チェコのはなし 前編
私はチェコという国が好きである。第二外国語以外で初めて履修したのはチェコ語、好きなキャラクターはアマールカ、初めて飲んだビールはピルスナーウルケル、専攻でもないのにボヘミア文学の授業を受け、プラハへは大学時代に2度訪れた。今回はそんなチェコについて、私とチェコの5つの出会いを書いてみようと思う。書いては下書きに保存しを繰り返しながらつらつらと書いていたら、オタク心に火が付いたのか思いの外長くなってしまったので、前編と後編に分けてお届けする。
1. チェコとの出会い
私が人生で初めてチェコという国の存在を認識したのはいつだったか。はっきり覚えているのは『のだめカンタービレ』だ。ドラマの第1話でチェコのプラハが登場する。メインキャラクターである千秋真一が子ども(おそらく小学生くらい)のときに住んでいた街なのだ。音楽の都としてプラハが紹介される。これが私とチェコ、私とプラハの出会いだ。
当時の私はチェコがどのあたりにあるのか、とりあえずヨーロッパにある国らしいということくらいしか知らなかった。なんとなくプラハという名前の響きが気に入り、映像に映し出された街並みも美しく、いつしか憧れの街になった。数年後に実際にプラハへ行って、映像で見たものと同じ景色を自分の目で見たときは非常に感動した。憧れの地に立っている夢みたいな心地と、映像で見慣れすぎたのか懐かしささえ感じた記憶がある。
2. チェコ語との出会い
チェコ語と出会ったのはのだめを観た数年後、大学生のときだ。この出会いが私を言語の沼へと突き落とすきっかけにもなった。
私の大学にはチェコ語の専攻があった。サークルの新歓だったか、「チェコ語はモンスター言語」という噂を耳にして以来、チェコ語が気になって仕方がなかった。秋学期の時間割を組むために冊子を見ていると、なんと秋から履修可能な初級チェコ語の授業があるではないか。チェコにいつか行きたいという気持ちも相まって、即座に履修を決めた。
まだ英語とほんの少しのフランス語しか知らない私にとって、まさに未知の言語だった。モンスター言語と呼ばれるだけあって文法は複雑怪奇、発音の難しさがギネス級の文字(Ř)まである。チェコ語を始めて間もなく受けた衝撃は例文とともに鮮明に覚えている。「カレル・チャペック(Karel Čapek)の本(kniha)」とチェコ語で言おうとすると‘Karla Čapka kniha’となる。固有名詞まで形が変化してしまう。全く違う名前になってしまったではないか。なんて面白いんだ。
3. アマールカとの出会い
私はたいてい、言語を始めるとその言語が話されている国や地域への興味がますます湧いてきて、気づけば沼にハマっているということが多い。チェコも例外ではない。出身の有名人だったり文化だったり、いろいろ調べてみる。調べていくうちに偶然出会ったのがアマールカというキャラクターだ。
森の妖精、アマールカ。子ども向けのアニメのキャラクターとしてチェコでは親しまれているそうだ。アニメのDVDをはじめ様々な雑貨が日本でも販売されている。動くとさらに可愛い。LINEスタンプも販売されており、見つけて即購入しかなり愛用している。本当に可愛らしいキャラクターなので、ムーミンくらい知名度があってもおかしくないと個人的に思っている。他にも魅力的なキャラクターがたくさんいるので、ぜひ以下のサイトをのぞいてみてほしい。
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後編は、ビールのことだったりミュシャのことだったりプラハ旧市街のことだったり。どちらかというとこちらがメインになりそうな予感がするので、また読んでくれると嬉しい。
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