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春のような温かさがいつもある学校に… 尽きることのない泉のような 〜心の宝物339

🌷絶えない笑顔

山に囲まれた小さな学校
厳冬の中でもひときわ寒いこの日。厚手のコートに巻いたマフラーに首を埋めている私とは対照的に、4年生の彼女は、伸びやかな笑顔で登校してきます。
「おはようございます」
はにかみ屋さんで、決して大きな声ではありませんが、笑顔で目を合わせて届けてくれる挨拶に、全身がじんわりと温まります。

「おはよう。心まで温まりますよ」
そんな風に返すと、いよいよ恥ずかしそうに、しかし、思いを受け入れてくれていることが伝わる笑顔で、小さく会釈して階段を昇る背を見送ります。

🌷尽きることのない泉のような

グラウンドで遊んでいるときは言うまでもなく、教室で授業を受けているとき、体育館の全校集会で話を聴くとき、それが柔らかな話ばかりでなく、緊張を伴うような話題のときでさえ、彼女の表情から笑顔の気配が消え去ることはまずありません。

それは無論、話題の内容や軽重、深刻さの程度へのわきまえのなさではありません。むしろ、そうした機微には人一倍敏感な人でした。

彼女が、周囲に向けている優しさのアンテナは非常に細やかです。帰りの会のよさ見つけでは、学級の仲間のよさを毎日のように伝えています。「校長先生、心の宝物見つけたよ!」の「黄色い紙」には、学年を超えて、全校児童の様々なきらめきを、優しい言葉でしばしば伝えてくれます。
下級生が転んで泣いていれば、すかさず走り寄り、優しい笑顔でいつまでも背中をなでています。
友達のよさやきらめきに、悲しみに喜びに、いち早く気付き、そのときの最善と自分が思う言動を、怯まず実行できる人でした。

あなたの顔から、笑みの表情が絶えたのを見たことがない。
幸せな空気のときばかりではない、下級生が泣いているのを慰めているときも、教室で全員が先生から指導を受けているときでさえ、あなたの顔から笑顔の気配は決してなくならない。

かといって、そのときのあなたの誠実を疑う人はいない。
「こちらが真剣に話しているのに、何がおかしいの」
そういうニュアンスが、あなたから相手に伝わることは決してない。

なぜだろう。

私なりの考えを言おう。
あなたの心の内には、尽きることのない「善意の泉」があるのだと思う。
こんこんと、汲めども尽きないその泉からあふれる善意は、あなたの笑顔として、あなたの周囲を潤しているのだろう。

どんなときも。

だから、多くの人が笑顔になることはない場に直面しているときでも、あなたがこぼす微笑みは、あくまで温もりとして周囲に伝わるのだと思う。

 あなたの心の内の善意の泉が枯れることないように。
いつかあなたが日照りの季節を生き進めなければならないときも、耐えられる、あなたの地下の水脈が潤い続けるような、そんな学校であり続けるよう、全力を尽くします。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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