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「成人発達理論」にまつわる書籍12冊+論文2つのプチ感想一覧(2024年4月10日時点)


はじめに

昨日まとめたこちらの記事と合わせて、

これまで読んできた「成人発達理論」について書かれている書籍のかんたんな感想についてまとめた記事を書きました。読んだ順番に紹介していきます。

組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学

評価:オススメ度☆☆☆
   読みやすさ☆☆☆
概要:成人発達理論の大家の1人であるロバート・キーガン氏の理論を対話型小説風に分かりやすく書いてある。
理由:ティール組織の探求の流れで、個人の精神発達について理論を学ぶということに強く興味を持ったから。また、会社経営などに活用されている方から読みやすさという点で一番最初にオススメと言われたから。
感想:5つのステップが対話形式で紹介されていて、自分にも当てはめて考えてみたが、しっくりくるようなこないような。入門編のようなものなので、色んな疑問が湧くという意味でもっと知りたいという意欲が湧く本でした。

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法

評価:オススメ度☆☆
   読みやすさ☆☆
   個人的なハマり度☆☆☆☆☆
選書理由:上記の「なぜ部下と〜」の書籍を読んだ後にもっと成人発達理論を学びたいと思った。前作と同じロバート・キーガン縛りで次の本を選ぶか、同じ著者で選ぶかで、Amazonのレビューを参照し、著者路線で選ぶことにした。
感想:個人的にはドンピシャでした。前作で感じた「そうはいってもこの場合は・・・」という疑問にすべて答えてくれるような素晴らしい内容で、読みながら心が弾みっぱなしでした。この書籍は精神の発達というよりも、能力の発達・成長というテーマについて取り上げていますが、非常に奥深くかつ本質的で知的好奇心が刺激されっぱなしです。能力開発に関する専門書という位置付けかと思うので読み手は選ぶと思いますが、そういった仕事についていて、あるいは関心があって、従来の方法に疑問がある方にはドンピシャではないでしょうか。何度も読みます!(鼻息荒く 笑)

行動探求 ― 個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ

・評価
オススメ度☆
読みやすさ☆
個人的なハマり度☆
・概要
「行動探求」というコンセプトを生み出した、成人発達理論の研究者による理論・活用方法の解説。
・感想
行動探求という、行動と探求を同時に行う姿勢をオススメするのはすごくいいと思います。(例えていうなら、行動しながらマインドフルネスな状態で自身の思考や感情などに気がつき、後の内省に役立てるというように)その価値にはすごく共感します。しかし、いかんせん読みにくい。。。未知の用語で未知のコンセプトを学ぶというのは、負荷が大きいですね。。。またチャレンジしたいと思いますが、成人発達理論に興味がある人は、加藤洋平さんの著書からスタートすることを強くオススメします。

※2024年4月10日追記
読みにくかったのは、本の内容よりも当時の自分のレベル?状態?が要因だったかもしれないので、今改めて読み直すとどう感じるのか気になってきました。

【PDF版翻訳書】心の隠された領域の測定:成人以降の心の発達理論と測定手法(2024年に商業出版された)

PDF版のURLはアクセス不可になっていたので、商業出版版を載せます。書籍化されたものは読んでいませんが、元のPDFからどのくらい変わったのか気になっています。それによっては買うかどうか。

・評価
オススメ度☆☆   
読みやすさ☆☆   
個人的なハマり度☆☆☆☆
・概要
R・キーガンの発達理論は全部で16段階があるが、その16段階についてや、いかに測定していくのかを詳細に解説している。
・感想
成人発達理論を深めたいと思っていた私にとってはドンピシャの本でした。何度も繰り返し読み、実践していきたい。成人発達理論を本気で深めたいという人にはオススメします。

【PDF論文】自我の発達:包容力を増してゆく9つの段階

(URLがアクセス不可になっていました)

・評価
オススメ度☆
読みやすさ☆
個人的なハマり度☆☆
・概要
クック・グロイターの論文を和訳したもの。無料で公開してくださっています。ありがたい。
・感想
成人発達理論についてまずは1つ学ぶなら、加藤洋平氏の翻訳している、R・キーガン → オットー・ラスキーの流れを辿っていくことが一番オススメだと感じました。これだけでは何となく分かった気になってしまいそう。

