ききょう

歌舞伎など好きなものについて書かせていただきます。 小学生の子育て、更年期、母の罰(マザーフッド・ペナルティー)にもがく日々です。

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  • #歌舞伎

    歌舞伎の観劇感想、歌舞伎DVDの感想をまとめました

  • 字を書きたい

    いつか歌舞伎の題名を自筆してnoteタイトル画像にしたい、という野望を持って練習します。(勘亭流を習っているとかではありません。)

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    映画、DVDの感想。ときどきドラマ感想も含みます

  • #読書感想

    読書感想をまとめました

  • 昔の「ほうおう」を読む

    歌舞伎会の会報「ほうおう」。99年6月〜02年3月分までを実家で見つけたので読み直します

最近の記事

【観劇感想】明治座_11月花形歌舞伎_夜の部『お染の七役』

お染の七役 於染久松色読販於染久松色読販は、4世鶴屋南北の作。通称《お染の七役》。 中村七之助が、7つの役を演じ分ける。 商家のお嬢様「お染」、その丁稚「久松」、久松の姉で奥女中「竹川」、久松に焦がれる田舎娘「お光」、芸者「小糸」、お染の母親「貞昌」、金のために店を強請りに来る悪婆「お六」。 妙見の場でお染が出てきて口を開いた瞬間から、疑う余地もないお染である。 早替りもそうとう速くて、替わると分かっていても驚くくらいなのに、声、動き、セリフどれも少しも駆け足にならない。

    • 【観劇感想】明治座_11月花形歌舞伎_夜の部『鎌倉三代記』

      明治座の11月花形歌舞伎、夜の部を観てきました。先に《鎌倉三代記》から。 『鎌倉三代記』 絹川村閑居の場歌舞伎事典2000年版では、《鎌倉三代記》は「作者不明」となっている。 大坂夏の陣を扱うことが幕府側にいかに厳しい目で見られていたか、明確に作者が伝わっていないことからも感じる。 花道から、坂東巳之助の三浦之助の出。 美しい三浦之助。 木戸をまたぐ力も残っていない、疲労困憊の様子が細やかに表現されている。 疲れても傷ついても溢れる気品とキラキラ、”三浦之助っぽさ”まで

      • 変わっていく、の面白さ 【書道の話】

        子どもの夏休みの宿題をきっかけに、ほぼ毎日30分、字を書いている。 いつか、歌舞伎の題名を書いてnoteの記事のタイトル画像にしたい、という野望があるのだが、まだまだ先。 市販の墨液を使って書いている。 このごろ、練習の終わり時間が近くなったら、墨液を足さず、一滴ずつ水を加えて薄めていく。 書いたあと、乾いていく過程での表情の変化が面白い。 墨の付き具合で、不均一なグラデーションみたいに乾いていく。 原液でそのまま書いたのが、こちら。 空の色でも海の色でも、そして墨の

        • ヒトは、人でもあり「人でなし」でもある_映画『十一人の賊軍』 2024年公開【映画感想】

          *ネタバレしております。ご留意ください。 監督は白石和彌。 『孤狼の血』の監督。今作も大量に血が流れる。 目を覆いたくなる戦闘シーンが続く。『孤狼の血』では思い至らなかったが、容赦ない暴力シーンでしか表せない、現実の過酷さ残酷さがあるのだろう。 個人的には、尾上右近がほぼずっと画面にいたしセリフも動きもたくさんあって楽しめた。 あらすじ物語は、戊辰戦争の頃。 新政府軍が江戸の無血開城を経て、さらに北上してくる途中である。 慶応4年の7月下旬、新潟の新発田藩における4日間

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          「習え、習え。」(武部源蔵) 【書道の話】

          子どもの夏休みの宿題をきっかけに、ほぼ毎日30分、字を書いている。 タイトルの「習え、習え。」は、歌舞伎『菅原伝授手習鑑』の「寺子屋」の場から。 寺子屋の主で、元は菅丞相(菅原道真)に仕えていた武部源蔵のセリフである。 菅丞相はライバルの讒言によって左遷されてしまい、武部源蔵は、菅丞相の子・菅秀才を匿っている。敵方の詮議は厳しく、菅秀才を差し出せと迫られている。 菅秀才を助けるには、代わりに他の子どもの首を討って差し出すしかない、と源蔵は悩みながら家へ戻ってくる。 寺子

