮の沼」

          1984年「天国に一番近い島」

          公開 1984年 監督 大林亘彦 公開当時 原田知世(17歳) 公開当時映画館に見に言ったにも関わらず、本編の内容はほどんど記憶になく、原田知世が歌う主題歌「天国に一番近い島」が一番印象に残っています。 当時現役高校生だった原田知世は「ザ・ベストテン」などの歌番組に高校の制服姿で登場し生歌を披露するなど、映画のプロモーションも大々的に行われていました。 同時上映だった薬師丸ひろ子主演「Wの悲劇」がドロドロした芸能界を舞台にした作品だったせいか、原田知世のピュアな魅力とニ

          1984年「天国に一番近い島」

          午後のロードショー「ブライド・ウェポン」

          公開 2014年 監督 ジョン・ストックウェル 公開当時 ジーナ・カラーノ(32歳) 主演のジーナ・カラーノはアメリカ女子総合格闘技のプロ選手のせいか、鋭い眼光に太い首、鋼鉄のような二の腕であたかも女装したセガールのような風貌なのです。 この映画のキャッチコピーは「悪夢のハネムーンで花嫁は野獣と化した!」というもので、彼女の格闘技を見せるのがメインになっており、それ以外のキャラクターやストーリーはあまりにも雑と言わざるを得ません。 ジョン・シナやドウェイン・ジョンソンなど

          午後のロードショー「ブライド・ウェポン」

          午後のロードショー「AVA/エヴァ」

          公開 2020年 監督 テイト・テイラー 公開当時 ジェシカ・チャスティン43歳 ジョン・マルコヴィッチ66歳 コリン・ファレル44歳 ジーナ・デイヴィス64歳 ジョアン・チェン59歳 家族のしがらみや恋に悩む普通の女性の日常と、暗殺者としての修羅の世界を事も無げに行き来するエヴァ。 冷酷な暗殺者にも家族がいて、生活があるのですね。 冒頭のエヴァが組織の命令に従い冷静に任務を遂行するシーンからのタイトルクレジットは、彼女が暗殺者となるまでの経緯がテンポよく語られています。

          午後のロードショー「AVA/エヴァ」

          午後のロードショー「モンスターズ/地球外生命体」

          公開 2010年 監督 ギャレス・エドワーズ 公開当時 スクート・マクネイリー32歳 ホイットニー・エイブル27歳 この映画は低予算の割には秀作との声が多いのですが、おそらく好みがはっきり分かれる作品と言えます。 モンスターは背景に過ぎず、モンスターに支配された世界と、その中を旅する二人の男女が徐々に惹かれあっていく様を描くSFロマンスです。 タイトルから人間とモンスターがガッツリと戦う作品をイメージする人も多いのではと思いますが、肝心のモンスターはラストに少し登場する

          午後のロードショー「モンスターズ/地球外生命体」

          2023年「ボーはおそれている」

          公開 2023年 監督 アリ・アスター 公開当時 ホアキン・フェニックス(48歳) 不安神経症の男が周囲の人間に蹂躙されながら、満身創痍で旅を続けるロードムービーです。 3時間と長尺ながら、一寸先も読めない緊張感があり、イカれてぶっ飛んだ世界観で、観客は精神を病んだ男の脳内に迷い込んだ気分にさせられるのではないでしょうか。 見た時の精神状態によって印象が変わる抽象画のような作品です。 本作はストーリーの進行とともにわかりやすく背景が変わり、舞台に例えるなら5幕構成となって

          2023年「ボーはおそれている」

          1979年「ルパン三世 ルパンVS複製人間」

          開 1978年 監督 吉川惣司 あまりにも名作のため今更語るのも恥ずかしく思えるほどなのですが、私はこの映画をまだ見ていない人をうらやましくさえ思うのです。 私が小学生の頃、地元の映画館でひっそりと上映していたのを覚えています。 テレビアニメのルパン三世は大好きだったのですが、絵のタッチが違って違和感を感じたのもあり「あのルパン三世の映画か…」というくらいで特に興味を引かなかったのを覚えています。 当時小学生だった私の記憶する限りでは、テレビや雑誌などのメディア媒体で宣伝

          1979年「ルパン三世 ルパンVS複製人間」

          午後のロードショー「キス・オブ・ザ・ドラゴン」

          公開 2001年 監督 リュック・ベッソン 公開当時 ジェット・リー(38歳) ブリジット・フォンダ(37歳) リュック・ベッソンのフランスノワール映画の世界観と香港映画のテイストが程よく混ざり合い、ジェット・リーの魅力を最大限に引き出している作品と言えます。 リュウ役はジェット・リーの素のイメージとも重なるストイックでクールなカンフーの達人で、それでいて純粋で女の扱いが苦手で不器用というギャップに何度見ても改めてキュンとしてしまいます。 ジェット・リーはブルー・スリーの

          午後のロードショー「キス・オブ・ザ・ドラゴン」

          1982年「疑惑」

          公開 1982年 監督 野村芳太郎 公開当時 桃井かおり(31歳) 岩下志麻(42歳)  松本清張原作のサスペンスで、私が10代の頃、地上波で何度も放送されましたが、ストーリーそのものよりも、主演の桃井かおりと岩下志麻の醸し出すピリピリした不穏な空気と息詰まる会話の応酬が印象に残っています。 当時、桃井かおりは不倫騒動や尖った言動などで事あるごとに週刊誌に取り上げられており、対する岩下志麻も「鬼畜」「鬼龍院華子の生涯」などでクールなイメージが定着していたせいか、この二人の

          1982年「疑惑」

          午後のロードショー「ハンニバル」

          公開 2001年 監督 リドリー・スコット 公開当時 アンソニー・ホプキンス63歳 ジュリアン・ムーア40歳 ゲイリー・オールドマン43歳 前作「羊たちの沈黙」とはまったく違う映画だと思って見た方が良いかもしれません。 サスペンスホラーでありながら、恋愛映画の要素も色濃く出ていますね。 レクター博士は、医学博士にして殺人鬼、しかも人肉を喰らうのが趣味という、常人を突き放したようなまったく掴みどころのないキャラクターで、クラリスとの接点も最小限であり、二人の関係性を観客の想

          午後のロードショー「ハンニバル」

          午後のロードショー「テキサスSWAT」

          公開 1983年 監督 スティーブ・カーヴァー 公開当時 チャック・ノリス43歳 一匹狼の凄腕テキサス・レンジャーと、凶悪な武器密輸証人との死闘を描くアクション・ムービー。 チャック・ノリス … 1970年~80年代に活躍した伝説のアクションスターですね。 たった一人で広大なテキサス州砂漠地帯の治安を守る一匹狼のテキサス・レンジャー、ジム・マクエイド。 警備隊が馬泥棒を企てる無法者の一味を取り締まろうとするも、返り討ちに会い、捕らえられてしまう。 無法者たちが警備隊を

          午後のロードショー「テキサスSWAT」

          サタ☆シネ「ザ・イースト」

          公開 2013年 監督 ザル・バトマングリ 公開当時 ブリット・マーリング(31歳) エレン・ペイジ(26歳) アレクサンダー・スカルスガルド(37歳) 「環境テロ」を題材にした作品で、淡々とした作風ながら最後まで緊張感が途切れない骨太の社会派サスペンスです。 主演のブリット・マーリングの知名度は低いものの、エレン・ペイジ、アレクサンダー・スカルスガルドなどの個性派俳優が多数出演しており、個々の人物像もしっかりと描かれています。 随所に目をそむけたくなるような痛覚描写があり

          サタ☆シネ「ザ・イースト」