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『ウンコの教室』読了

こちらの本を読了しました。


過去の記事を読んでくださったnoterさんが
コメント欄でオススメしてくださったのです。
(ありがとうございます♡)

(↑こちら)

この本の面白さは
目次を見てもらうと伝わりやすいと思うので
引用します。

Ⅰウンコと未来
 第一章 ウンコから世界を知ることはできる?
Ⅱウンコと社会
 第二章 学校でウンコがしにくいのはなぜ?
 第三章 トイレとウンコの海外事情はどうなっている?
Ⅲウンコと環境
 第四章 ウンコは役に立つ?
 第五章 「食べること」と「出すこと」はつながっている?
 第六章 サラブレッドのウンコはどこへ行く?
Ⅳウンコと生きる
 第七章 健康で文化的な生活に必要なものとは?
 第八章 「ウンコと生きる」が意味するものとは?

ウンコの教室 環境と社会の未来を考える 目次

ご覧のとおり
「未来」「環境」「社会」「健康」
などのキーワードを
すべて「ウンコ」という切り口で考察してゆく書籍。

目次のラインナップを眺めていると
むくむく興味がわいてきませんか?

実は
はじめ『ウンコの教室』という題を聞いただけでは

ウンコをすることは恥ずかしくないんだよ
ウンコをすることは大切なことなんだよ

といったことを説く
子ども向けの道徳本みたいのを想像していました。

ところがどっこい
ページをめくれば
大人にも面白い奥深きウンコの世界が
無限に広がっているではありませんか!

文字通り臭いものにはフタをするごとく
オープンに議論されることの少ないウンコですが

ヒトという生物としての我々が
食べて→出す  というところまで
きちんと向き合って考えることはとても重要だと
本書を読んで痛感しました。

特に
第五章 「食べること」と「出すこと」はつながっている?
では

江戸時代の農業における下肥利用を参照しつつ
ウンコを重要な下水道資源として捉え直します。

戦後の水洗トイレと下水道の普及により

現在、もはやウンコは汚物とさえ意識される間もなく一瞬で水に流され、次の瞬間には目の前から見えなくなり、その存在はまるでなかったかのように、忘れさられてしまう

こととなってしまったウンコ。

しかし
「食べること」と「出すこと」
そしてまた「食べること」は繋がっているとして

サステナブルな循環世界を構築すべく
「BISTRO下水道」と呼ばれる面白い取組みが紹介されています。

我々が生きるこの世界には
大きな環(わ)と小さな環が幾重にも重なって巡っている
そんなイメージが迫ってきました。


また
第七章 健康で文化的な生活に必要なものとは?
では

「衣・食・住」に「便」を加えることを提案し
災害や介護の視点から
ウンコを考える重要性を説きます。

南極でのフィールドワークでは
ウンコを

どこでするか、したあとどうするかは、毎日の大問題

だといいますが
被災地や介護の現場も同じ。

最近になってようやく
避難所のトイレ問題のゆゆしき事態が
SNSで叫ばれるようになってきましたが

議論はまだまだ道半ばです。

防災・減災を考えるうえで
真っ先に目を向けなければならないウンコ問題を
先送りにしてはいけないと背筋が伸びました。

マンホールトイレをもっと普及すべきだし
ボットントイレも残してゆくべきかも...!?

ウンコは人間の尊厳ですからね。


ここでは紹介しきれないほど
まだまだ多角的な視点からウンコを見つめる本書。

読み終わる頃には
ウンコがずっと身近に感じられ
可愛い存在にすらなっているかもしれません。

皆さま是非お手にとって読んでみてください!

ただ本書は
どちらかというと「広く浅く」な感じだったので

『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか--人糞地理学ことはじめ』
『ウン小話--世界一たのしくてまじめでちょっとクサい授業』

など
湯澤先生のウンコに関する過去の著作も
読んでみたいと思います♪

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