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春のような温かさがいつもある学校に…君の「律儀」さに感動した 心から 〜心の宝物163

🌷朝の廊下で


コロナ機の学校
朝の会の始まる前、3年生の廊下を歩いていました。
9月末、昼間の残暑はまだまだ残暑厳しいものの、朝の廊下には、開け放した窓から爽やかな風が吹き込みます。大方の子は席に着き、朝の会の始まりを待っており、廊下には、ほとんど人気がありませんでした。

そこへ、急ぎ足で出てきたのが彼でした。トイレが我慢できないようで、始まるまでのわずかな時間にチャレンジしたようです。

私を認めて、元気に「おはようございます!」と声をかけてくれた後、教室の隣のトイレへ急ぎます。
「慌てなくていいんだよ」
そう声をかける間もなく、そのまま駆け込むようにトイレへ入るだろう彼を、見送っていた私は、次の瞬間、はっとさせられました。

トイレの前のフロアに貼られている「足跡マーク」のところで、彼が立ち止まって一呼吸置いたからです。

🌷3年生の君に見た「律儀」さに感動したよ。心から


陽気で外遊びが大好き。興味の対象がくるくる動き、利発で、人や物について思ったことを、傷つけない絶妙の加減で口にしては仲間の笑いを誘う。どちらかと言えば、調子のよさやスピード感が彼の持ち味だと思っていました。

その彼が、足跡マークで立ち止まったのです。それも決しておざなりでなく、足跡マークの上で一呼吸おいて。
その表情には、明らかな意志の力がありました。時間のなさに焦っているだろうに。生理的にも我慢しているだろうに。そもそも、そこには彼以外誰もいないのに。
「ああ、彼にはこんな律儀なところがあったのだ」

「両手の距離」「ソーシャルディスタンス」等密集を避ける指導の一環として、トイレや手洗い場の前に、先生方が、並ぶ目安となる足跡のシールを貼ってくださっていました。子どもたちに、そこで立ち止まる指導が刷り込まれていたことも事実です。

それでもなお、そこで立ち止まるという行動を選択した君を、その律義さを、私は賞賛したいと思う。ルールに縛られすぎないで、状況によって、柔軟に判断し、行動する力は、君が生きる未来には必要とされる力だろう。人も車もいない赤信号で止まることはおろかだという価値観が主となるような時代が来るかもしれない。

それでもきっと君は止まるのだろう。自分の生き方として、不器用に見えても、心深く定めた信念に基づいた行動を貫くのだろう。

今のこの不安な世相に希望を見た気がするよ。
君を誇りに思う。心から。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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