ある日の浅草さんぽ
浅草にお気に入りの雑貨屋さんがある。チェコやポーランドなどの雑貨を販売するチェドックザッカストアというお店だ。
大通りに面してはいない、少し奥まったところにあり、秘密基地のような雰囲気も気に入っている。最近チェコのガラスボタンのアクセサリーが入荷したということで、早速行ってみた。
お気に入りといいつつ、実は浅草という立地柄あまり頻繁には行かない(人混みが苦手なので…)。そのため今回は久しぶりの来店だったので、浅草駅からなかなか辿り着けなかった(そんなところも好きである)。
彷徨いながら歩いていると、素敵な博物館を見つけた。
私は世界の〇〇博物館というものに目がない。なんて魅力的。しかも入館無料という。以前チェドックを訪れたときはなぜ目につかなかったのかと考えてみたところ、おそらく博物館閉館後の時間帯だったか、蔵前駅から向かったためだと思われる。
めあてのチェドックとどちらを先に行くか迷い、こちらから立ち寄ってみることにした。
エレベーターで7階まで上がると、見出しの写真の景色が目に飛び込んでくる。歩みを進めるとカバンの歴史、スーツケースができるまで、そして世界のカバンコレクションと続く。“世界”と銘打っているにも関わらずだいたい欧米のものしかないというパターンを多く見てきた私だが、この博物館にはアフリカや中央アジアの少数民族のバッグまであり、どうやって手に入れてきたのだろうかと驚いた。シルクハット用のケースや、キャビネットトランク、京劇の一幕が描かれた枕兼小物入れなど、バッグの幅もなかなか広い。トレンチコートに身を包み、革製のトランクを片手に列車に乗るというのは、私の密やかな夢である。
さて世界のカバンをじっくり堪能したところで、いよいよチェドックザッカストアへ向かう。上の写真にあるクルテクが描かれた看板が目印である。
最近ではWBCで話題になったチェコだが、“東欧のディズニー”と呼ばれるほどクオリティの高いアニメーションがつくられている。国民的キャラクターであるクルテクをはじめ、可愛らしいアマールカ、イジー・トルンカの人形劇、カレル・ゼマンのアニメーションなど、子ども向けと思いきや大人が観ても楽しめるアニメーションの宝庫である。
また、ボヘミアンガラスといった芸術的なガラス細工も多い。チェドックザッカストアでは素敵なガラス雑貨や香水瓶、アクセサリーも揃えている。美しい食器も欲しくなるが、今回は雨だったため持ち帰る苦労を思って見送り…。
ピアスの種類も多く、散々迷った挙句こちらを選んだ。写真では黄色のように見えるが、光の当たり方で色が変わる。丸い形も可愛らしい。イヤリングもあったものの、やはりピアスの方が種類が多いので、ピアスホールを開けてよかったと思っている。
目当てのお店へ行く途中で意図せず新たな発見をしたときの、宝物を見つけたかのような感覚が好きである。下調べを入念にして出かけるのも良いが、あてもなく歩いてみるのも一興。またひとつ、東京に好きな場所が増えたことが嬉しい。
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