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春のような温かさがいつもある学校に… 「その子がそこにいない」ことで その子への思いがより強くなる 〜心の宝物225

🌷慌ただしい朝の会で


コロナ機の学校
この日の朝も、1年生の教室から巡回をスタートしました。
ちょうど健康観察の時間。コロナ機のことで、家族の体調不良による予防的な出席停止で、いくつかの席が空いています。

「○○ ○○さん!」
「はい!げんきです!」
1年生も、この頃には、係活動として、健康観察ができるようになっていました。
マスク越しに、しかし明るく元気いっぱいに、呼びかけと返事が続いていきます。

そのやりとりの中で、後ろの席が空いていることに、彼女は気づきます。

🌷「その子がそこにいない」ことで その子への思いがより強くなる


自分の名が呼ばれ、彼女は返事をします。
内気で、大きな声を出すことは得意ではない彼女ですが、それでも精いっぱい声を張って、係の子に応えます。
次に呼ばれた後ろの席の子について、担任の先生が「○○さんは 少し遅れてきます」と言われました。

彼女は後を振り返りました。欠席したその子の机は、少しかしいでいました。
次の瞬間、彼女は席を立ち、その子の机を真っ直ぐに直しました。

小さな1年生の中でも、小柄な彼女ですが、決然と席を立ち、その子の机に手をかけて、真っ直ぐに整える姿は大きく見えました。
内気に見える彼女の内には、強靭な意志の力と優しさがあることを、学級の全員が拍手と共に喜びました。ちょっとやそっとではくじけない粘り強さがあることも、この後ずっと続けていく研究活動から、全校の仲間が知ることになります。

「その子がそこにいない」とき、その子に向けるみんなの思いは、大抵は薄くなる方向に向かってしまいます。実際にその場にいないのだから、人間の感覚として、それは自然なことだとも言えます。

しかし、本人にしてみれば、それは寂しくないはずがありません。意図してそうされているのではないことはわかる。しかし、自分がいる、生きているということが仲間から忘れられていく。それは、自分の命が危うくなるような不安や恐怖に近い感覚だと思います。

だから「無視」という行為は、その人の命に直接作用する残酷な攻撃なのです。

少し話がそれました。

あのとき、あなたの心の、強くしなやかな部分が、小さなあなたの中の大きな優しさが、あのままだったら、その子に生まれかねない、不安や悲しみを敏感にとらえたに違いない。
そうして、そんな仲間の心を、命を守るために、行動する自分を選びとったに違いない。

あなたを誇りに思う。

そんな思いでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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