          「習え、習え。」(武部源蔵) 【書道の話】

          迷っているなら観てほしい_映画『八犬伝』2024年公開【映画感想】

          *ネタバレがあります。ご留意ください。* やあ、楽しかった。もしも、観ようかどうしようか迷っておられるなら、劇場でご覧いただきたい。 曲亭馬琴が南総里見八犬伝を書き始めて28年間。 馬琴の身に起きること(以下、私生活パート)を追いながら、連載に合わせて八犬士の物語(以下、南総里見八犬伝パート)が進んでいく。 上演時間は149分と、やや長め。 八犬士が玉梓の怨霊と闘う一番のクライマックスで、馬琴が視力を失ってあわや連載ストップか!?となるので、ここでもどかしい感があるが、

          迷っているなら観てほしい_映画『八犬伝』2024年公開【映画感想】

          青、黒、紫。そして茶 【書道の話】

          子どもの夏休みの宿題をきっかけに、ほぼ毎日、字を書き始めて3ヶ月。 変わらず、楽しく書いている。 墨液を使っている。 本当は墨をすって書くのが良いのだろうけれど。 朝の30分しかないので時間的な余裕が…という言い訳が半分。 そして、お店に墨液がいろいろ並んでいるのを見て、こんなにあるのか使ってみたい、という子どものような気持ちが、もう半分。 最初は「玄宗」の普通黒を使い、子どもの頃から馴染みのある「書芸呉竹」の墨液を紫紺系、純黒、青系黒と使っている。 墨液は薄めず使

          青、黒、紫。そして茶 【書道の話】

          『婦系図』、『源氏物語 六条御息所の巻』2024年10月歌舞伎座 夜の部

          遅くなってしまいましたが、24年10月歌舞伎座の夜の部、感想を残したく思います。 夜の部は泉鏡花原作の『婦系図』、そして『源氏物語』から六条御息所の巻。 どちらも、わたしにとっては「思ってたのと違う」興味深いものだった。 婦系図原作は1907年1月から4月まで新聞に連載され話題になった小説『婦系図』。 初代喜多村緑郎が劇化を望んで、翌1908年に初演。早瀬がお蔦に別れを切り出す「湯島境内」の場は、小説にはない。 新派の『婦系図』を見たことがない。市川雷蔵の映画『婦系図』

          『婦系図』、『源氏物語 六条御息所の巻』2024年10月歌舞伎座 夜の部

          『平家女護島 俊寛』ほか_2024年10月 歌舞伎座 昼の部

          遅くなってしまいましたが、10月歌舞伎座、昼の部の感想を残したく思います。 平家女護島 俊寛竹本愛太夫のたっぷりとした語りから始まる。 久しぶりに劇場で見ると一段と、この演目のセットは素晴らしい。 逆巻く波の模様、崖に這うツタ、粗末な庵。 崖の向こうをぐるりと回って、菊之助の俊寛の登場。 島流しも3年の長い間で、げっそりとやつれている。手にした海藻ばかりが青々しく、いっそう侘しい。 『中村吉右衛門 舞台に生きる』によると、海藻は本物だそうだ。 貝殻を鍋がわりに海藻を火に

          『平家女護島 俊寛』ほか_2024年10月 歌舞伎座 昼の部

          昔、お手本は折り目だらけだった 【書道の話】

          子どもの夏休みの宿題をきっかけに、ほぼ毎日30分、字を書いている。 もうすぐ3ヶ月だろうか。 練習には市販のテキストを使っていて、お題が進むにつれて文字の配置や余白の難しさを感じる日々。 半紙に折り目をつけるか? いや〜いつ以来よ今更それする?と迷ったが、やってみることにした。 これが、わたしにはびっくりするほど効果があった。 半紙に折り目を付けて位置の補助を入れることで、むしろ自由に書ける。 折り目によって、「この範囲に収めようね」が決まるので、配置の悩みを忘れて