リーダーシップに出会う瞬間 成人発達理論による自己成長のプロセス

評価:オススメ度☆☆☆
   読みやすさ☆☆☆
概要:著者の経験に基づく知見を成人発達理論に当てはめ、小説化した本
感想:日本における成人発達理論の第一人者とも言える加藤洋平さんは、書籍の中で個人の発達段階を知ろうとする上では"(本人が)どんな言葉を使っているか以上に、それらの言葉をどのような意味でどういうふうに使っているのかで発達段階が明らかになっていきます。(組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学より引用)"と言われています。その観点からなのか、この書籍はノウハウが載っているというよりも、主人公が具体的な状況の中でどのように出来事を捉え、どんな思考・感情の動きがあった上で行動しているのかについて具体的に書いてあるため、発達していく上での認識・判断・選択についてのイメージがしやすく、何度も読むことで普段の仕事における選択肢が増えそうだなと思いました。また、NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)という、自分の内と外に平和をつくるための体系化されたプロセスがあるのですが、このプロセスでは①観察②感情③ニーズ④リクエストというステップが提唱されているのですが、この本はビジネスシーンにおけるこの4つのステップについて具体的にイメージするのにも役立つと感じました。

人が成長するとは、どういうことか ーー発達志向型能力開発のためのインテグラル・アプローチ

評価:オススメ度☆☆
   読みやすさ☆☆
   個人的ヒット度☆☆☆☆
概要:日本におけるケン・ウィルバー研究の第一人者でる著者が"発達志向型能力開発"という、能力開発・人材開発のアプローチについてまとめあげた本
感想:個人的に大ヒット!!私は成人発達理論の道は、加藤洋平さんの書籍から始まったのですが、それらを読み進めていく中で生まれていた疑問が解消されるようなエッセンスがふんだんに書かれているのが本書でした。各発達段階についての解説も読みやすく楽しかったですし、インテグラル・アプローチという名に相応しい、日本で発売されている成人発達理論のスキマを埋めて、読者に足場を与えてくれる名著だと思いました。ただ、そもそも対人支援者向けに書かれている本のため、誰しもにオススメできるものではありません。超入門編の私のnoteを皮切りに、加藤洋平さん著の『組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』から手にとっていただくのが最適かなと思います。何度も読み返したい本です。

ケン・ウィルバーシリーズ

2022年だったかのある時期に衝動が湧き、ケン・ウィルバーマラソンと称して(笑)以下の書籍を一気に読みました。今思うとどこからそんなエネルギーが湧いたのか不思議です・・・。

インテグラル・スピリチュアリティ

インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル

インテグラル心理学

・INTEGRAL LIFE PRACTICE ~私たちの可能性を最大限に引き出す自己成長のメタ・モデル

万物の歴史
→この書籍群の中で4象限について一番詳しく書かれていた記憶がある。この中で唯一対談形式のもの。

・入門 インテグラル理論
→複数の日本人が解説されていて、分厚い翻訳本から読んだからか、ぐっと分かりやすく書かれているように思えました。

・インテグラル理論を体感するㅤ統合的成長のためのマインドフルネス論
→今の翻訳書の中で一番内容が最新のものだからか、体系化が洗練されている印象。

※上記→のメモはいずれも2024年4月10日に思い出しながら書いたものなので本自体を間違っている可能性あり。

上記を一通り読んで思ったり、今でも印象に残っているのは、

・私はウィルバーのいう4象限をすべて大事にしていきたいという価値観があるのだなということ。

・発達段階と状態を分けて捉える観点(悟り的な状態と、そのような発達段階は似て非なるものだということ)

・各発達段階においてアレルギーと固着がある

・ブッダが生きていた頃の悟りと今の悟りは違うレベルにある(といった話が書かれていた)

といったことです。

ちなみに、初めての人には、こちらがオススメ。

入門 インテグラル理論

個人的に一番よかったのはこちら。

インテグラル理論を体感するㅤ統合的成長のためのマインドフルネス論

上記全部の中で個人的お気に入り3選

今回紹介した全12冊+論文2つのうち個人的なお気に入りトップ3は、以下となります。

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法

人が成長するとは、どういうことか ーー発達志向型能力開発のためのインテグラル・アプローチ

インテグラル理論を体感するㅤ統合的成長のためのマインドフルネス論


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