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映画「シュリ」:韓国映画の可能性を知った一作
こんばんは。ムララボです。
もうすぐ2024年も終わりますね。
2000年のある日、会社の先輩の強烈な推薦を受け、仕事を少しだけ抜け出して映画館へ滑り込んだ。この「シュリ」という映画が、それまでの映画観を大きく変えるものになるとは思ってもみなかった!
「シュリ(Shiri/쉬리)」は、韓国語で「スイ(水)魚」とも呼ばれる韓国特有の淡水魚を指します。この魚は、朝鮮半島全域に生息し、特に清らかな川や湖に生息することから、韓国ではシンボリックな存在として知られています。
映画の中で「シュリ」は、物語における重要な象徴として使われています。南北分断という重いテーマの中で、シュリという魚が象徴するのは、純粋さや平和、また自然に還ることへの願いといったもの。さらに、このタイトルには、対立や暴力の中でもどこかに残る美しさや純粋さを表しているようにも感じられます。
映画を観たあと、この「シュリ」というタイトルの奥深さをじっくり考えたくなるはずです!
まず冒頭から息を飲むような迫力のアクション!銃撃戦の音、俳優たちの動き、両手で構えられる銃の重厚な扱い方…一つ一つがまるで現実の戦場をそのまま持ってきたようにリアル。これまで観てきたアクション映画の中で、こんなにも没入感のある作品はなかったです。特に、音響が凄い!銃声が耳に響き、劇場が戦場になったような感覚。
だけど、それだけじゃないのがこの映画の凄さ。激しいアクションの裏に描かれる、胸を締めつけるようなロマンスが観る者の心に深く刺さるんです。感情を煽りすぎず、アジア映画にありがちな湿っぽさもない。むしろスマートで洗練された愛の描写が印象的でした。命を懸けた愛の行方に、観る者は何度も心を揺さぶられること間違いなし。
映画の背景に流れるのは、隣国である韓国の国家と国家の現実。南北分断というテーマを扱いながら、それをただの重い社会問題として描くだけではなく、観客を惹きつけるエンターテインメントに昇華しているのが素晴らしいです。この作品を観て、「国」という大きな単位で抱える苦悩と、そこで生きる人々の個人的な感情が、どう絡み合うのかを改めて考えさせられました。
ふと思い出したのは、かつて仕事を一緒にした日本語が堪能な韓国人の方。もし彼がこの映画を観たとしたら、どんな思いを抱くのだろう?
韓国映画として初めて日本でも大ヒットを記録したこの作品は、ただの娯楽映画ではない。隣国をもっと深く知り、そしてそこに生きる人々の心情に寄り添う大きなきっかけを与えてくれた作品だと感じます。
当時、そんなことを想いながら、韓国とその映画の味わいに感動していましたね。
まだ観たことがない方にはぜひスクリーンでの迫力を体感してほしい。すでに観た方も、もう一度じっくりと、その細部に込められたメッセージを拾い直してみるのはいかがでしょうか?「シュリ」は、映画好きなら絶対に外せない一作です!