IBティーチャーになるためのあゆみ⑥ 2週目編
では今回はモジュール2、すなわち2週目の内容について書いてみます。モジュール全体の目標は、あなただけのオリジナル歴史コースを作ることです。IBでは、履修内容をIB教師が決めるのです(ルールはあります)。
モジュール2の内容
・自分の学校を分析してみよう
・歴史のコースを設計するにあたって、疑問点を共有しよう
・歴史のコースを設計し、提出しよう
・Programme Resource Centreにアクセスし、感想を言い合おう
・自分の授業で評価している項目、評価できていない項目をあげよう
・有志:学問的誠実さについて、ブログ記事を書こう
自分の学校を分析してみよう
分析というよりは、正確にはauditという言葉だったので、「監査」という訳になるみたいです。
自分の学校やクラスの分析をします。IB校の人しか答えられない質問もありますが、割と一般的なものばかりです。
おもしろいのは、「あなたの勤務校の財務状況は?」
こっちが教えてほしいぜ。
この質問も好きでしたね。
Describe your classroom.
すべての黒板(とくに古い学校)は、西側に設置されているのですよ、Japanでは。僕はこれを重松清氏の小説で知りました。氏いわく、平日の学校のある時間は、日本中の学齢期のこどもたちはみな、西を向いて座っているのです。最新のユニヴァーサルなんちゃらは除きましょう。
さぞ「日本っておもしろい!」と思われるかとわくわくしましたが、だれもつっこんでくれませんでした。もしかして…世界でもそうなのか?西向きなのか!?
歴史のコースを設計するにあたって、疑問点を共有しよう
これは最初からずっと使う重要な本なのですが、
Subject Guide(僕の場合はHistory Guide)
というのを用いて、カリキュラムを作ります。
いきなりカリキュラム作るとか、そうするともうわからないことだらけですから、作る前にあらかじめ疑問を集約しようというわけです。1人2コ疑問提出です。
僕は今思えば、少し的はずれな質問をしました。
ファシリテーターからは「ガイドラインって何かしら?Subject Guideがあるわよね?」と言われました。おお、なるほど。そうか、読みなさいよね、ちゃんと。
うん、読んでもわからなかったので書いたのですが、そういわれてみれば、ちゃんと読めば書いてあります。要するにむずかしかったのです。
もうひとつのtextbookをめぐる質問は、ちょっとバズりました。
世界中の参加者(?)から、いろいろと回答が寄せられました。
ぼくがとても知りたかった、IBの教科書について、いろいろとわかりました。買おう。
これがIB DP Historyの教科書だ!
上記はシリーズのひとつにすぎません。
最終的には、どのようなテキストを用いるのかも、カリキュラムに合わせて教師に委ねられているのです。上記は、定評のあるもの、という位置付けですが、必ず使うものではありません。すばらしい。ちなみにファシリテーターはこのOxfordの教科書の著作者のおひとりでした。
歴史のコースを設計し、提出しよう
コースの設計に条件がついています。つぎの2つを満たしましょう。
・TOKと歴史を結びつけることができるように
・国際的な考え方が育つように
最後まであんまり思い付かず、提出がぎりぎりになりました。こんなのを作ったのですが、のちほど見当違いであることが発覚します。再提出を命じられるのか、乞うご期待…ちなみに何が悪かったのかを、ゆっくり検討することができていません。いつか書き足すかもしれません。ひとまず、これは間違いです。
ただし一緒に提出したつぎの疑問点は悪くなかったようです。
ちなみになぜかこれは、全体に公開されません。やっぱファーストペンギン(と勝手に呼ばせてもらっている)の答えを見られないと間違えてしまうなあ。
Programme Resource Centreにアクセスし、感想を言い合おう
Programme Resource Centre というのがあって、IBのサイトに「ちゃんと」に登録すると活用が認められます。そこには世界中のいろんな科目のIBの実践例が収められているそうな。
ただの登録ではなく、「IBロール(=IBに果たす役割)」というのを登録しないといけないのです。
僕は普通の歴史教員なのでこのロールがありません。そこでいろいろ問い合わせてみたのですがダメだったので、ファシリテーターに別課題をもらえないか聞いたところ、「では今回は省略して、もしワークショップ中に入れるようになったら教えてね」と、省略を認めてくれました。
Omit!
自分の授業で評価している項目、評価できていない項目をあげよう
IBの歴史には、独自の評価基準があります。自分の現在の授業がどんな基準を満たしているか、あるいはいないのかを分析して列挙します。ここもIBではなく普通の授業をしているので、やや書きにくいのですが粘ってがんばる。
有志:学問的誠実さについて、ブログ記事を書こう
オプションです。みなさんあまり書いていなかったけど、おもしろそうだったので書きました。みんなで自由に思ったことを書く共同のブログのコーナーがあるのです。
IBは出典と知的な創造に対する責任に大きな関心を持っているようです。これはAcademic Honestyといって、すべてのIB関係者が理解しないといけないことのようです。
DeepLもChatGPTも、たぶんIBに衝撃を与えるんだろうなあ…Billy Joelの歌が聞こえてきそうです。 特にChatGPTの脅威について、少しそのブログでふれてみました。以下のように書きました。
Academic Honestyか、なんかうしろめたい気になるぜ…自分で書いといてなんですけど。でもChat GPTはさておき、DeepLがなかったら、これたぶん無理だったよなあ。Honestyと翻訳ソフトは、両立するんかなあ…
上記の記事に、ファシリテーターの先生がコメントをくれていました。ちょっと感動的でした。
”声”か。先生、表現が素敵です。
よし、大人もできるだけこういうものに頼らずに、がんばろうじゃないか。
DeepLはどうなんやろう。
うん、そこはセーフということでお願いしたい!!
そう思っていたら、次のモジュール3では、いきなりDeepLが通用しなくなる課題が出たのであった……
つづく。
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