春のような温かさがいつもある学校に… 春風の君を支えているもの 〜心の宝物336
🌷厳しい寒さの冬の日に
コロナ機の学校
北舎2階の廊下の窓は今日も全開です。3階の窓からのそれには及びませんが、木の間越しに白山や御岳、アルプスを望むことができます。息をのむような眺望の美しさですが、廊下で懸命に掃除に取り組む子どもたちが発する清澄な空気感は、白銀の山々に勝るとも劣りません。
3年生の彼も、そんな一人でした。
おだやかで優しい人ですが茶目っ気もいっぱいで、男女を問わず、親しまれています。誰にも区別なく、笑顔で接する温もりが、彼の周りに仲間たちを引き寄せているようです。
🌷春風の君を支えているもの
廊下と壁の際の、その更に角。針でつつくしか触れようのない一点、いつそこに着いたのかわからない、床の小さなシミ。
彼は全体を拭いた後、そうしたところに明らかに意図的に目を留めて、懸命に磨いていました。日頃の穏やかさとは別人のように、厳しい表情を浮かべています。力が入り、身を切るような寒さなのに、うっすらと汗ばんでいるような姿に目を奪われました。
「よくそこに目が向きますね。尊敬します」
そう声をかけずにはいられませんでした。
彼はそこではっと我に返ったように目を上げ、いつもの、はにかんだような優しい笑顔でぺこりと答えてくれました。
仲間たちに囲まれ、穏やかに微笑んでいる君を君だとずっと思っていた。
もちろん、その姿も君の本質そのもので素晴らしい。
しかし、今日の君の姿からは、また違う君の本質を知ることができた。
集中力、妥協のなさ、自分への厳しさ。
春風の君を支えている強靭なものは、君の心深くにいる秋霜の君なのだ。
人間とは、素晴らしいものだね。
希望をくれてありがとう。
かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで