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青、黒、紫。そして茶 【書道の話】

子どもの夏休みの宿題をきっかけに、ほぼ毎日、字を書き始めて3ヶ月。

変わらず、楽しく書いている。

5文字を超えると、余白と配置の難しさが増す。

墨液を使っている。
本当は墨をすって書くのが良いのだろうけれど。
朝の30分しかないので時間的な余裕が…という言い訳が半分。

そして、お店に墨液がいろいろ並んでいるのを見て、こんなにあるのか使ってみたい、という子どものような気持ちが、もう半分。

最初は「玄宗」の普通黒を使い、子どもの頃から馴染みのある「書芸呉竹」の墨液を紫紺系、純黒、青系黒と使っている。

墨液は薄めず使っているので、純黒と青系黒も画像だとほんの僅かにしか、違いはわからない。

左が純黒、右が青系黒。画像だと違いがうまく撮れない。


しかし肉眼で見ると、特に乾いた時に違いは感じる。

青系黒が、わたしは何となく好きだ。

わたしが子どもの頃、青墨のほうが上手く見える、という都市伝説みたいな話があった。

もちろん、黒だって青だって、上手い人は上手いので、あははそうなん?ぐらいの話である。

わたしは子どもの頃、青墨に憧れて、使ってみたことがある。
しかし、墨液一本だけ使い切って、やめてしまった。

身をもって、そんなわけない、と知ったからだ。

青墨はクラスに1人か2人、使っているかどうか。だから教室や体育館に大勢で並べられると、そのグレーがかった色合いが目につく。

そして、そもそも青墨を使うのは習ってる人がほとんどなので、青墨だから上手く見えるんじゃなく、上手い人が青墨を使っている

そう。

わたしみたいなのが青墨を使うと、目立つわヘタだわで、コリャいかん、と分かったのだ。

昔話が長くなってしまった。

呉竹のパッケージ「青系黒」を見たとき、そんな子どもの頃の記憶が甦って、つい買ってしまった。
実際は、薄めず使えば黒とそれほど違わず、子どもの頃の青墨とはイメージが違う。

それにしても、昔は街の文具屋でも、当たり前に、墨液は普通の黒と、青墨が並んでいた記憶があったのに、今は、近くの店には青墨が見当たらない。

他の店で見つけたので、いずれ使ってみたいと狙っている。
いやいや、いまさら、上手く見せたいとかではなく、単純な懐かしさだ。

ところで、子どもの頃にはまったく知らなかった、茶系の黒、という墨液が並んでいるのに気がついた。

いかにも、風情ありげな響きである。

しかし使うには、やはりそれなりの力が求められるに違いない。
興味に己の力が追いつかないのがもどかしい。

お手本。お題は野や水から、宇宙へ…。


難しい!

お読みくださって、ありがとうございます。