大丈夫の暗示
魔法の言葉
「大丈夫?」
って聞かれたら、いつも「大丈夫!」って答えてた。
だって、心配かけたくないから。
迷惑かけたくないから。
大丈夫じゃないって認めたくなかったから。
子どもの時から、どこか人に頼ることをよしとしてこなかった。
自分のことは自分でなんとかしなきゃ。
「大丈夫」という言葉は便利な魔法の言葉だった。
自分で自分に暗示をかけられるから。
弱さは見せない
弱さを見せることは恐怖だった。
できない自分と会いたくなかった。
誰かの力を借りることは迷惑をかけることだと思っていた。
長女気質だから? 強がりだから?
プライドが邪魔するから?
本当は誰かに頼りたいのに。
話を聞いて欲しいのに。
泣きたいのに。
そんなわたしを見せないように、ひたすら隠してきた。
素直になれなくて
それは、親になってからも変わらなかった。
むしろ余計に頑張らなくちゃ!と肩に力が入りまくっていた。
どんなにうちの中では、荒れていても、一歩外に出たら淡々と振る舞っていた。
「こども3人いるのに余裕がありそうで、うらやましい」
なんて、友人たちからよく言われていた。
「そんなことないよ」と、苦笑いするしかなかった。
そんな反応がまた謙遜として受け取られてしまっていた。
水面下では、いつも足をバタバタと必死に足掻いていたのに。
こっちとしては、あっけらかんと自分のことをさらけ出している友人のことを羨ましく思っていた。
わたしも素直になれたら、どんなにラクだろうか。
大丈夫の暗示
いつだって、「わたしは大丈夫!」
そんな風に自分に暗示をかけていた。
たとえ、大丈夫じゃなくても、なんとかして、大丈夫な状況にしてきたから。
無理をすれば、なんとかなる!
こんな根性論みたいなことを地でやってきていた。
だから、周りからもできると思われて、自らハードルを上げてしまっていたりした。
けど、さすがに限界はあるよね。
ある時、明らかな不調に見舞われていることに気づいてしまった。