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マドンナ

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創作大賞2024 恋愛小説部門 参加作品
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記事一覧

マドンナ 最終話《バレンタインデー》【短編小説】

 二月十四日。  四十年前の今日この日に、産み落とした親を軽く恨んでいる。いや、親を恨む…

柴野弘志
3か月前
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マドンナ 第11話《共感》【短編小説】

 テーブルにはサラダが載り、チーズの盛り合わせが載り、ピザが載った。酒もそれに合わせてワ…

柴野弘志
4か月前
171

マドンナ 第10話《正念場》【短編小説】

 予約したピッツェリアは港に面した場所にあった。実際に行ったことはないが、調べる限りオー…

柴野弘志
4か月前
170

マドンナ 第9話《自分の土俵》【短編小説】

 バッティングセンターはボーリング場やスケートリンクの入ったアミューズメント施設の中にあ…

柴野弘志
4か月前
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マドンナ 第8話《休憩タイム》【短編小説】

 第二章と第三章とのエリアの間に休憩室が設けられてあり、ユースケはくたびれてベンチソファ…

柴野弘志
4か月前
170

マドンナ 第7話《玄人の鑑賞法と素人の鑑賞法》【短編小説】

 チケットを手に展示室へと向かうと、入口付近で列ができていた。傍に立つスタッフの誘導に従…

柴野弘志
5か月前
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マドンナ 第6話《デートにおけるマナーとは》【短編小説】

 地上へ出ると、すぐ脇にショッピングモールがあり、モナはこっちと指し示して建物の入口へと向かった。  入ってすぐの大きなスペースでは子供向けのイベントが行われていた。それを横目に通り過ぎて向かいの出口を出ると、広大なプロムナードの向こう側に浜側美術館はあった。  ルネサンス建築のような趣で中世ヨーロッパの雰囲気を醸しだし、厳かでどっしりと鎮座している。その背後には、高層ビルがニョキニョキと建っており、津先タワーがひと際高く冬の青天を突いている。  プロムナードには葉を落とした

マドンナ 第5話《待ち合わせ》【短編小説】

 津先駅の地下改札を抜けたユースケは、待ち合わせ場所を軽く歩き、モナがまだ来ていないこと…

柴野弘志
5か月前
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マドンナ 第4話《入念なプラン》【短編小説】

 ルーヴル美術館展のことをなんとなく調べてはみたが、さっぱり分からなかった。絵を見てなん…

柴野弘志
5か月前
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マドンナ 第3話《デートの誘い》【短編小説】

 明日にデート決行を控えた前の晩。  ユースケは、二十二時を回ったところで早々に布団に入…

柴野弘志
5か月前
282

マドンナ 第2話《恋愛遍歴》【短編小説】

 ここまで語られた告白のポイントだけではどうも物足りないと、ユースケは感じていた。  そ…

柴野弘志
6か月前
236

マドンナ 第1話《恋愛講座》【短編小説】

『LINEとか電話で告白したほうが緊張しないし、もしフラれた時に気まずくないからいいな、…

柴野弘志
6か月前
362