アリエルになりたかった。「水を抱く女」
閲覧ありがとうございます。今日は、ベルリン映画祭で、女優賞を受賞したという映画「水を抱く女」を観たコレアレを書いておこうと思います。
今、ディズニーの「リトルマーメイド」の実写版が劇場公開されていますが、この「水を抱く女」も、
アンデルセンの「人魚姫」が、基になっています。
ディズニーのは、ハッピーエンドになりますが、この「水を抱く女」は、原作に忠実です。
人魚は、恋をして、愛されたら、ずっと愛されなければ、なりません。相手が、浮気したり、他の人と結ばれたなら、その人を殺さないと、自分が海の泡になってしまいます。
この映画の主人公の名前はウンディーネ。水の精霊からの名前です。
ウンディーネは、ベルリン都市開発の歴史研究家。いまは、記念館で、ガイドとして、働いています。
ある日、ウンディーネは、恋人のヨハネスに呼び出され、別れ話をされてしまいます。
「貴方は私を愛しているはず」、
「私を捨てるなら殺す。」
アワアワするヨハネスに、「30分で仕事が終わるから、このまま、ここにいて!」
そう言われても、別れたいヨハネスは、さっさとそのカフェからトンズラします。
がっかりするウンディーネに、クリストフという、潜水作業員が、「あなたのガイドは解りやすかった。素晴らしかった」と、話しかけます。
「一緒にお茶でも」というクリストフに返事しないで、いると、クリストフが立ち去ろうとしますが、その時、店の大きな水槽が割れて、ウンディーネをかばおうとするクリストフと二人、びしょびしょになってしまいます。
水が縁のこの二人は、深く愛し合うようになります
「周りを良く見て!歩いて、そして、横断歩道を渡りましょう!」
と、小学校に来ていた警察官からは、警笛吹かれそうなウンディーネたちです。
こういうカップルが、歩いてくると、さっと脇に避けなければ、なりません。なぜならば、二人は、お互いしか見てないから、その他の人々が気をつけて、ぶつからないように注意します。
こういう感じの二人ですが、ウンディーネは、クリストフと歩きながらも、他所を見ていました!
なんと、別れたヨハネスを発見します。ヨハネスは、女性と歩いていました。そしてヨハネスも、ウンディーネを見つけます。
そして、後日、ゲスいヨハネスは、ウンディーネに
「彼女とは間違いだった。君がいいから、ヨリを戻そう」と、なんとも軽い申し出をします。
そう言われたウンディーネは、
その場で、断らず、あとで、ヨハネスと会う約束をします。
「君が良かった」、「好きなんだ」
とか、言いまくる軽いヨハネスをじっと見つめるウンディーネ。
観てるわたしは、ジレジレします。
「なぜに、すぐ断らないの。一度裏切ったやつは、同じことを何度でもする」
ウンディーネのLINEを知っていたら、メッセージを送りたいくらいでした。
その日の晩、クリストフから電話があり、
「昼間、君はスレ違った男性をじっと見てた。何かあるの?ウソはつかないでくれ!」
と、若干、興奮ぎみのクリストフです。
ウンディーネは、クリストフを失うのは耐えがたく、「あの人とは終わったの。貴方がすべてよ。電話してね。」
と、留守電に残しますが、一向に返電がありません。それは、そのはず、クリストフは、なんと、潜水中の事故で、脳死状態になってしまっていたのです!
悲しみにくれるウンディーネ。
ウンディーネは、慰めを求めたのかヨハネスの元に向かいます。しかし、ヨハネスの家には、婚約したみたいな女性が彼と一緒にいました。またまた、ヨハネスから裏切られたウンディーネ。
ウンディーネの表情がスケキヨのようになってしまいました。
と、目で言いながら、ヨハネスをプールに沈め、
溺死させてしまいます。
そして、愛に破れたウンディーネも、海の底に自ら沈んでいきます。。
しかし、ここで、エンドではなく、物語には続きがありますが、ネタバレになりますので、もしか、観てみたい方が、新鮮に驚かれる為にも、書かないでおきます。
わたしは、この作品の中で、感じたことは、、
ウンディーネの方に思いが残った状態で、恋が終わっているのが、残念だなという点です。
相手も自分のことを好きそうだったのに、引っ越しなどで、付き合うまで行かなかった。とか、良い関係が続いていると思ったのに、急に、別れ話をされた。
など、自分の中では、感情が現実に追いていかない状況は、とても、苦しいです。
逆に、徹底的に付き合った。というか、自分の方から、「うーん」と、なった場合は、ダメージはあまり、ありません。
わたしの昔話をちょっとすると、大学に入りたての頃、バンド活動をしている彼氏ができて、ライヴなんかも、観にいき、彼がよく履いていた、黒いスキニージーンズも、(甲本ヒロトさんみたいで素敵!)とか、
時々、上を脱いで上半身裸になっても、(B'zの稲葉さんみたい~)とか、恋は盲目でしたが、
冷めてきてしまうと、
黒いピタパンと半身裸を見かけても、
(江頭2:50かよ!こっちにダイブすんなよ)
と思ったりと、非常に、手のひら返しを普通にしていました。
あと、ウンディーネには、悲しみを薄めてくれる
「時間」を待つことなく、決着してしまったこと、
話しを聞いてくれる友人や知り合いがいなかったこと。
などが、とても、残念に思いました。
映画の中でも、親しそうな友人や家族などは、いっさい、出て来なかったので、恋愛が始まると、その人だけにしか集中したくないタイプだったのかもしれません。
「水を抱く女」
また、いつか、ひっそりと、観てみたい映画です。
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