保証人はきついよ。な話し。
閲覧ありがとうございます。今日は、わたしが、時々、大家さんに頼まれて、訪れる物件アパートにてのコレアレを書いておこうかと思います。
「大家さん、入院したらしいから、しばらく不動産やさんからの連絡がうちに来るよ」
ある日、母が、わたしに言いました。
大家さんは、うちの祖母の友人なんですが、高齢者なんで、体調が良かったり、悪かったりします。
お子さんはおられますが、ご家族揃って海外なんで、うちができる限りは、協力しますが、物件の管理は不動産やさんがしてるので、わたしの出番はめったにありません。
「すみません、退去物件の立ち会いをお願いします。」
ある日、そう言われてびっくりしました。なぜなら、普通、大家の立ち会いが無くても、勝手に見に行き、補修は見積りして大家に後日に送付して、了解を得るのが普通だったからです。
「勝手に退去物件らしいよ」
いわゆる、「夜逃げ」。家賃は、保証会社が入ってますから大丈夫ですが、あとの家財を当たる場合、
後々、トラブルが無いため、連帯保証人の立ち会いが要ります。でも、その連帯保証人が、「大家さんに任せます」と、連絡してきた為、わたしの出番になりました。
「○○不動産の山田(仮名)です!よろしくお願いいたします!」
アパート前には30代くらいの、男性がいました。
綺麗に髪の毛をなでつけ、なんとなく哀川翔さんみたいな感じでした。メガネも、哀川さんに寄せているのか、中々、イキったメガネでした。
室内に入ると、台所は綺麗にしてあり、冷蔵庫も空っぽで、電源を落とし、住人さんの大事な写真とか貴重品は、持ち出しているようでした。
「僕、こういう物件、初めての担当なんで、よろしくお願いいたします。」
「はぁ。。」
(初心者じゃなくて、ベテラン寄越せと、思いましたが黙っていました。)
大家さんによっては、連帯保証人さんの了承があれば、残った家財などをリサイクルショップに売って、マイナス家賃などに充当するようです。そうしたら、連帯保証人さんの負担は若干減りますが、リサイクルショップ立ち会いの雑事とか、あとでアクシデントがあったら嫌だなと思い、わたしは、事前に、お伺いをしていたので、
「連帯保証人さんが、良ければ、冷蔵庫とか大型家具は、処分してもらって、部屋を空にしてください(充当はしません)。あとのメンテナンスは、見積もってもらって、
郵送してください。」
早く出たかったわたしは、早口でそう言いました。
すると、山田(仮名)氏が、バッグから箸みたいな棒を出して、部屋の隅などをピッと指して、
「クロスも、あの辺りくらいから、張り直します。」
とか、
「床のあそこは、テープか何かを張ったあとがあるので、補修が要ります」
とか、箸で指しながら、言ってたので、
「その棒は、商売道具ですか。」と、好奇心に勝てず、聞くと、
「目で確認するより、僕の場合、こうした方が頭に入るので、、」
とか、棒を振りながら言うので
(ハリーポッターか!)と、思いました。
「大家さん、すみません、トイレを見てください」
「トイレ?」
ポッターが、棒で指しながら、言うので、見てみると、なんと、
トイレ全面にパープルの壁紙を張り、電灯をシャンデリアぽい豪華なものにしていました。
凄いびっくりしました。こんな人がいるんだ。。
トイレの花子さんの実家かと思いました。
「凄いお金、かけてますよね。」
ポッターが言うので、
「これ、元に戻すのも凄いお金かかるけど、連帯保証人さんは大丈夫なんですか。知っているのですか。」
「メールでこのトイレは写真を送りました。動揺されてました。」
「すみません、この部屋の住人さんは、どういう職種の方だったのですか。(ホストクラブかな)」
「自営業だと伺ってます。」
自営業!!(種類は何かを聞いとるんじゃ!)と、思いましたが、黙ってました。
「とりあえず、この部屋は、大家さん分、連帯保証人さん分で、見積ります。劣化部分だけ、大家さんには、見積りいたしますね。」
「回収とか大変そうだけど、頑張ってください」
「ありがとうございます」
奥の部屋の段ボールには、
・緑あふれる好立地のホーム!
とか、
・生涯の安心を手に入れましょう!
とか、とにかくあやしいパンフレットが、印刷所から、そのまま来たみたいに、束になって入ってました。
(いろいろな自営業だったんだな。。)
とりあえず内見が終わり、アパートの共用廊下に出たあと、ポッターが、
「今日は、電車でお越しですか。お送りしましょうか。」
と、言ってくださいましたが、
「あ、自転車です。大丈夫です。」
「そうなんですね。僕は、もう一件、こういう物件を見に行きますので、じゃあ、ここで失礼します。」
「え!似てます物件?!それは、大変ですね。」
「滞納が2ヶ月になると、保証会社が監視対象にするのですが、行っても無反応だし。なんだか、今日は洗濯物が干してあるという大家さんからの情報ですから、行ってみます。」
ペコペコしながら、遠ざかるポッターを見ながら、不動産やさんは、部屋に入れてからも大変だなと、しみじみ思いました。
今回、勉強になったのは、人間の人柄はあまり変化はしないかもだけど、社会的環境は変わる。ということ。
入居する前は、かっちりした収入があるのを自分が知っているからと、保証人になっても、入居したあと、転職するかもしれないし、どんな運命がその住人さんに待っているかは、わからない。
「あのさ、転職するけど、家賃は滞納しないから大丈夫だよ。」
とか、自分の転換期に、律儀に連絡するような方なら、安心ですが、アクシデントがあったら、そういう余裕も無いかもしれません。
保証するということは、「お金」を保証するという重い、重い、責任ですよね。
家族とかなら、致し方ない場合もあるかと思いますが、「昔からの友人だから」、とか、「職場でお世話になった方だから」とかいう、つながりで、保証するのは、考えものだなとわたしに関しては思いました。
わたしが、油田を持っていたら、友人の保証人になるだろうか?
いやいや、もしか、友人が連絡も無しに自分の責任を放棄したら、わたしとのつながりも放棄したということになるので、、
その時の自分の虚しさ、悲しみが癒される保証はお金では、できないなと思います。だから、しないかな。いつか、いつか、どんな状況も、飲み込める強い人間力が備われば、わかりませんが、まだまだ人間としての経験によるパワーの備蓄分が足りません。また、保証人を頼まれるという、機会も無いかと思いますが。。
「保証人になってくれないかな。家族とは絶縁してるし、君しかいないんだ。迷惑はかけない。約束する!」
と、言われても、、
今の人間力では、、