【推し本】甘いだけが青春じゃないよなぁ、と。『氷菓』
先週は大学の学園祭でお休みしていました、どうもfunny_sumです。
何とか売りに出した部誌は完売し、無事滞りなくイベントを完遂出来て一安心しているところです。
そこで、こんな大々的なイベントをやっていると思い出すのが高校の文化祭ですね。
私が高校生だったのはもう数年も前の話になりますが、まあ客観的に見て面白い青春とは言い難い物でした。
部活は柔道部でしたが、強かったかと聞かれればそんなことは無く、うだつの上がらない弱小部員でしたし、勉強も特別できたわけではありません。友人がいたことが救いでしたが。
何も、全く楽しくなかったというわけではありません。自分なりにはほどほどに楽しんでましたから。
超絶イケメン男や、カリスマ性抜群の人間のように輝いていたわけではありません。なんてったってついたあだ名が「セミ」でしたからね。ひどいもんです。(文化祭の季節になると実行委員としてしゃしゃり出てくるため)
ちなみに、このことについて話してウケたのは大学の落研の体験入部の一度きりで、それ以外では苦笑いもいいところでした。
私の高校生活なんてのはそんなものです。色気のカケラもございません。
今週は言わずと知れた青春ミステリの金字塔、米沢穂信先生の『氷菓』でございます。
おそらく、私の投稿を読んでいただいている方々には、この本の内容を今更紹介する必要も無いでしょう。それくらい有名な小説です。
しかし、最近読書を始めた方や読書感想文用の読みやすそうな小説を探している学生さんがいらっしゃらないとも限らないので、端的にあらすじを紹介させていただきます。
主人公、折木奉太郎は薔薇色の高校生活を夢に見ない、「灰色」をよしとする入学したての男子高生。入学と同時に姉の手引きによって半ば強制的に入部することになった古典部において、不思議な雰囲気を纏う少女、千反田えると出会う。
少女、えるは古典部に浅からぬ因縁があった。彼女は伯父が関わる三十三年前の事件を知るために彼女は奉太郎達と同じ高校へと進学したのである。
奉太郎達の協力を経て真相へと近づいてゆく…………
と、言った感じでございます。
この小説の表す青春に、多くの人が想像するような華々しさはありません。文字通り切なさが残る、ビターテイストの結末が待っております。
ですが、逆にこんな高校生活も過ごしてみたいな、と羨ましくも感じてしまうのはなんとも不思議な感覚です。
この感覚の心地よさは、読んでみないとわかりません。
推理小説の代表的作品ではありますが、全体的に難しい内容は無く、ページ数も決して長くはありません。
「読書初心者だけど、何読めばいいか分からないよー」という方にも喜んでお勧めできる作品です。
「昔読んだよ」という方も、久しぶりに読んでみてはいかがでしょうか。きっと得も言われぬ郷愁があなたを襲います。
では。