健康的な食事とは?食事内容やフードリテラシーに気を配る
皆さんは、『健康的な食事を摂りましょう』と言われて何を思い浮かべますか?
もし、美味しくない、あまり続けたいと思わないといったネガティブな方向に考えてしまうなら、すでに健康的とは言えませんよね。
食事は楽しく食べてこそ吸収率も上がり、毎日の楽しみや仕事への活力になります。
ただし、毎日好きなように食べてしまっては肥満や生活習慣病を引き起こす原因になりますので、ストレスにならない健康的な理想の食事について管理栄養士がお伝えします。
健康的な食事の先にある目的は?
健康的な食事に切り替えようと思う背景には、きっと何かきっかけがあるはずです。
もしかするとアンチエイジングやダイエット、特定保健指導で指摘されたなどでしょうか。今の食事をもっと良くしていこうとする気持ちは本当に素晴らしいです!
目的がはっきりしたら、目標を設定してまずは簡単な所から実践し、一日、一週間、一カ月と継続していきましょう。
健康的な食事のために気を付けること
健康的な食事を送るためには、食事量や食事時間などに気を配る必要があります。
健康的な食事の量
まず基本はどんな食事であれ、お腹がいっぱいになるまで食べ過ぎない事です。消化酵素は年齢と共に減り、暴飲暴食は胃もたれの原因にもなります。
更に空腹時に大盛りの食事をとると血糖値が急上昇し、糖尿病や肥満の原因にもなります。腹8分目で留めておきましょう。
健康的な食事内容は学校の給食
食事の基本は以下の組み合わせでできています。
・主食(ごはん、パン、麺類などの炭水化物)
・主菜(肉、魚、卵、豆腐などのタンパク質)
・副菜(野菜類)
ここにヨーグルトなどの乳製品や果物をプラスすると、小学校の給食のようなバランスの良い食事が出来上がります。ワンプレートで考えた場合、ごはん6対おかず4の割合になる事が望ましいです。
しかし、バランスの良い食習慣を毎日続けるのは料理が得意な主婦でも至難の業です。大切なのはごはん、タンパク質、野菜が揃っている事ですので、ごはんを炊く、切り身の魚を焼く、お味噌汁に切った野菜を入れる。これでほとんど完璧なのです。
大切なのは、この習慣を【続ける】事です。
慣れてきたら生野菜でサラダを作るなど、野菜の量を増やしてみましょう。
健康的な食事時間
出来るだけ朝、昼、晩の3食の食事時間を同じ時間に設定しましょう。食事時間が空いてしまう場合は、ナッツや大豆バーなどのつまみやすい物を用意しておくと空腹で食事をする事態を免れ、血糖値の安定に繋がります。
また、夜ご飯は寝る4時間前までに食べ終わるのが理想的です。
私達の胃腸が消化吸収を終えるまでに約4時間かかると言われており、ごはんなどの糖質類は2時間以上、肉や魚は3時間以上の時間をかけて少しずつ消化され、その後小腸で吸収するまでの時間を合わせると4時間以上かかります。
このような消化吸収の課程を無視して、寝る直前に食べてあとは寝るだけの生活を繰り返すと消化不良を起こし、朝に胃が重くて食べられずに1日の食事サイクル整わなくなる恐れがあります。
仕方なく夕食が遅くなってしまう時は、夜7時頃までにサンドウィッチなどの軽食をとるようにしましょう。そして家に帰ってお茶漬けや玉子焼きなど、消化の良い軽めの食事をとるのはOKです。朝の胃の調子が良い事を実感してみてください、
自炊こそ健康への近道
皆さんは自炊をしますか? 一般的に、女性に比べて男性には少しハードルが高く感じてしまうかもしれません。また、一人暮らしだと面倒に感じてしまうこともありますよね。
自炊の素晴らしい所はたくさんあるのですが、自炊の重要性を3つにしぼってお伝えします。
① 1食分の目安を覚える事ができる
この食材をどの位使えばこの位の料理が出来上がるといった、一つの目安になる事です。例えばランチ時に外食で食べ過ぎてしまっていても、自分ではなかなか気がつきにくいものです。
1品でも良いので、1人前の料理のレシピを参考にして自炊してみましょう。
② 調味料を抑える事ができる
コンビニ食や外食でも、健康に良い食事を選べるように多くの工夫がされてきています(糖質オフのパンや、食物繊維がとれるサラダなど)。
しかし、外食では塩分や酸化した油などが多くなりがちです。また、コンビニの食事には添加物が多く含まれています。
しかし自炊をすると、塩分〇gでも物足りない気がするから、外食は濃いめに作られているんだと感じる事ができます。納豆のタレやカップラーメンのスープに使われるうま味調味料の味はどうしても美味しく感じてしまいますよね。
まずは塩加減を覚えることから始め、献立を考え作る時に塩分を控え目にできるよう実践してみてください。てみて下さい。
③ 野菜をたくさん食べる事ができる
忙しい現代人はゆっくりと丁寧に食事を摂る事が難しくなってきています。
それに伴い1日分の〇〇といった野菜ジュースや栄養が添加されたシリアルで栄養バランスと整えようとする方も多いのではないでしょうか。
野菜には余分な塩分を排出するカリウムや血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食物繊維が豊富です。加えて風邪をひきにくくしたり免疫力を高めるビタミン類も摂る事ができるので、健康的な食事には欠かせません。
しかしながら、ジュースタイプは果物を加えて飲みやすく味を変えたりしてあったりと、糖分が余計に入っている事があります。シリアルも砂糖がまぶしてあるため、チョコレートでコーティングされたものは食事の代わりになると過信するとかえって病気のリスクを高める恐れがありますので、並んでいる商品のうち、一番素材がシンプルなものを選びましょう。
最近では簡単に1品料理が作れてしまうレシピサイトも充実していますので、旬の野菜をたっぷり食べられる自慢の自炊料理に挑戦してみるのもおすすめです。
食材を無駄にしないこと、実践できていますか?
日本は食事に困る事はない豊かな国です。しかし、それと同様に食材を多く廃棄している国であるという事をご存知でしょうか?
ある調査によると、1年間でまだ食べられるのに廃棄される食品は約520万tになるそうです。この中で家庭からの廃棄量は200万tと言われており、これは1人が毎日役お茶碗1杯分のごはんを捨てている事になるそうです。
まだ身が多くついている皮の部分を捨てたり、安売りの大袋で野菜を買ったけれど使い切れずに腐らせた経験は誰にでもあると思いますが、安売りや限定品に飛びついて必要以外の物を買わない、バラ売りや少量パックの食品を上手に活用するなど、私達にもできる事はたくさんあります。
また、賞味期限が切れたから捨てなきゃ!と思った事はありませんか? そんな時場合、賞味期限と消費期限の違いを思い出せると食品のロスを防ぐ事に繋がります。
◎賞味期限
おいしく食べる事ができる期限
この期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない
(スナック菓子、カップ麺、缶詰、ペットボトル飲料など)
◎消費期限
期限を過ぎたら食べない方が良いものに付けられる期限
(お弁当、サンドウィッチ、生めん、ケーキなどの傷みやすい食品)
ゴミを減らす、地域に密着した食品店で買い物をする「地産地消」を実施する、農家さんと触れ合うイベントに行ってみるなど、食育の延長として家庭から手軽に行動して行けたら素晴らしいですね。
カフェでは紙カップよりもマグカップを選ぶ水筒を持参するなど、自然環境を考慮した食行動がより一層必要になります。
これらの知識や行動はフードリテラシーと呼ばれ、地球温暖化や世界の飢餓問題とも直結して行きます。ぜひ、フードリテラシーの高い行動をし、知識を身に付けて行きましょう。
まとめ
いかがでしたか?
健康的な食事を心がけて環境問題にも配慮していく事は簡単ではないですが、資源は有限です。フードリテラシーを身につけて、一人一人が実践できる事を見つけていきましょう。