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【家族葬】を行うときに注意しておきたいことと、私が思う事。

私達のお客様で、多くの方がご利用して下さっている葬儀スタイルが、【家族葬】です。

【家族葬】とは、『主に親しい人だけで行うお葬式』を指す言葉ですが、昔からあった葬儀用語では無く、近年の葬儀事情において、単なる「おつきあい」や「形式的」な儀式を好まない時代の傾向から生まれた言葉のようです。

【家族葬】とは言っても【儀式を何もしないお葬式】ではございません。お通夜・葬儀など儀式はきちんとしつつも参列者の規模が小さいお葬式なのです。

特に、【緊急事態宣言】が宣言されてから皆様の葬儀に対する意識や集団感染を考慮してできるだけ最小限の人数でお葬式を済ませたいとの思いが強いようです。

【家族葬】を行う事が、

本当に良い事なのか?

不都合な事は無いのか?

今回はこの、【家族葬】についてのメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。


1,【家族葬】のメリット

先述の通り、『主に親しい人だけで行うお葬式』は、気心の知れた方ばかりをお招きするので、故人様と向き合いながらお別れの時間をお過ごし頂けると思います。アットホームなお葬式、といった感じでしょうか。家族葬を選択された方々その部分に満足しておいでの方が多いです。

会社勤めのご家族さまも、【家族葬】で行う事をお知らせすると、それに理解を示し、敢えて参列しない様子もお見受けします。

近所付き合いにおいても、同様に【家族葬】に対する理解も増えてきたように思います。

2,【家族葬】のデメリット

喪主さまや子供さまがお勤めしている方は、身内の不幸事で「忌引き」を取ることになるのでほぼバレます。しかし、会社はこの【家族葬】に関して理解がある企業が多いので、葬儀への参列に関してあまり気遣いをする必要は無くなりつつあります。

問題は、ご近所様や、知人でありながらお葬式にお招きされていない方への、【お葬式後の対応】です。お葬式が終わり、ご遺族様はだんだんと普通の生活に戻って行くのですが、後日談として上記の方々へお伝えする事になります。その際に、

「なんで知らせてくれなかったの?」

「最後だからお別れをしたかった」

このような言葉を沢山聞かなければならない事になります。

あるいは、後日お知らせすることによって関係者の方々に広まり、お葬式が終わってお参りに自宅へ参列する方が後を絶たない、といったケースです。


3,【家族葬】に私が思うこと。

私は、以前は個人的に【家族葬】に賛成派でした。この仕事をしているので正直『お付き合い』で参列する方を多くお見受けしているから、そう思っていました。

「故人様の事を全く知らないのに参列することが本当にその方や家族が喜ぶのか?」

多分、【家族葬】を選択される方に多い考え方だと思います。しかし、この考えを一転させる出来事が私の中にありました。私と同じ経営者で、中学生時代から今も懇意にしている友人がいます。同じ経営者なので、話もよく合いますし、飲みにも行きます。その友人のお父様がお亡くなりになったのですが、彼は【家族葬】にて葬儀をしました。そして、一年間その事を誰にも言わずに過ごしてました。もちろん私も同様でした。

「実は、親父は一年前に亡くなったんよ。」

・・・

・・・

・・・

私にはとてもショックでした。私は葬儀屋もしてますし、何よりも大事なお父様の「死」に対して、何もしてやれなかったことが辛かったです。私は彼とは友人ですが、そのお父様とはお目にかかった事がございません。そのお父様に私が出来る事なんて無いのも事実ですが、ずーんと心が沈んだ自分がいました。

【お葬式】を選択する時にちょっとだけ参列する人の事を考えるとき、

「こういった思いをする人もいるんだな」と知って頂きながら選択して頂くと、『よりあたたかみのあるお葬式』が出来るのでは、と思います。

【一般的なお葬式】にするか、【家族葬】にするかは難しい問題です。明確な答えは私には出す事が出来ませんが、【知る】事で考え方も深くなり、より良いお別れが出来るのではと思います。

本日もご拝読いただき、ありがとうございました。  感謝




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