ぼくが妻の不倫から立ち直った方法 #2
誰かに頼って、言葉にして、痛みと向き合うだけでは充分ではない。もちろん、ぼくの苦悩は続いた。それは、永遠に続くかのように思われた。不眠は続き、食欲は減退した。胸が痛くなり、おそらく心臓神経痛を患っていた。
仕事が手につかなかった期間はどれくらいだっただろう。1か月かそこらか。ぼくはみるみるうちに痩せ、誰が見ても何かがおかしいことは、わかっていたのだろう。その証拠に“大丈夫?”と言われることは日に日に増えていった。
ぼくは何から手をつければいいか、そのときわからなかった。覚えているのは自分のことを守るという意識だけが働いていた、ということだ。毎日18時になるのが待ち遠しかったし、とにかく眠っていたかった。眠ることで現実逃避したかったのだ。
ぼくと当時の妻はワンルームに住んでおり、生活はともにしなければいけない中で、気を休める場所もなかったから、余計だろう。家に帰りたくないときは、当時、懇意にしていた後輩と夜中まで語ったりしていた。
そんなとき、意識してかしないでか、手にとったのは心理学の書籍だった。
ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』。
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