春のような温かさがいつもある学校に… 優しいから強い 強いから優しい 〜心の宝物249
🌷寒い廊下を熱く磨いて
コロナ機の学校
すっかり寒くなった11月半ば。この日も、2年生の廊下では、子どもたちが、生き生きと掃除に取り組んでいました。
開け放した窓からは、北風が容赦なく吹き込んできます。天気のいい日に遠望できる中央アルプスの山々も、うっすらと雪をかぶり始めました。水の冷たさがひときわ強く感じられる季節の到来です。
それでも、元気でパワーにあふれた2年生集団は、そんな寒さも感じないように、各々の仕事に取り組んでいます。
彼女は、雑巾で懸命に床を磨いていました。まだまだ体の小さな2年生。彼女はその中でも小柄な方ですが、見ているだけで、寒さが吹き飛ぶような熱量でした。
🌷優しいから強い 強いから優しい
彼女は、穏やかで優しい人でした。
鉄棒が好きで、休み時間にはよく練習していました。近くに行くと、逆上がりは難なく、他に見事な連続後回り、前回り等の演技を披露してくれます。周囲で練習中の子が、「すごい!」と拍手や賞賛を送りますが、恥ずかしそうに微笑むだけで、ひけらかすようなそぶりは少しも見せません。
「私は小学校の5年生で、はじめて逆上がりができたんだよ。それまでは本当に鉄棒が苦手でつらかった。2年生のときにあなたくらいできていたら、きっと、自慢しただろうなあ」
ほめるつもりで、そう話しかけたことがありました。
すると彼女は、
「自慢すると、そうやって練習している子たちに悪いから」
優しい笑顔で答えてくれました。
参りました。
雑巾で床を磨く姿から、朝の挨拶から、鉄棒で、みんなから拍手を受けたときの微笑みから、いや、あなたの全体から、いつも温かなものが伝わってきます。あなたが微笑むと、周りが、春のような明るさと温かさで満たされるのを感じます。
その理由がわかったような気がするよ。
寒くても、暑くても、自分がした方がいいと思うことから逃げないで、一番いい方向で実現しようとする。努力してそうしようとする。そんな君の強さを素敵に思ってきた。でもそのそこには、周りの人の思いをひたすら大切にする優しさがあった。
優しいから強くなることができる。
強いから優しくなることができる。
まるで、卵と鶏のようだね。
どちらも、片方のお母さん。正しい答えなんてない。
どちらも素敵な自分らしさだから。そう考えればいいんだよ。
かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで