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春のような温かさがいつもある学校に… 自分が傷ついてしまうほど優しいことは 弱さなんかじゃない 〜心の宝物229

🌷階段で


コロナ機の学校
この日の掃除は、低学年の校舎をゆっくり参観しました。
渡り廊下や1階フロアでは、1年生が、6年生といっしょに、懸命に取り組んでいます。真似るように、一緒に働く子、教えてもらったことに気をよくして、丁寧さはその次で、6年生を置き去りにするように、先へ先へと進んで得意げな子。

それらを、笑顔で見守ったり、優しくたしなめたりする6年生。
何とも牧歌的で温かな空気漂う1階フロアを後に、2階へと階段を昇ります。

ほうきを担当する児童が、丁寧に下へとゴミを掃き落としていきます。
階段の上方では、雑巾がけが始まっていました。

2年生の彼女は、その担当でした。

🌷自分が傷ついてしまうほど優しいことは 決してよわさなんかじゃない


彼女は、教室では、多くを語らない静かな人でした。繊細で、人を傷つけまいとするあまり、自分が傷ついてしまうほど優しいところを、自分のよわさだと思ってしまっている一面がありました。

彼女のお父さんとは、彼の中学時代を、一緒に過ごしました。活発で元気だったお父さんは、自身と引き比べながら、
「ちょっと真面目でおとなしすぎるんじゃないかと心配です」と仰っていましたが、それほどに優しいところを、物事を真っ直ぐに見つめ、きちんと考えるところを私は素敵に思っていること、見守りつつ、そんな彼女のよさの本質を信じ、共に伝え続けようとお伝えしていました。

彼女は、思いつめたような表情で、階段の一段一段を丁寧に磨いています。細い指先は真っ赤になっており、全身の力と心をその一点に込めていることが伝わります。

「ありがとう。せっかくピカピカにしてくれた階段を踏んでしまう。申し訳ないからこうするよ」
そう声をかけ、履いていたシューズを脱いで手にもって、彼女の拭いたところをまたいで超えました。
「ありがとうございます」
彼女は微笑みながら答えてくれました。
温かで安らいだ笑顔でした。

自分が傷ついてしまうほど優しいことは、弱さでもなんでもない。そういうところへ、自分をもっていくことができる力は、むしろ強さであり、しなやかさだと思う。

あなたの温かな笑顔を、絶対に守る。
あなたが、あなたの素敵なあなたらしさを、「悪くないのかな」と心から思うことができるような、そんな学校にすることを約束するよ。

そんな思いでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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