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春のような温かさがいつもある学校に… たからものだよ だからみがくんだ 〜心の宝物355

🌷思い立ったらどこまでも

山に囲まれた小さな学校
学校の周りの山を、新学期が少しずつ降りてくるような気がする3月。子どもたちも、心なしか浮き立って見えます。1年を穏やかに締めくくられそうな充実感と、新しいスタートへの期待が、どの子の胸にも広がっているようです。

2年生の彼からも、そんな思いが伝わります。
2歳年上のお兄さんと共に、学級の、全校のムードメーカーでした。くるくるとよく動く大きな目で、様々なことに興味を持ち、思い立ったらすぐに行動し、まずはとことんやってみる。
そんな行動力が、周囲に明るい風を吹かせていました。

この頃、そんな彼が決意し、こだわって実行している取り組みが挨拶でした。

🌷たからものだから みがくんだよ もっと光らせるんだ

そうすると決めて取り組む、彼の挨拶への熱量は、彼が思いを届けるその人だけでなく、周囲にさえ、熱と光が届くほど熱いものでした。

上級生、下級生を問わず、廊下ですれ違う仲間に、立ち止まり、目を見て、名前を呼んで挨拶をします。私たちにも同様です。
視察等でこられた来客に対しても一切物おじせず、その人の背後からでさえ、元気に声をかけ、自分にかけられた声かと、半信半疑で振り返るその人の目を見てもう一度。

「いっぺんに元気をもらいました」
お世辞抜きにそう言っていただけるほど、朗らかで明るい挨拶を届けていました。

彼の行動の発端は、代表委員会の提案でした。
「みんなで挨拶を学校の宝物にしよう」
代表委員長の呼びかけに応えた、彼なりの形が、その姿でした。

「がんばっていますね。君の周りがいつも光っているようだよ」
彼に敬意を伝えると、
「あいさつはもう(学校の)たからものだよ。だからみがくんだ。そうすればもっと光るから」
きらきら目を光らせて、答えてくれた笑顔が愛しくて仕方がありませんでした。

今の君の、素晴らしい挨拶の取組を、君の年齢や、パーソナリティに根差したノリのよさと見る向きもあるかもしれない。しかし、仲間たちや、私たちはともかく、知らない人の背中にまで思いを届ける君の取組は、そんな言葉で片づくものでは決してないと私は思う。

仲間の言葉を受け止め、自分なりに消化し、それをどんな行動で示すべきか考え、決意して実行しているのが、今の君の挨拶だ。君自身が考え、挑戦していることが何より尊い。

少し意地悪なことを言えば、10日後、1か月後の君に同じ熱量はないかもしれない。
120%が続くはずなどないのだから、むしろそれが自然だ。
それでも、君が今の取組で自分の中に培っている、温かで豊かなものは、決して失せることはない。
そういうことを繰り返して、少しずつ、何かをたくわえていく。それが成長するということだと、全校のみんなが、今、君の熱い姿から学んでいるよ。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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