才能は自力で作れる! ~書評 ぼくたちは習慣で、できている。その8 習慣の作り方 ステップ36~42
継続は力なり。こう聞いて「それはそうだ」と思うものです。
でも、高い目標を掲げた時、目の前のコツコツした努力が何かバカバカしいものになる気がします。
例えば、筋トレをしようと思って、アーノルド・シュワルツェネッガーのような体を目指すと、筋肉のない自分に結構絶望したりするものです。
結局、高い理想と現実のギャップに愕然として、やらず仕舞なんてことも経験がある人もいるのではないでしょうか。
佐々木典士著「ぼくたちは習慣で、できている」では、そんな習慣を続ける上での悩みを
各論の読解を続けてまいりましたが、今回、次回で読解は終わりです。今回はステップ36~42をご紹介します!
習慣を作る50のステップ
36 積極的な行動で休む
疲れている体をあえて適度に動かすことで、疲労が回復するという現象があるそうです。これをセーチェノフ効果と呼ぶそうです。体だけでなく心も同様だと著者は説きます。
仕事でクタクタに疲れていて、休日何もせずにダラダラ過ごしてしまう。
こうすることで気分が落ち込んだり、休日を無駄にしたという罪悪感が生まれます。休むということは体を単に動かさないことを指すのではないということです。なので、休む時も自然に触れる。散歩するなど積極的に楽しみに触れることが自分を休息させるということに効果的なのだそうです。
「自分がこれをやったら気持ちが変わる」という、お気に入りの行動を列挙しておくといいそうです。何となく物悲しいときはやってきます。その時に、気分を入れ替える習慣が備わっている方がいいのだそうです。
37 習慣にしないものも大事にする
一日を一週間のようにとらえるのがいいそうです。
例えば、
朝から夕方まで→平日のようなもの
夕方からのジム→仕事終わりの儀式
日が暮れる→週末
24時間、習慣に基づいた行動をとっていくと、息が詰まります。なので、習慣にとらわれない、雑談や映画を見るなどの自由な時間をとるべきです。
習慣には適度な変化が大切。習慣事態に飽きてしまうと続きません。なので、習慣にも適度に変化を加えて、飽きないような工夫が必要です。
38 目的と目標をごっちゃにしない
成功は結果であって、目的ではありません。
ダイエットの成功者は一体どれくらいいると思いますか?
ダイエットの成功者は
200人中10人
さらにその体重を維持できた人は
たったの1人だったそうです。
なぜこうなるのでしょうか?
これは、ダイエットを目標体重に到達するための手段だと思っているからなのだそうです。
なので、体重を維持し続けることを目的とするべきなのです。
目的=習慣などの手段を用いて到達するもの
(到達するまでがすべて。到達したら終わり)
目標=習慣などを維持するための理由
(だから続ける、という動機付けをするもの、一生続けるもの)
これをよく理解しておくと良いそうです。
39 目の前の目標だけ見る
習慣は遠い遠い目標を見てはいけないのだそうです。
100万円ためる。一日100円や1000円を節約すると考える。
いったいどれだけの時間と努力がかかるんだ。と絶望してしまうのです。
だから、遠い遠い目標地点に目を向けるのは、ほどほどにした方がいいのだそうです。
あともう一回、あともう一つ、と一個ずつの積み上げ。目の前の小さい目標に目を向けることが大切なのです。
40 失敗は習慣に不可欠
習慣を身に付けるためには、できるだけ多くの失敗を身に付ける方がいい。
実践と失敗を繰り返すことで、うまくいかない方法を見つけることが出来るのです。
短い時間軸で区切ってしまうと、「失敗した」「成功した」という明暗がはっきりするものです。そうすると、失敗したくない。成功だけしたい。と考えがちになります。
しかし長い時間軸で見れば、失敗は成功へのステップアップだということが分かります。
なので、習慣を身に付ける序盤において、とにかく挑戦と失敗をしまくるのがいいそうです。
失敗を避けようとする方が、結果として成功にたどり着く時間がかかってしまうそうです。
失敗を何度もし、それを記録する。そして、自分が弱い人間であることを自覚することからすべてがスタートするのです。
どうして自分を責めるのですか?失敗したときに誰かが責めてくれるんだからいいじゃないですか。 アインシュタイン
失敗したからって、落ち込まなくてもいいのです。落ち込むと、目先の報酬に飛びついてしまうようになります。
うまくいかなかった場合、逆にその一方で「出来たこと」があったりするのです。
例えば
部屋が片付けられていない→逆に掃除ができないほど、何かに夢中になっているのだから、それをほめてやればいいのです。
41 何日で習慣になる?問題
どのくらいで習慣は身に付くのでしょうか?
ある実験によって、スクワットを習慣にするまでにかかった平均日数は66日だったらしいです。しかし、この平均は、18~254日というバラツキがある上での平均らしいです。個人差がありすぎるようですね。参考にあまりならないようです。
実際には日数に意味がないのでは?というのが著者の見解です。
日数ではなく、気持ちの問題だというのです。我慢しているうちはそれは習慣ではないのです。
「それをやりたいと思うようになったら習慣になっている」ということです。それが楽しい、気持ちいい、心地いい、達成感がある。こんな感じがわけば、習慣になっているのではないでしょうか。
ゴールは意識しなくなったとき。やってるぞ!ではなく、これが普通だし、日常だ。と思うようになるまで続けるべきなんだそうです。
42 やらないよりやった方がマシになる
超人や天才は、モチベーションがずっと保てているのでしょうか?
例えば、会社の社長は仕事が楽しくてやらずにはいられない。だから社長に慣れているのでしょうか?
一流のアスリートはその種目が好きすぎて毎日やっても苦ではない。だから一流なのでしょうか?
答えはNoだそうです。
本書では、マラソンランナーの瀬古利彦さんに関しての記述があります。あるインタビューにおいて、瀬古さんに「今日は練習したくないという気持ちになったことがある?」と聞いた際に、当たり前だという旨の返答があったのだとか。
つまり、習慣を手に入れるということ自体、天性のものではないということです。
誰でも葛藤があり、それを超えて、例えばマラソンの練習という習慣が身に付くというわけです。
習慣を続けるときの苦しみ。やらなかった時の後悔。二つを比べるとどっちが大きいでしょうか?
著者の体感ではやらなかった後悔の方が大きく感じられるそうです。
しんどいけど、やろっかな?そう思うのであれば、思い切ってやってしまうのが良いのですね。
ということで、今回はこんな感じです。次回が本書の読解の最終回になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。