          昔、お手本は折り目だらけだった 【書道の話】

          BOB〜〜‼︎ 【映画感想】ビートルジュース ビートルジュース

          ティム・バートン監督作品。 1988年の映画『ビートルジュース』の続編。 ビートルジュースは、名前を3回呼ぶと模型の街(と繋がっている霊界)から飛び出してくる600才のバケモノである。 霊と人間のトラブル解決屋を自称しており、オレの名前を呼んでここ(霊界)から出してくれたら助けてやる、と誘ってくるのだが、頼ると事態は悪化する。 *ネタバレありです。ご注意ください 🎃前作は…リディア(ウィノナ・ライダー)が引っ越してきた中古住宅には、前の持ち主で事故死した夫婦が、霊にな

          BOB〜〜‼︎ 【映画感想】ビートルジュース ビートルジュース

          無理…からの、もう一枚 【書道の話】

          子どもの夏休みの宿題をきっかけに、ほぼ毎日、字を書いている。 テキストのお題は4文字から、5文字、そして6文字へと進んでいく。 この先は6文字のお題が続くようなので、筆を4号に変更。 漢字の臨書向き、というものにしたけれど、初心者すぎて、昨日まで使っていたより細くなったとしか分からない。 ここからはもう、つまづいてお題をひとつ飛ばしても、そこも書けない。 目の前のものをクリアするまで、やるしかなさそう。 書いても書いても、ぜんぜん書けない。 それでも、お手本を眺めて、

          無理…からの、もう一枚 【書道の話】

          配置と余白の難しさ 【書道の話】

          秋らしくなってきたような気がする。 運動会の練習が始まったので、ボロボロになり始めていた子どもの運動靴を新しくしようと、足のサイズを確認。 23センチ。 kidsサイズを卒業していた。 大人のデザインから選べるようになったなんて。(涙) …単価が上がるではないか。(そっちの涙) さて。 いつか歌舞伎の題名を書いてnoteのタイトル画像にするぞ!と野望を抱き、夏からほぼ毎日30分、字を書いている。 市販のテキストのお題が5文字に突入して、これまで目をつぶってきた、「余

          配置と余白の難しさ 【書道の話】

          芸談が苦手な人にも◯。 『平成の芸談 歌舞伎の真髄にふれる』 犬丸治

          2018年12月発行。 平成(1989-2019年)の30年間の歌舞伎役者の芸談を集めたものである。 芸談集というと、名優の芸談を載せつつ随所に「彼らに比べて現在の役者は…」と厳しい意見が挟まるものもあり、苦手に感じることがある。 その点、この本は現役バリバリの役者の言葉も多く含まれていて、「それに比べていまの役者は…」が、少なめである。 玉三郎、仁左衛門、菊五郎(7代目)、團十郎白猿(芸談の当時は新之助)など、いまもまさに舞台に立っている人、亡くなっていても記憶に新しい

          芸談が苦手な人にも◯。 『平成の芸談 歌舞伎の真髄にふれる』 犬丸治

          たかが1字、されど1字 【書道の話】

          子どもの夏休みの宿題に、習字があったのをきっかけに、朝の30分ほぼ毎日、字を書いている。 市販のお手本を使って、2文字、4文字のお題を書いてきた。 そこに、5文字のお題があらわれた…! 書いてみる。 「山」ビビリすぎてるし、「澄」なんか証券会社の字(證)みたいになってる! 「澄」むどころか、「我」のカタマリすぎて苦笑いしかない。 余白を意識しましょうと言われてるのに、今にもつぶかりそうにぎゅうぎゅう。 4文字からたった1文字増えただけで、これほど途方に暮れるものな

          たかが1字、されど1字 【書道の話】

          練習のほうがよく書けた、はホント? 【書道の話】

          夏から(まだ夏みたいな気温ですけど)、ほぼ毎日30分、字を書いている。 約30年も筆を持っていなかったので、ど初心者。 練習に毎回、新しい半紙を使っていては大変な量になるので、裏面にも練習する。 日々、練習を始めてから半分くらいの時間を、裏面での練習に使う。 半紙は、つるつるの面がおもてで、ザラザラが裏面なのだが、裏面の書き味も好きだ。 ゴツゴツと筆に抵抗してくるので力に遠慮が要らないし、かすれが出やすい。 裏面に練習していると、「いま、いい感じだった!」という瞬間があ

          練習のほうがよく書けた、はホント? 【書道の話】